プロ野球、高校野球※などは硬式級を用いるが、こちらは柔らかい軟式球による野球、軟式にて競技、それを前提とした野球部は「軟式野球部」となる。
※もちろん軟式野球部のある高校も沢山存在する。
軟式ボールについて
硬式球はコルクの芯に毛糸をきつく巻き付け、牛革でカバーしたものを糸で縫い付けてつくられているが、軟式球はボールの型に中空で一体成型されたゴム製のボールである。
そのためボールにはプラモデルよろしくパーティングラインがある他、縫われてはいないが硬式球と同じように扱えるよう、縫い目が型にモールドされており、縫い目(を模した)凹凸がある。また軽いボールでも空気中を直進するよう、縫い目以外の表面にはゴルフボールの表面のような凹凸のディンプルがモールドされている。
競技について
硬式野球とルール等に違いは無く、スポーツとしては全く同じ野球であるが、用具や必要とするパワーの違いから競技自体は別物になる。
使うボールの硬さ、重量が違うため、投げる感覚、打つ感覚、バウンドした時のボールの跳ね方などが違うため、硬軟を同時に扱うとケガの原因になるとも言われ、同時に実施する選手は少ない。
ボールが違うためグローブ、バット、プロテクター類など、用具が全て硬式とは異なるものになる他、場合によっては球場も軟式専用(硬式不可)だったりもする。
硬式球は重量、硬度が軟式球に比べて上回るため、衝突した時の威力、衝撃がケタ違いに大きい。そのため硬式の用具で軟式球を扱っても問題が無い場合が多いが(※後述の例外あり)、逆は非常に危険であり、硬式球を軟式の用具で扱った場合、用具の破壊、選手のケガの原因になり得る。
※ただし、捕手や審判のマスクは、硬式用の方が頑丈だが、潰れない硬式球に合わせて網の目の間隔が広くなっており、大きく潰れる軟式球がマスクの網の目をすり抜けて飛び込む可能性があるため、硬式用具で軟式球を扱うのも(もちろんその逆も)危険である。
もちろん、公式戦では硬軟違う方の用具を使う事自体がNGである。
前述の通り、ボールの威力が硬式に比べると低いため、比較的安全とされており、用具も軽量で安くなるため、日本の学童野球、アマチュア、草野球では軟式野球がどちらかといえば多数を占めている。
一方で軟式球そのものが日本の独自規格であるため、海外では殆ど普及しておらず、海外の野球は基本全て硬式であり、一般向けのライトな競技としてはソフトボールの方がより普及している。