概要
ジンの前世である光の御子とアキラの前世である闇の貴公子の二人が作り出した異世界。
二人は争いのない平和な世界を目指してヴァルハラを創造したものの、作中では悲惨な目に遭う異世界でもある。
光の書・闇の書
遥か昔、魔界の大魔王ルシファーを上回る実力を持っていたとされる光の御子と闇の貴公子は、二人で力を合わせて争いのない平和な新たな異世界『ヴァルハラ』を創造した。
それまでの世界がどのようなものだったかは不明だが、少なくとも魔界は既に存在しており、当時魔界では光の御子と闇の貴公子はルシファーに匹敵する実力者として知られていた。
光の御子と闇の貴公子がヴァルハラを創造した際、対となる破壊の存在として「クェーサー」と「セイファート」が誕生している。
ヴァルハラに限らず異世界の命と時間を喰うために存在する「クェーサー」と「セイファート」は倒してもいずれは復活する存在で、作中で描かれていないものの、光の御子と闇の貴公子も対峙したものと予想される。
作中開始前の背景では、皇帝兄弟を操り、ヴァルハラに帝国を生み出し、デビルと人間に圧政を強いており、それを良しとしない人間やデビルが反乱軍を結成。
一方、帝国軍は魔界や人間界に「時のゆがみ」を生じさせ、時間経過とともにヴァルハラも含めた全ての異世界を滅ぼし無に帰そうとしている。
つまりヴァルハラ以外の異世界は時のゆがみによって滅びるか帝国軍の軍門に下るかの選択を強いられていたのだ。
しかし魔界の場合は、ルシファーの部下である一方、自身が魔界の王になる野望を秘めた「フォロウ」が帝国と結託しており、ジンとアキラが居なかった未来ではルシファーが倒されフォロウが魔界の王になったものの、後に帝国軍が魔界に進軍しダークパレス以外が滅びフォロウも倒されたことが明かされているため、実際の所は帝国軍の軍門に下るという選択肢もないのだが。
また、いずれの選択であったとしても結局は全てが滅びることによってクェーサーとセイファートにとっては糧となるため、始末がつかない状況となっていた。
クェーサーとセイファートについては皇帝を裏で操る存在であることから表向きには明かされておらず、作中の登場人物でクェーサーとセイファートを知るのは少なくとも光の御子と闇の貴公子、皇帝兄弟、ジンとアキラに限られていた(ギンヌンガガップの「守護神」が認知していたかは不明だが、彼にとってはヴァルハラも争っている方が好都合なため、認知こそしていたが黙認していた可能性もある)。
上記を踏まえた上で作中の動向を鑑みると、ヴァルハラを救うための方法を人間界で探していたアミは、偶然にもジン、アキラ、レナと出会い、奇しくもジンとアキラがデビライザーを扱える存在「デビルチルドレン」だったことが判明する。
さらに終盤にはジンとアキラは光の御子と闇の貴公子の生まれ変わりであることも判明。
恐らくヴァルハラを去った後は人間界で余生を過ごしたものと思われるが、時を超える力を持っていた光の御子と闇の貴公子は見事ジンとアキラを導き、ヴァルハラに限らず魔界や人間界も救ったのだった。
魔界や天界などと同様、各地で合体システムが普及しているのはともかく、どこでもパラレル・ススが合体の案内役を務めている。
まあ化石合体もアングルボダ、訓練所もタケミカヅチがどこでも担当しているのだが。
炎の書・氷の書
上記のようにヴァルハラの平和が訪れたのは束の間だった(前作からどれくらいの時間が経過したのかは不明だが、本作の原宿の年は200X年と明言されている上、『白の書』に登場したパクとハーミルの存在から、時間としてはそこまで経っていないものと思われる)。
魔界と天界が戦い続けることによりどちらかが滅ぶまで終わらない戦争「ハルマゲドン」が勃発したことで、ヴァルハラは滅びてしまう。
ジンとアキラは本作ではヴァルハラを行き来することはできず、ギンヌンガガップの「守護神」を倒したことで、ヴァルハラ・人間界・魔界・天界が救われたことしか明かされていない。
アニメ版
ゲーム版同様に光の御子と闇の貴公子によって創造された異世界。
ゲーム版における皇帝弟にあたる「アズラエル」がヴァルハラ皇帝として圧政を強いたが、後にゲーム版の皇帝兄にあたる「レミエル」が即位し、圧政や村々への侵攻がさらに激しくなっている。
出番は少ないがゲーム版の反乱軍(アニメでは「解放軍」と呼ばれる)も登場しており、各キャラクターの設定も殆どゲーム版と同様。
