概要
かつて「ムスペルヘイム」と「ニフルヘイム」の二つの世界を創り出したとされる神。
「守護神」の名前の由来は、この二つの世界の戦いを見守りながら育てていくことこそが自分の役目と考えていることから来ている。
しかしこの二つの世界の創造にも疑問が残る。
なぜ二つの世界は戦い続けるのか?
なぜ他の世界も戦いに巻き込むのか?
氷の使徒がレナを、炎の使徒がアミを攫った目的とは?
戦いを通じてこの真実が明かされていく……
以下は『炎の書・氷の書』のネタバレ注意!!
守護神の居る世界の概要
守護神が作中で居る国を「ギンヌンガガップ」と呼ぶ。
ギンヌンガガップには「アウドムラの町」一つしかないものの、町の中心から入れる「守護神の洞窟」に守護神が居る上、さらに奥にも通路があるが、アウドムラの町に着いた時点では守護神に阻まれ行くことはできない。
アウドムラの町は東西に延びる巨大な橋があり、橋の西側に氷の世界「ニフルヘイム」(厳密に言えば氷の使徒の城下町)、橋の東側に炎の世界「ムスペルヘイム」(厳密に言えば炎の使徒の城下町)がある。
逆に言えばギンヌンガガップは、ニフルヘイムとムスペルヘイムの間にある国である。
普段はアウドムラの町の東西にある大きな橋は封鎖されておらず、人やデビルの移動も行える。
ただしデビルチルドレンが双方の世界に入ってきたため(メタ的な表現をすればゲームの容量やマップの関係上)、橋の往来が厳しくなり、『炎の書』ではムスペルヘイム側、『氷の書』ではニフルヘイム側に行くことはできない。
ムスペルヘイムとニフルヘイムは世界の創造以降はお互いに憎みあっている上、ムスペルヘイムの熱気とニフルヘイムの冷気は、他の世界にも影響を与え戦いを誘発するとされるが、アウドムラの町の人々は双方の国を敵視することはない上、双方の世界に見られる「暑い」または「寒い」と言及するNPCも見当たらない。
守護神が影響が及ばないように何らかの手を施しているのかは不明だが、戦渦に巻き込まれることもないらしい。
ムスペルヘイム・アウドムラの町・ニフルヘイムは大きな橋で繋がっているだけのはずだが、トラポートやテンシのつばさでアウドムラの町からムスペルヘイムまたはニフルヘイムの各場所に飛ぶことはできず、逆にムスペルヘイムとニフルヘイムからアウドムラの町に行くためには必ず城下町を経由しなければならない仕様となっている。
具体的には、炎の使徒の城下町または氷の使徒の城下町から大きな橋に移動した後でトラポートを使おうとしても、行先はアウドムラの町のみ。
逆にアウドムラの町からムスペルヘイムやニフルヘイムに移動する場合も行先はアウドムラの町に固定されているため、特にアウドムラの町から城下町、または城下町以外に行く場合も、必ず徒歩またはランドorゲイルに乗って一度城下町に行かなければならない。
『氷の書』限定で、大きな橋の途中には「橋の洞窟」があり、炎の使徒を倒した後で開放され、最後のお宝を入手できる。
また、『氷の書』のクーフーリンはこの洞窟の特定のマスで出現する。
出現するマスは『炎の書』の守護神の洞窟よりは見つけやすいかも知れないが、出現率は当然のように低いため覚悟して探してほしい。
顛末
ジンとアキラが暮らす地上(人間界)で突如としてデビルと天使が現れ、どちらかが滅びるまで戦い続ける最終戦争「ハルマゲドン」が勃発した。
デビルと天使は争いを始め、戦禍がヴァルハラを包み、ヴァルハラが滅んだ。
インプの「ハーミル」とアミはヴァルハラが滅んだことで「時の間(ときのま)」から原宿にやって来て、アキラに上記の話を伝えた。
ジンは天使に、アキラはデビルに襲われるも、再び現れたランドとゲイルによって一蹴。
原宿には魔界と天界に繋がる時のゲートが現れ、ヴァルハラを救うため、地上の平和を取り戻すため、ジンとアキラの冒険が再び始まる。
ジンとレナは、天使が徴兵として利用されようとしている原宿の子どもを攫うのを阻止しようとするも、レナも天使に攫われたため、レナを取り戻すため天界へ向かう。
アキラはヴァルハラを救う手掛かりを探すアミを追いかけ、魔界へ向かう。
ジンとアキラは真相を知る過程で、天界ではデビル、魔界では天使を扮する異形のデビルと戦うことになる。
