概要
強かったものが以前よりも弱くなる状態を指す単語。強化の反対。
スペックが単純に低下することもあるが、能力自体は低下していない(あるいは、むしろ向上している)にもかかわらず、敵味方のパワーアップの応酬に取り残された結果、以前より相対的に弱く見えるようになってしまった状況について言われることもある。
また、そのままのスペックではあらゆる問題を全て解決出来てしまい、話が短時間で終わってしまう為、物語の都合上、やむを得ず該当キャラクターを弱体化させて簡単には問題を解決出来ないようにしてしまうことで、その後の展開を盛り上げるという措置が取られることもある。
ただ「劣化」という手段を使っている以上、活かすにはシステムや魅せ方もしっかり選別しなくてはいけない難しい手法でもある。
個々の話が独立している作品ならまだ良いが、明確な続き物の場合「話が進む程逆にしょぼくなる」「ここまで続いているのに一切進歩していない」といった批判にも晒されやすく、方向性を間違えた上で長年続くほど深刻化しやすい。
対戦環境崩壊レベルの大暴れした特定キャラクターを後続作で弱体化させる際に、肩書きでは同格扱いの理由でそれ程暴れていなかったキャラクターも巻き添えで弱体化された実例も多い。
余談だが、「弱化」ではなくわざわざ「弱体化」が定着した理由として、遊戯王OCGの「弱体化の仮面」の知名度が挙げられる。
代表例
ロールプレイングゲーム
同じキャラで続編を作る際はパワーインフレが基本だが、稀に弱体化でバランスをとる場合もある。不思議のダンジョンのように、特に説明もなくレベル1に落とされている作品も少なくない。
- アドル(Ysシリーズ):「乗っている船が遭難して伝説の武具を失った」等の理由で毎回弱体化する。
- ランス(ランスシリーズ):「怠けていて腕が鈍った」「伝説の武具は借金の形として売ってしまった」等で弱体化している。そもそもアドルを揶揄したキャラである。
- リディア(FF4):FF4TAでは謎の少女の手によって召喚魔法を全て奪われるという弱体化がされており、ストーリー中にそれを取り戻す流れになっている。過去編ではかつての力を振るうことが可能。
- キングダムハーツ:主人公の一人であるソラは各作品で活躍する度にレベルが1になっているが、物語上の設定としてしっかりと弱体化の理由が存在する。
- ポケットモンスター:次作での仕様変更による一部ポケモンの極端な弱体化が、初期の段階から後を絶たない。シリーズが進むにつれその他要素の切り捨ても増えており、今では手放しで過去作の発展とは言えなくなっている。
TCGやブラウザゲーム
バランスブレイカーとなるような要素が出ると(売り上げ減少を防ぐ狙いで)弱体化を施すようなケースがあるのだが、これには特定の攻略パターンだけでクリアされるのを防ぐ狙いもあるようだ。他にも理由は様々だが、ジャンルによって大きく異なるので詳細は割愛する。
対戦ゲーム
こちらも前作で強かったキャラクターがバランスの都合という名目で次作で弱体化を喰らうケースが多い。数えだしたらキリがないので有名或いは極端な例に絞って紹介する。
- カービィ(スマブラ):初代では扱いやすい強キャラだったが、2作目『DX』以降は最弱にされ、それ以降の作品でも延々と最弱を引きずっている。
- スペースアングラー(F-ZERO):マシンだがここで紹介。初登場作『X』は上位陣クラスの性能だったが、『GX』でほぼ全ての性能を大幅に下げられ、最弱マシンにされた。更なる追い討ちとして、違う世界観の作品でも最弱性能にされてしまった。何の恨みがあるのかと疑うレベルである。
アクションゲーム
シリーズ作品において仕様変更で主人公や敵キャラの弱体化が多い。ラスボスについては次作で前座へ降格される措置もセットで施される。
特撮
初登場補正は除外。
- 不遇フォーム:一見パワーアップしたように見えるものの、実際は入手時点でインフレに取り残されていたり、スペック以外の問題が足を引っ張る等で、作中ロクに活躍できなかったパターン。中には公式にさえ失敗扱いされるケースも。
- パワーレンジャー:海外リメイクした際に、現地事情に合わせた設定変更で弱体化するケースが多い。
関連項目
主人公(笑):主人公が該当する場合はこう言われる事もある。
かませ犬:以前の強敵キャラが後にこの境遇に追いやられることは少なくない。
追加戦士:初登場時、あるいはチーム加入以前は圧倒的な強さを見せながら、シリーズ展開にしたがってその強さが鳴りを潜めていくパターンも多い。
次世代:弱体化に繋がり易い続編ジャンル。