海幸彦(Fate)
うみさちひこ
概要
『Fate/Grand Order』に登場するライダークラスのサーヴァント。
期間限定イベント『踊るドラゴン・キャッスル!』に登場する神霊であり、敵の主力。
初登場時は南洋風の仮面を被った乙姫清姫の執事「セバスチャン」に扮して登場した。
真名
山幸彦の兄であり、記紀においては『ホデリノミコト』の名で記され、漢字では古事記は『火照命』、日本書記は『火闌降命』の字で書かれている。
下記に記す神話は浦島太郎の元ネタの一つになったとも。
海幸彦と山幸彦の物語では、海で漁をしていたある日、山で狩をしていた山幸彦から「互いの道具を交換しよう」と持ちかけられ、海幸彦は渋々了承。しかし両者とも道具が合わず、海幸彦は弟に道具を返してもらうように言うが、山幸彦が兄の大切にしていた釣針を落としてしまい、これにより海幸彦は激怒。山幸彦は代わりの針を1000用意したが、決して弟を許すことはなかった。
困り果てた山幸彦は塩土老翁と出会い、海神の宮にて豊玉姫と出会い、そこで海幸彦の釣針を見つける。そして、豊玉姫の父である海神に引き留められて3年後、海神は山幸彦に釣針を渡して「この針は、おぼ針、すす針、貧針、うる針(憂鬱になる針、心が落ち着かなくなる針、貧しくなる針、愚かになる針)」と言う呪文と「潮満珠」と「潮干珠」2つの宝玉を授け山幸彦を陸へと帰す。
帰ってきた山幸彦から釣針を返してもらい、今度は「高い土地と低い土地、それぞれに田を作ろう」と提案される。そして海幸彦は低い土地に、山幸彦は高い土地に田を作った。ところが、釣針には返された時に呪文が施されており、海神の力で海幸彦の田には水が来ず貧しくなっていき、さらには荒々しい心を引き起こされ、山幸彦を襲撃する。
しかし、攻め込まれた山幸彦は「潮満珠」を使い、海幸彦は溺れさせられてしまう。たまらず海幸彦は許しを乞い「潮干珠」を使った山幸彦に助けられる。これを繰り返され、海幸彦は山幸彦に忠誠を誓うことになるのだった。
人物
一人称は「儂」。
好戦的な性格をしており、戦いとなると共闘関係にあるシーボルトの事情もお構いなしに呪いを振りまく等、神の中でも一際苛烈な性格をしている。
戦神でもあった本人として、呪いで常時弱体化した今の自分は色々な意味で不本意らしく、聖杯にかける願いも「自らの呪いを解き、本来の力を取り戻す」というもの。
一方で「余興」と称して人質に取った日比乃ひびきにある程度の自由を許したり、彼女の話に理解を示したりと、戦いが絡まないところでは冷静さと良識を伺わせた、凪のような穏やかさと嵐のような激しさを併せ持つ男でもある。
シーボルトが妻子に拘る理由が理解できないのも、「決まった誰かに拘ったところで先の時代に大きな違いは無い」という神ゆえの視点と尺度の違いからであり、「人間には『崇めるなら加護を与え、逆らうなら罰を与える』程度の関心で好きも嫌いもない」「人間嫌いの神がいるとすれば、自分よりも人間を理解しているのだろう」とも語っている。
能力
武器として携えた釣針を振るい、それに込められた海神の呪いを振りまく歩く厄災。
モーション中では、巨大な釣り針による接近戦を行い、水を纏わせて上空から刺突したり、フリスビーのように投擲した後に正拳突きで追撃するなどの攻撃を見せる。
サーヴァントになった現在でもその身は呪いに苛まれており、海神でありながら水中で泳げず溺れ死ぬ身体にされている上、神霊でありながら"手練れの英霊"相応のパワーに弱体化している。だがそれ故、擬似サーヴァントといった依代無しでも現界可能。
また、呪いを周囲に放出・伝播させる事で、サーヴァント含むあらゆる存在に有効なデバフとしても作用し、対象は指定できない無差別だが、オンオフの切り替えは本人の自由。呪いをわざと強め、より強力な弱体を与える事も出来るが、当然自らの霊基を更に蝕む諸刃の剣でもある。
関連人物
山幸彦
弟。神話では色々とあったが特に恨みを持っていない模様。
自身と同じく人で無いモノ。何故そこまで人らしい性格をしているかは疑問に思う。
相性はそこまで悪くなくそこそこ親しい関係になった。