ジンは魔界ではルシファー、アキラは天界でミカエルに会い話を聞くも、どちらもハルマゲドンとは考えておらず、魔界ではディープホールの大魔王ゼブル、天界ではミカエルの部下である大天使エノクの号令により戦いが始まったことを知る。
ジンは天界のエノク、アキラは魔界のゼブルと会い、レナとアミの行方と戦う理由を尋ねようとするも、やはり彼らは偽者で、真相を知りたければ氷の異世界「ニフルヘイム」・炎の異世界「ムスペルヘイム」に来るように挑発を受ける。
この間、レナは天使に攫われたあと天使の力を与えられ「エンゼルチルドレン」として天使と同行するようになり、アミはデビルにさらわれていた。
レナとエノクの会話を聞いたジンはニフルヘイムへ行くため、アキラは(どうやって行けるかわからないが)ムスペルヘイムへ行くため、原宿へ戻ることになった。
しかし彼らが見たのは瓦礫と焼き跡に覆われ、日常が崩壊した原宿だった。
原宿に現れたデビルは、元々ニフルヘイムとムスペルヘイムからやって来て、ジンとアキラが旅立った後に魔界のデビルと天界の天使を扇動して戦わせ、原宿を滅ぼしたのだった。
崩壊した原宿も戻すため、ジンはニフルヘイムへ、アキラはムスペルヘイムへ向かった。
『氷の書』では、ムスペルヘイムに着いてすぐの山小屋で、ムスペルヘイムとニフルヘイムの歴史を聞くことができる。
元々ムスペルヘイムとニフルヘイムは「守護神」が創った。
そして「守護神」は、炎の力を持った「炎の使徒」に対してムスペルヘイムを、氷の力を持った「氷の使徒」に対してニフルヘイムを、それぞれ治めるように言った。
ところが、ムスペルヘイムとニフルヘイムは何故かずっとお互いを憎みあって争っている。
「守護神」は現在、ムスペルヘイムとニフルヘイムの間にある国「ギンヌンガガップ」で、この現状に心を痛めているという。
『炎の書』でニフルヘイムに着いてから戦う「しょくりゅう」は、ジンとの戦いの後、「我々(この世界のデビル)には炎と氷の戦いを続けていくしか生きる道はない」と語る。
また、『氷の書』の流浪の民の村の村人によれば、ムスペルヘイムとニフルヘイムから溢れる炎の力と氷の力は、全ての異世界に影響し戦いを求めるようになるという。
両作品の城下町では、アウドムラの町にはムスペルヘイムとニフルヘイムの始まりの秘密が秘められた守護神の洞窟という場所があると聞ける。
守護神の洞窟でジンが最初に守護神と会った時、天使の力を持つエンゼルチルドレンであるレナは、デビルの力を持つデビルチルドレンであるジンと相反する上、実際に攻撃されたのだから助ける必要はないとジンの行動を否定的に指摘した。
しかしジンは、襲われたとしてもレナは自分にとっての友達であり、本心からジンを倒そうとしているわけでもないはずで、自分に与えられた天使の力に操られているだけと反論した。
そんなジンに対し、「この世界は戦いに満ちている。相反する力がぶつかり合い、自分を守るために相手を押し潰そうとして、終わりのない戦いを続けているのだ。それがこの世界の姿なのだ。レナがお前を倒そうとしたのも、その戦いの姿なのだ」と否定。
「自分の信じる道を進め。そうすれば全てが明らかになる。しかしその結果がどうであろうと自分自身で受け止めるしかないのだ」と突き放した。
また、守護神の洞窟でアキラが最初に守護神と会った時、なぜムスペルヘイムとニフルヘイムは戦いに満ち溢れているのかを尋ねると、「光と闇は世界の始まる前から戦い続けている。その戦いこそが世界を作り出した力なのだ。そして光と闇はこの世界で炎と氷に形を変えて戦いを続けているのだ」と語る。
戦いによって生まれた世界こそがムスペルヘイムとニフルヘイムとアキラは疑問を投げかける。
「ワシはここでその戦いを見守り、そうすることでこの世界を守っているのだ」
戦いによって滅びる世界やこれから滅びようとする世界があることを指摘するが、話はここで終わってしまう。
戦いの中で、ニフルヘイムとムスペルヘイムのデビルがレナとアミを攫った理由もまた、炎の使徒と氷の使徒の命令によるものだったと判明。
ジンに対して氷の使徒は、ジンの持つ光の力によって自身の氷の力を呼び覚まし、レナはジンを呼び寄せるための犠牲となったと語った。