ただし上記の通り本作で描かれるのはヴァルハラのみのためヴァルハラ以外での活動については触れられておらず(このためシュンが光と闇の力を求めルシファーを倒すこともない)、リーダーのドレイルの裏切りについても動機は「皇帝がアズラエルからレミエルに代わったことでさらに激しくなった圧政に対し、現行の解放軍では優秀な人材に乏しくジリ貧になる中で戦いに疲れたため」となっている。
唯一ナオミについては解放軍から離反した帝国軍として登場しており、立場がゲーム版と変更された。
本アニメでは上記のゲーム版と同様、「デビルチルドレン」の定義が殆ど「デビライザーを扱える者」程度の意味合いしかないことが明示されている一方、アミの認識では光の巫女と闇の貴公子あるいはその子孫こそが「デビルチルドレン」である点がゲーム版と異なる。
光の御子と闇の貴公子がヴァルハラを去る時、その力の一部(デビライザーを行使し、一時的にランドとゲイルをランクアップできる「デビルチャージ」が行える能力)を少数の人間に授けたとされ、その力を引き継いだ存在が「デビルチルドレン」だからである。
アミが唱えた呪文は光の御子と闇の貴公子を呼ぶ呪文だったが、同時にジン、アキラ、レナが唱えた召喚の呪文と重なったことで、三人がヴァルハラに呼び出される結果となってしまった上、ジンとアキラが時の鎖と時の鍵を合わせても何の効果も発揮されなかった。
もっともジンとアキラの力が先祖の力と比べると弱いこともゲーム版で示唆されているため、第2話時点で光の御子と闇の貴公子でないと断定するのは早計なのだが。
実際に作中の終盤に少しずつジンとアキラは光の御子と闇の貴公子の幻影を見るようになり、ランドとゲイルは最終的に光の御子と闇の貴公子のパートナーであるゴッドソルレオンとジハードヘイロンにランクアップし、エノク戦でもエノクに光の御子と闇の貴公子の幻影が見えるまでに力が可視化されているようだ。
時の鎖と時の鍵を光の御子と闇の貴公子が行使することで、ヴァルハラに平和が訪れるとされる時の塔の巫女に伝わる言い伝えがあるが、世間的にはあまり知られていない。
加えて第2話で時の鎖が分裂してしまったため、ジン、アキラ、アミ、レナは時の鎖を探すべく時の塔から離れて旅に出ることとなった。
ところが第29話ではレミエルの即位により帝国への反乱因子として、一行はお尋ね者となってしまう。
第1話時点でヴァルハラの大部分が帝国軍に支配されている状況で、デビルの種類ごとに帝国軍の部隊が随所で確認できる。
また、第2話におけるアキラの推測では、召喚の呪文を唱えた際に人間界の時間が止まったらしく、ヴァルハラを救うことが人間界の時を動かし、ヴァルハラと人間界の双方を救うことに繋がるという設定になった。
帝国軍は報連相がしっかりしているようで、第2話の時点でデビルチルドレンの話が、第4話で炎帝ハボリムが倒されたことでアミが時の塔に仕える巫女と帝国軍中に知れ渡ることとなった。
実はアズラエルとアミは兄妹のように育った過去があり、そもそも時の塔に仕える巫女がアミであることをアズラエルが知らない可能性は低い。
つまり第1話以前に時の塔に侵攻しなかったのは、これらの事実をアズラエルが隠していた可能性もある。
合体は存在しているが、本作では人間とデビルが仲良く暮らしていた頃に存在していたいわばロストテクノロジーであった。
広大な鉱山の地下、深海、古代遺跡のような人里離れた場所にあったことからもそれが窺える。
作中ではシュンは仲間であるバクとアグニを合体させサカタノキントキ(『光の書』でもこの組み合わせで合体可能)、ジンはウミボウズとヨルムンガンドを合体してアクアエレメント(ゲームではこの組み合わせでは生み出せない)、果ては帝国軍であるアモンと帝国軍以外のデビルのヴァーチャーが合体しアースエレメント(ゲームではこの組み合わせでは生み出せない)をそれぞれ生み出している。
合体には双方のデビルの同意が必要なようで、同意がない場合は合体装置が暴走し周囲が爆発するなどの被害がある他、合体元のうち意思の強い方の人格が合体後の人格となる設定も見られた。
登場デビルはゲーム版におけるゾンビが復活した種も含まれ、殆どが帝国軍のデビルであるため大量に出現することもある(ゾンビ自体は登場しない)。
また、皇帝がレミエルに代わった後半では、『炎の書・氷の書』のヴァルハラとは違う異世界であるニブルヘイムやムスペルヘイムに出現するデビルも見られる。
ただし後者については『光の書・闇の書』に登場した中堅~高レベルのデビルもニブルヘイムやムスペルヘイムに出現するため設定として矛盾はしないどころか、ニブルヘイムやムスペルヘイムに存在するモンスターの正体も、結局の所デビルでしかなかったという話である。