ペドフィリア(英: paedophilia)は、特異な性欲の一つ、幼児・小児を対象とした性愛・性的嗜好をいう。
現在、米国精神医学会 (APA) の診断・統計マニュアルDSM-IV-TRでは小児性愛 (pedophilia) に関して以下の記述がある[1]。
規準A : 少なくとも六ヶ月以上にわたり、幼児または、(一般に13歳以下の)複数児童との性的行為に関わる、振る舞い、性衝動、強度な性的興奮を引き起こす空想が、反復して持続すること。
規準B : このような性的衝動または空想に従うことで、著しい苦痛や対人障害が引き起こされること。
規準C : 少なくとも16歳以上であり、規準Aの対象児童よりも、5歳以上、年長であること。
日本における認識
日本では以前はペドフィリア嗜好に対する認識がほとんど無く、子供に対する性的行為は性犯罪者などが行う異常行為、といった認識であった。また児童に対するわいせつ事件についても、よほど悪質か異常な物を除いて「いたずら」と呼称するなど軽視される傾向が強かった。児童の裸体や性器露出についてもわいせつ物としての認識が無く、いわゆる少女ヌード写真集が70年代では堂々と一般書店で一般に発売されていた。
こうした状況を激変させたのが、1988年 - 1989年に発生した東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件である。この事件によってペドフィリア嗜好を持つ人間が一般社会に潜んでいる実態が世に知れる事となり、児童を対象にした性犯罪への警戒や児童ポルノの規制の強化、更に通常のメディアでも児童の裸体・下着露出の自主規制などが行われる事となった。こうした経緯から、日本ではペドフィリアに対して極めてネガティブな風潮が強く、現在はほとんどが否定ばかりで、その原因や存在をとらえようと前向きに研究をしたりすることは少ない。