レナを攫い天使を力を持たせてなお戦い続けたいのかという問いに対しても、光と闇の戦いは命が生まれる遥か昔から止むことなく続いており、その戦いこそが世界を生み出す力であり、転生を司る力であると語り、ジンとの戦いを始めた。
氷の使徒は敗れると、「ジンの光の力が新しい世界を生み出すことに守護神は気づいたため、レナにジンのような力を与え、新しい世界を生み出すことを思いついた」と語り、ジンを手引きした。
対してアキラは、炎の使徒に戦いを止めない理由を問い詰めるが、炎の使徒は上記の氷の使徒と同じ理由を語った。
また、アミはヴァルハラに替わる新しい戦いの世界を生み出すための「カミ」にするために利用すると言い、そもそもアミに対してヴァルハラを復活させることを約束してもいなければ、あまつさえヴァルハラを古ぼけた世界としてどうでもいいと切り捨てたのだった。
アミを騙し心を踏みにじった炎の使徒に対して大激怒し、戦いを挑んだ。
炎の使徒は敗れると、世界の隠された場所を探すよう言い残した。
そしてジンとアキラは宝を入手し、世界の狭間に辿り着き、そこでジンはレナが、アキラはアミが、守護神に拉致られているのを見つける。
以下の文章は『炎の書』をベースにした台詞(括弧は『氷の書』)でまとめている。
「天使の力を持った少女よ(ヴァルハラの少女よ)、もうすぐお前はカミとなるのだ。お前の中に宿った新しい世界がもうすぐ生まれようとしているのだ。その世界もまた戦いに満ち溢れているだろう。光と闇、炎と氷、二つの力が全ての争いの基となり、果てしのない戦いが続く。そんな世界をお前はもうすぐ生み出すだろう。そして戦いの続く世界を見守り育てていくのがこのわしの役目なのだ…」
この話を聞いたジンは守護神と話を付けようとするが、炎の使徒を倒したことでこの世界が終わり、この世界をお前が滅ぼしたのだと難癖をつけてくる。
これによりジンは、全ては守護神が始めたことだったと指摘(アキラの場合は炎の使徒のくだりはなく、開口一番に全ては守護神が始めたことと指摘している。以降の台詞はほぼ同じ)。
つまり守護神こそが本作の全ての元凶なのであった。
しかし守護神は「戦いこそが世界の始まりであり、戦いこそがこの世界の姿なのだ!!」と強弁し、ジン(アキラ)も戦い続けて世界の狭間にやって来たと指摘する。
ジンとアキラは友達を取り戻すため、戦いを終わらせるために戦い続けてきたのだが、守護神には理解できず、
「その目的が何であろうと(何が違うというのだ?)、戦うことに変わりはないはず。二つの力がお互いに相手を破壊しようとして果てしのない戦いを続ける。決して終わることのない戦いの世界こそ、始まりの時から続いてきた姿なのだ」と意見を崩さない。
「お前の言う戦いとは二つの力のどちらかだけが生き残ろうとする破壊のための戦いだ! 二つの相反する力があってもその力がお互いを助け合い、調和のとれた平和で喜びを分かち合う世界こそが世界の本当の姿なのだ。友達を信じて、相手のことを思い、優しい眼で見守りあって、助けたり助けられたりして、新しい世界を築いていくことこそ俺たちの世界の姿なのだ。そんな世界を作るためにこそ俺はここまで戦い続けてきたんだ!!」と反発。
小賢しいことをと、守護神は議論を止め、ジンとアキラと戦うが、あっさり敗れてしまう(詳しくは後述の「*性能」を参照)。
「ジン(アキラ)、これで終わりだと思っているのか?」と言いつつ、ゾズマ(セクンドゥス)に姿を変える。
「疑いと裏切り、憎しみと絶望、それが私を作ったのだ。怒りに悶えながら、ただ破壊の欲望だけが、私の命となったのだ」
要するに全ては自分が生きるためだけに行なったことだったのである。
だが、ジンとアキラもまた自ら望んでデビルチルドレンになった訳ではないものの、我欲のために世界を弄んだ上、原宿の子どもたちやレナを攫い、レナをエンゼルチルドレンに仕立てジンとの対立を煽りレナの心を踏みにじった(ヴァルハラを滅ぼし、ヴァルハラを取り戻したい一心で炎の使徒に身を委ねたアミの心を踏みにじった)ゾズマ(セクンドゥス)を倒せば、友達と自分の力を信じてきたことが正しかったと言えるかもしれないと反論。
しかしそんなジンとアキラの胸中を一切考えないゾズマ(セクンドゥス)は「お前をカミにしてやろう。わしの言うとおりにするか?」と提案する。
