CV:山岸治雄
概要
主人公・井芹仁菜の父親。育児アドバイスの本をも書いているカリスマ教師で熊本県の教育世界のちょっとしたセレブ。
眼鏡と目元のシワが特徴のおっさん。かなりのヘビースモーカーのようでタバコを減らすように家族から言われている。
妻の井芹靖恵と長女の井芹涼音と三人で暮らしている。
第1話の電話や仁菜の回想にちょこっと現れておりED映像にも顔を覗かせているが本格的な出番は第10話にあたる「ワンダーフォーゲル」である。
実は仁菜が家族を離れて川崎で暮らすようになったきっかけにこの宗男は大きな一枚を噛んでいるのだった。
自殺を考えるほど深刻なイジメに遭っていた仁菜の境遇を宗男はほとんど目向きもせずにいた挙句、仁菜の味方をしないばかりに彼女の意を完全無視して学校の顔を立てることで彼女の大学の推薦をもぎ取ろうと目論んだ。
当の仁菜は学校と怪我を負わせた虐めっ子と学校との会合を逃亡して推薦の話を蹴り、後で父と娘で大喧嘩に発展し宗男の放った「勝手にしろ」という言葉を受けた仁菜が一人暮らしに挑んだのである。
そこで予備校での成績が急落下する様に激怒した宗男は仁菜を叱り飛ばすぞと意気込んでいるところで涼音のストップを食らい代わりに長女に行かせたが、涼音の「バンドのために予備校を辞めたら家に帰れなくなる」の警告を受けた仁菜が真剣に悩んで仲間に相談して桃香にカッとなって退路を断つことを選んでしまう。
「今まで大切に育ててくれてありがとう」と仁菜の決別の手紙を受けた宗男は訳が分からず頭を抱え、仁菜を罰するに妻を伴って川崎へと進撃。丸一日仁菜を追い回すも捕まることができなかった宗男は、本人に何も言わず仁菜のアパートの鍵を勝手に変えて熊本に戻ったのである。
尚、現実ではこんな風に保護者が未成年の子供の鍵を変えて衣食住を奪うと子供の身に危険が及ぶ可能性がとてつもなく高いため、本来は立派な虐待行為であり、万が一のことがあったら意図的に子供を危険に晒したと見做されることになり得ます。
国によっては警察を呼ばれたり児童福祉から罪に問われるような案件でもあります。
そのためよい親は絶対に真似してはいけません。
仲間の激励を受けて熊本に戻った仁菜はまたすぐ宗男と今までと同じような喧嘩を繰り返すことになるが、そのあと宗男が仁菜を学校に連れ、仁菜の不在の間学校からの謝罪文を見せようとする。そこで学校の謝罪文で学校自体がまだ責任を認めようとしていないことを知って学校の者に憤慨を露わにする。
ただ仁菜が父親に求めているのは自分を見て認めることであり、学校にケジメをさせることではなかったのだ。今更すぎると呆れた仁菜は宗男を見限りそうになる。
その夜仁菜は涼音と二人きりで会話をし、自分が川崎へ引っ越してからの宗男の様子を聞かされることになる。本当は仁菜のためだと思って行動して本人のニーズをほったらかしにしたことを宗男が気付き反省しており、今まで他人に相談をすることがほとんどなかったプライドの高い宗男が教師仲間からアドバイスを乞い、「どうすればよかったんだろう」と悩み後悔したのだそうだ。
井芹宗男という男は仁菜によく似た頑固者で正論モンスターでプライドの塊であり、仁菜以上に不器用で、分厚いポーカーフェイスのせいで誤解を生むが、根本は仁菜のことを深く愛している父親であった。ただコミュニケーションがものすごく不得手なだけで。
涼音からそう聞いた仁菜は初めて父親の意図を理解して感動する。
仁菜が川崎に帰る朝、涼音から事情を言われたであろう宗男さんが仁菜の大好きな「空の箱」を聴いていることに仁菜が気付き、曲について少し語り合ってから宗男が仁菜がずっと必要としていたサポートの言葉をかけることに成功。
めんどくせぇ父とめんどくせぇ娘がやっと互いの心を理解し、仲直りをしたのだった。
(そしてもちろん反省した宗男は仁菜にアパート鍵を返したのである。)
備考
ツイッター(X)でキャラデザ担当した手島nari氏は宗男を好きなキャラクターに挙げており、そのためにED映像に登場させたと語っている。