最後の攻撃命令
さいごのこうげきめいれい
ストーリー
地球防衛軍隊長の山本は、妻の洋子の為に惜しまれながらも研究課から情報課へと転属しようとしていた。彼が所属していた研究課では新型ミサイルが開発されていた。
食事の席で、山本は洋子に自分の為に転属しようとしているのかと心配されるが、山本は気にせず、次の場所で仕事が落ち着いたら沖縄にでも旅行に行こうと話した。
その夜、食器を洗っていた洋子は謎の信号を受けて苦しんでいた。
早朝、山本に緊急指令が入った。4機の未確認飛行物体が飛来して来たのだった。
早速着替えて出かけようとする山本に、洋子は自分の真実を話す。
実は洋子は地球の人間ではなく滅びかけている別の星から、最後の希望である地球に潜入していた宇宙人で、飛来した物体は自分たちのロボットキングジョーであり、洋子はそのパイロットだったのだ。
科学の発達した洋子の星でも有人星間移動は非常に困難で、多くの同胞の犠牲を払いつつたった一人でやって来たのだった。
当初は冗談だと思っていた山本だが、電話でキングジョーが山本の暮らすマンションに迫っていることを知らされ、ようやく信じる気になっていた。
しかし地球と山本に愛着を抱いていた洋子は「この日が来るくらいなら故郷は滅びてしまえばよかった」「地球の人類は自分たちの科学力を上回る知的生命体を受け入れるような発達した思考を有していない。それは故郷の星も同じ」と語り、自分は山本と彼の星を選ぶと語った。
やがてキングジョーが団地の目の前に出現。洋子はキングジョーに乗り込み進撃を開始した。
防衛軍は前身を続けるキングジョーに警告するが、キングジョーは防衛隊に攻撃を始めたためやむを得ず山本は全火力での攻撃開始を命令する。
銃弾と光線が飛び交う中、なおも前進を続けるキングジョーに山本は新型ミサイルの発射を要請する。すでに準備は整っており、ミサイルはコックピットのある腹部を狙っていた。
するとキングジョーの前身が止まる。山本は少し悩んだが発射を命令。ミサイルはキングジョーの腹部に命中し、空中で大爆発を起こす。コックピットで「ごめんね」とつぶやく洋子を道連れに…
部隊を再編し、キングジョーが完全に破壊されたかどうか調べるよう命令し、自宅に帰った山本。
テーブルの上のバスケットには洋子の編んでいた毛糸の帽子が入っている。それは山本と洋子、そして、生まれてくる子供の分だった。
一人むせび泣く山本。だがその時、玄関の扉が開き何者かが入ってくる。それは……