だが、これまでの議論の一切を無視(つまりジンやアキラの話を一切聞いていない)提案に対し、ジンとアキラは「ふざけるな!!」としか言い返す言葉もないまま、ゾズマ(セクンドゥス)に戦いを挑む。
敗れたゾズマ(セクンドゥス)は「全ては無に還り、お前の望みもその中に見つかるだろう」と言い残し、消滅した。
崩壊した原宿からデビルと天使が消え、原宿は元に戻った。
アミも元に戻り、全ての世界は救われたと語った。
作中の動向
時系列は不明だが、上記の「光と闇は世界の始まる前から戦い続けている。その戦いこそが世界を作り出した力なのだ。そして光と闇はこの世界で炎と氷に形を変えて戦いを続けているのだ」という台詞から察するに、ヴァルハラが創造される前から守護神自体は存在していてもおかしくはない。
というのもヴァルハラの誕生経緯はまさに争いの絶えない世界の存在があったためであり、ヴァルハラの争いの発端であるクェーサーとセイファートは皮肉にも光の御子と闇の貴公子の考える平和に対する敵が、ヴァルハラの外(上記の光と闇)からヴァルハラの内(上記の炎と氷)にすり替わっただけとも考えられるためである。
守護神がヴァルハラに対してどう考えていたかは不明だが、上記の通り『氷の書』で炎の使徒はヴァルハラを「古ぼけた世界」と評しており、ムスペルヘイムとニフルヘイム及びヴァルハラは世界として長い歴史を持つことは間違いないようだ。
守護神はヴァルハラにおけるデビルチルドレンの戦いを認知していたらしく、作中で言及は無いものの、ヴァルハラに平和が訪れたことで、ヴァルハラが自身が望む疑いと裏切り、憎しみと絶望の世界でなくなったことがそもそもの発端と推測される。
ムスペルヘイムの炎の使徒とニフルヘイムの氷の使徒に(恐らく意図的に)ヴァルハラを滅ぼすように命令し、炎の使徒傘下のデビルにはゼブル・フェゴール・ベリトの偽者、氷の使徒傘下のデビルにエノク・サンダルフォン・メルキセデクの偽者としてディープホールとハイエストピークに居る本物を襲撃。
本物とすり替わった偽者は、魔界なら天界、天界なら魔界を相手にした戦いの機運を高めさせ、偽者のゼブルとエノクの号令により各地で戦いが始まった。
作中では魔界と天界の各所で既に戦いが始まっていたものの、作中の時系列を鑑みれば恐らく元々の決戦の舞台はヴァルハラであり、ヴァルハラが滅んだために天界と魔界、さらに地上(人間界)に移ったと思われる。
ヴァルハラが滅んだ理由はもう一つあり、『光の書・闇の書』では帝国軍と反乱軍の争いが絶えなかったものの、反乱軍のリーダー・ドレイルを失って以降反乱軍は勢力を落とし、ジンとアキラが皇帝を倒したことで帝国軍自体も勢力を落とした。
つまり『光の書・闇の書』終了時点でヴァルハラは確かに争いが止まり平和になったものの、帝国軍と反乱軍の生き残りの勢力自体も衰退し、武力そのものもまだ残っていたとはいえ、双方ともあくまでヴァルハラ内部の敵勢力にのみ向けられた余力に過ぎなかったため、天界や魔界といった外界のデビルに対処する術が無かった可能性もある。
人間界がヴァルハラより後回しになった理由は不明だが、本編開始の時系列は「200X年」と明言されており、『黒の書・赤の書』の続編である『白の書』に登場したパクとハーミルの存在から当時の原宿は2000年7月より後なのは間違いないため、仮に現実の世界と同じ歴史を辿ったと仮定するならば、この頃は戦時中の国自体は存在するため、少なくとも世界中において戦いのない平和な世界だったとは考えにくい。
とはいえヴァルハラ以外に平和な世界は無かった上、魔界や天界を舞台にした戦いのみでは大局的に見れば天界と魔界のデビルによる相打ちで終わり長期的な戦いが見込めなかった(作中の一般認識であるハルマゲドンとはそういうものだが、守護神としては自分の生存に関わるため短期で終わるのは望ましくないのだろう)。
そして何より戦いの火種となるデビルチルドレンが居て、かつ世界的にも比較的平和な地上(人間界の原宿)を標的にしたと推測される。
ちなみに『氷の書』ではハーミルとアミが魔界のデビルに扮したムスペルヘイムのデビルに追いかけられている所から話が始まるが、本人に自覚はないだろうが「ヴァルハラの少女」というだけで守護神に狙われていたアミと、ルシファーの命により(恐らくこの事態を収拾するための)デビルチルドレンを探していたハーミルとともに原宿に現れている。
