概要
星野アイの実母。
くたびれた初老女性といった印象で、初登場の時点でアイの死後14年以上が経過していることを差し引いても、天性のアイドルとしての輝きを放った娘との相似は乏しい。
若い頃はどうだったのかは不明だが、全体的に苦労の積み重ねが見て取れる容貌である。
アイが語った彼女はお世辞にも良い母親であったとは言えず、窃盗で捕まった後に出所しても施設に預けられた娘を迎えに行くことは終ぞなかった。
アイはこれを、自分は愛されていないと解釈したが、あゆみ自身は娘を愛しており、迎えに行くつもりはあったし行きたかったとアクアの前で吐露する。
本人曰く「世界でたった一人の娘だから」
しかし、また自分の所に戻ってくれば娘を虐待してしまうと懊悩した結果、アイを自分から遠ざけるしかないと結論付け、施設に放棄することを選択した。
虐待の理由はアイの魔性ともいえる美貌に対する嫉妬であり、当時まだ8、9歳あたりだったにも拘らず、結婚を視野に入れてた男性の心すら奪う娘に対し「あの子は魅力的すぎた」「恐ろしい位美人に育った」と女として母として苦悩した当時の心情を語っている。
総じて、彼女もまたアイの才能に振り回された一人の女性であった。
ただし、同年代であり他人でもあったB小町の面々と違い、唯一の肉親であった彼女が庇護すべき幼いアイへの影響は多大であり、今わの際にようやく嘘ではない愛を我が子たちに伝えたアイの孤高というにはあまりに愛し合うことに希薄だった人生の遠因となった。
彼女の自宅を去ったアクアと合流したあかねからは「虐待の末に娘に見限られた母親」と辛辣な評を下されている。
「孫(アクア)に会えると思わなかった」という言葉からも、娘に対し恨みよりも後ろめたさが勝ることは明白だが、彼女の当時の切実な思いもアイが死去した今となっては伝える術は無い。
凡庸な親と非凡な子の相容れることのできない悲劇の家族像だったと言える。
余談
彼女の名前である「あゆみ」だが、実娘であるアイに歩み寄れなかったことを鑑みるとなかなか皮肉が効いている命名である。
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- 星野歩:一文字違い。