概要
懲罰部隊(ちょうばつぶたい)とは、軍隊の中で、脱走兵などの軍規違反者を集めて編成した特別な部隊のことである。また、減刑や釈放を交換条件として国内の受刑者で編成された部隊もこれに当たる。
近代ではナチスドイツ、ソ連、大日本帝国陸軍、ウクライナ戦争時のロシア、ウクライナ等が知られているが、洋の東西を問わず多かれ少なかれどこの国にもこういった部隊は見られる。
懲罰部隊に送られる条件や待遇などはまちまちだが、概ね損耗率の高い危険な任務に投入されることが多いという点は共通している。
要するに、「処刑は勘弁してやるから死地に行ってこい。生き残ったら許してやってもいい」というのが懲罰部隊であり、一定期間の在任、もしくは戦傷や英雄的行為により原隊への復帰、乃至除隊と釈放が許される例が多い。
制度としては懲罰部隊でなかったり、現地で臨時に編成されたものを含めると、最前線へ優先して送り出された二・二六事件の参加者、壊滅した部隊の生き残りなど指揮系統の異なる者が優先して指名された硫黄島の夜襲要員、敵性に近いと見做された日系人で構成された第二次世界大戦の米軍第442連隊など、要するに厄介者をかき集めて危険地帯に投入することを目的とした部隊はかなり多く見られる。