守護神自体は作中でレナやアミが自身の元に来るまで動くことはない。
ジンとアキラは実質的にレナやアミを追い掛ける戦いを続けてきた訳だが、最初にジンとアキラと対面した時から議論する気が一切なく(というより「神」であるが故に「人間」の思考が理解できなかっただけの可能性も高い)、一言二言ジンとアキラの主張を聞いたら議論を避け、自分の主張を言うだけ言って話を締めるくらいに傲慢かつ短絡的な態度が見て取れる。
元々ムスペルヘイムとニフルヘイムを創った理由も簡単に言えば世界で人間やデビルなどが戦い続けることが自分の生命維持に繋がるからという迷惑極まりないものであり、レナやアミを利用するのも身も蓋もない言い方をすれば最近思いついた世界創造の方法を試したいくらいの動機でしかなく、ジンとアキラが和解できないのも当然であった。
そしてそんな身勝手な神が「自分の指示に従えばカミにしてやろう」と言ったとしたら、流石に議論することすら無理と放棄し倒しに来るのも道理と言えるだろう。
また、ジンとアキラが倒した炎の使徒や氷の使徒以下の傘下幹部については、クリア後に仲間にすることができる。
これは言い換えればジンとアキラの「二つの相反する力があってもその力がお互いを助け合い、調和のとれた平和で喜びを分かち合う世界こそが世界の本当の姿なのだ。友達を信じて、相手のことを思い、優しい眼で見守りあって、助けたり助けられたりして、新しい世界を築いていくことこそ俺たちの世界の姿なのだ」という主張を裏付けるものでもある。
悪い表現をするが、ジンとアキラはその気になれば敵を殺害することもできるし、何なら本作では守護神は消滅したっきり復活することはない(他にも幹部ですらないデビルも復活しないが、それが殺害と断言できるものではない点に注意)。
また、どんなに力があっても意志が強くても、「デビルチルドレン」だけでデビルと戦える訳ではない。
パートナーが居て、そのパートナーに交渉を託して自分とともに戦う仲間のデビルを増やし、世界を救うため、あるいはその世界を創るために戦ってきたのである。
無論、その戦いの一つ一つにおいて相手を傷つけたり、最悪の場合殺害した可能性も否定できないが、ジンとアキラが行なってきた戦いは、少なくとも相手を破壊や殺害する目的のためではないということを強調しておく。
性能
戦闘自体は2連戦であり、2戦目に敗れた場合は1戦目からやり直しとなる。
なお、シュゴシンとゾズマ/セクンドゥスはゲーム上のデビダスでも改造コードを駆使すればデータ自体は確認できるものの、前作のクェーサーとセイファート同様、そもそも配布の予定は無いのかデビダスの説明は「開発中」と書いてあるのみで済ませられてしまっている。
ちなみに本作にはゲーム上で入手不可のデビルは他にもアーサーが居るが、あちらはデビダスの説明はきちんと作られている。
1戦目
シュゴシン
クラス | 種族 | 属性 | HP | MP | アタック | ガード | マジック | Mガード | スピード | ラック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キング | ボス | 土 | 2047 | 1147 | 44 | 42 | 43 | 42 | 40 | 41 |
1戦目は「本当の戦いの厳しさを教えてやろう」と言った割には非常に弱い。
属性は土であるためランドの「メギドフレア」やゲイルの「メギドクロス」は等倍で入る上、用意できるならヴィシュヌ、エアエレメント、アルラウネゾンビなどの「マハザンダイン」で弱点を突き大ダメージを与えることができる。
挙句の果てに『氷の書』限定だが本作の本物のゼブルとは相性が最悪で、「メガサイクロン」や「かぜのまい」のダメージが思った以上に入るので、想像以上にあっさり倒せることも。
とはいえあくまで2戦目の前座に過ぎないため、弱すぎるのも無理はないのだが。
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新自由主義:カミでなくとも突き詰めればこの思想になりかねない。