概要
強かったものが以前よりも弱くなる状態を指す単語。強化の反対。
スペックが単純に低下することもあるが、能力自体は低下していない(あるいは、むしろ向上している)にもかかわらず、敵味方のパワーアップの応酬に取り残された結果、以前より相対的に弱く見えるようになってしまった状況について言われることもある。
また、そのままのスペックではあらゆる問題を全て解決出来てしまい、話が短時間で終わってしまう為、物語の都合上、やむを得ず該当キャラクターを弱体化させて簡単には問題を解決出来ないようにしてしまうことで、その後の展開を盛り上げるという措置が取られることもある。
代表例
ロールプレイングゲーム
同じキャラで続編を作る際はパワーインフレが基本だが、稀に弱体化でバランスをとる場合もある。
- アドル(Ysシリーズ):「乗っている船が遭難して伝説の武具を失った」等の理由で毎回弱体化する。
- ランス(ランスシリーズ):「怠けていて腕が鈍った」「伝説の武具は借金の形として売ってしまった」等で弱体化している。そもそもアドルを揶揄したキャラである。
- リディア(FF4):FF4TAでは謎の少女の手によって召喚魔法を全て奪われるという弱体化がされており、ストーリー中にそれを取り戻す流れになっている。一部シナリオでは召喚魔法を奪われる前の時系列であるため、かつての力をそのまま振るうことも可能。
- キングダムハーツ:主人公の一人であるソラは各作品で活躍する度にレベルが1になっているが、物語上の設定としてしっかりと弱体化の理由が存在する。
- ポケットモンスター:初期の段階で極端な弱体化が発生しており、この仕様は現行の第8世代(剣盾)まで延々と続いている。
- 金・銀・クリスタル(第2世代 旧金銀/旧GSC):「とくしゅ」が「とくこう」「とくぼう」分離で片方の能力が下方修正されたポケモンが多いが、同数値のまま据え置きや、逆に上方修正で強化されたポケモンも存在する。新登場したあくタイプ及びはがねタイプは、初代で猛威を振るっていたエスパータイプに対し耐性もしくは無効化のタイプ相性を持っている為、エスパータイプの相対的な弱体化となった。これら2種類の弱体化は当時のバランス調整としては概ね適正だったが・・・。
- ルビー・サファイア・エメラルド(第3世代 旧RSE):主に努力値(基礎ポイント)関連。初代と旧金銀は全ての能力を全振り可能だったが、6種類のうち2つまでしか全振り出来なくなった。可能を不可能にした改悪として、当時の初代及び旧金銀プレイヤーのポケモン離れが起こった。
- なお、後年3DSでダウンロード販売された初代と旧金銀のバーチャルコンソール復刻は当時の仕様を忠実に再現(各種バグも)しており、復刻に至るまで十数年のブランクこそあれど、現行に於いても当時のプレイ環境を楽しめるフォローが為されている。
作品によっては特に説明もなく1レベルに落とされている事も…不思議のダンジョンかよ!
また作中のシステムとして弱体化する場合もある。代表例はエナジードレイン(一部作品では回復可能)
TCGやブラウザゲーム
バランスブレイカーとなるような要素が出ると(売り上げ減少を防ぐ狙いで)弱体化を施すようなケースがあるのだが、これには特定の攻略パターンだけでクリアされるのを防ぐ狙いもあるようだ。他にも理由は様々だが、ジャンルによって大きく異なるので詳細は割愛する。
対戦ゲーム(コンピューターゲーム)
こちらも前作で強かったキャラクターがバランスの都合という名目で次作で弱体化を喰らうケースが多い。数えだしたらキリがないので有名或いは極端な例に絞って紹介する。
- カービィ(スマブラ):初代では扱いやすい強キャラだったが、2作目『DX』以降は最弱にされ、それ以降の作品でも延々と最弱を引きずっている。
- スペースアングラー(F-ZERO):マシンだがここで紹介。初登場作『X』は上位陣クラスの性能だったが、『GX』でほぼ全ての性能を大幅に下げられ、最弱マシンにされた。更なる追い討ちとして、違う世界観の作品でも最弱性能にされてしまった。何の恨みがあるのかと疑うレベルである。
- ブシニャン(妖怪ウォッチ):弱体化を2段階で喰らった例。初代は文句なしの最強キャラだったが、『2』でサボり多発、更に『3』でステータス大幅低下された。『4』では『2』相当の性能に落ち着いている。同様の事例はふぶき姫、オロチ(妖怪ウォッチ)等複数見られる。
アクションゲーム
シリーズ作品において仕様変更で主人公や敵キャラの弱体化が多い。ラスボスについては次作で前座へ降格される措置もセットで施される。
改造で弱体化した例
- メタナイトボーグ:『ロボボプラネット』で登場するボス。メタナイトを生体改造したが、元々の彼が機敏でトリッキーな剣捌きで翻弄する戦闘スタイルに対し、重武装・重装甲でコンセプトが真逆だった為、元の長所を殺した鈍重なサンドバッグと化した。
- コンセ:『64』出身で元はスパーク能力の敵キャラ。『スターアライズ』で18年ぶりの再登場時にプラズマ能力へ改造されたが、プラズマ能力が仕様改悪で使いにくくなった為、前述のメタナイトボーグ同様、改造で弱体化してしまった。
特撮
初登場補正は除外。
スーパー戦隊シリーズでは海外版(パワーレンジャー)としてリメイクした際に現地事情に合わせた設定変更で弱体化するケースが多い。
- ほぼ全ての巨大ロボ:原作では非機械(巨大生物)だったのが純然たるマシーンとして扱われる為、バラミクロンの暗黒素粒子が効く巨大ロボが大幅に増えた。但し星獣とパワーアニマルは設定変更の対象から除外され、非機械のまま。
- タウ・ザント究極態:アメリカでの表現規制「顔面攻撃禁止」を理由に弱点の顔面串刺し描写をカットした結果、直前の牽制攻撃1発で爆散する紙装甲と化した。もはやラスボス(笑)の領域に達している。
- ガジャドム:原作にあったギミックが省かれた為、戦隊側の武器使用に制約が無くなった。こっちはラスボスとしての強さは十分保っている。
関連項目
かませ犬:以前の強敵キャラが後にこの境遇に追いやられることは少なくない。
追加戦士:初登場時、あるいはチーム加入以前は圧倒的な強さを見せながら、シリーズ展開にしたがってその強さが鳴りを潜めていくパターンも多い。
ジェイド・カーティス:とあるゲームに登場するキャラクター。初登場時はレベル45とかなり強く、多くの攻撃魔法と技が使用できるのだが、その後のストーリーでは敵が使ったアイテムの効果により主人公達と同じレベル一桁にまで弱体化してしまう。(更に言うと殆どの攻撃魔法と技が使えなくなってしまう)
仮面ライダーギャレン:仮面ライダー剣に登場する仮面ライダーの一人で、作中で強化形態が登場するのだが、その状態で敵に勝ったことは一度しかない上に通常形態の方が勝率も高く、強敵も倒していることから強化形態は「弱(じゃく)フォーム」等と呼ばれており、演じた俳優からも「あんまり強くならなかった」と言われてしまっている。
デバフ:色々なゲーム作品に登場する『対象(主に敵や戦う相手)を弱体化させる効果』の通称。