M(ゲゲゲの謎)
えむ
概要
龍賀製薬が特別な客だけに卸している秘薬。
摂取すると、疲れもなく昼夜働く事ができる。
かつての日清・日露戦争で日本が勝利を得たのは、この薬品を摂取した「不死の兵隊」によるものと言われている。
水木は当初、戦場でのお伽話とMの存在を信じていなかったが、勤め先の血液銀行にて実物を見たことで、信じざるを得なくなった。
製造は東京で行われているが、元となる原液は哭倉村で作られており、その原料や製法は龍賀製薬の社長である龍賀克典にも知らされていない。
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この先、ネタバレ注意!!
その材料はなんと血桜によって生かしながら搾り続けてきた幽霊族の血液であり、そのために無数の幽霊族が犠牲になっていた。
そして、幽霊族の血をそのまま投与されたことで赤い肌をした生きていながら死んでいる「死人」と化した人間からさらに抽出したものがMの原液だったのである。
そうした死人とする人間は哭倉村周辺から拉致してきた者達であり、村の住人たちは薬の原料として搾り取るために、拉致監禁され苦しみ続けている死人と化した者たちの管理を仕事にしていたのである。
ちなみに劇中で捕まった鬼太郎の父が連れていかれた地下の採血施設のゴミ捨て場には人形が捨てられており、この人形は水木が利用した汽車に乗っていた「煙草の煙で咳き込む少女」が持っていたものと同じ。また血を抜き取られている死人の中にも咳き込む者とそれを案じる者(多分母親)がいることから、あの汽車の乗客の内、かなりの数が拉致されたと推測できる。あるいは、普通の売血と騙された人たちだった可能性もある。尚、現在の法理で売血は感染症の危険性があるのと反社会勢力の資金源になる可能性がたる為、法律で禁止されているが1950年代はまだ合法的に行われており、生活苦から売血せざるを得ない人も当時は多かった。
つまりMは、龍賀一族どころか村全体が、幽霊族と人間を踏み台にする非道によって生みだされたものだったのである。