東ゆう
あずまゆう
東の星 輝きたい女
人物
城州東高校1年生の少女。絶対にアイドルになりたいという夢を持ち、東西南北の美少女を集めてアイドルグループを結成するために行動を起こす。
物語開始前に1人でアイドルのオーディションを受けたが、全部落選している。
小4から中2までカナダに住んでいたため、英語が得意。原作では当時恥をかいた経験から、ジャングリッシュに苦言を呈する場面がある。
基本的には人当たりよく振る舞うが、内心では毒を吐くことも多く、物事が思い通りにいかないとそれが表に出て、迂闊な言動をすることがある。
アイドルになることが幸せだと本気で信じており、アイドルになれたとしてもそう思うことができない人がいるとはまるで思っていなかったのか、そうした意識の違いにより次第に計画は破綻していくことになった。
アニメ版では左利き(大食いでは右手で箸を持っている)。アイドルになるための計画をノートに書き記している。自分を落ち着かせる際は頸動脈に手を当てる癖がある。
新千歳空港国際アニメーション映画祭で行われたスタッフのトークショーにおける発言で、裏設定として姉がいることが判明した。
主な台詞
- 「チッ……なにが『やさしさ』だよ!」(アニメ映画)
- 「ちっ、なにがテネリタスだよ……」(原作小説)
「南の星」を見つけるべく聖南テネリタス女学院(テネリタスはラテン語で「やさしさ」という意味)を訪れるが、すれ違いざまに女生徒たちから自身が着ていた制服を馬鹿にされ、舌打ちをして校門の銘板を蹴りながらの台詞。通称「テネリタスキック」。
角川つばさ文庫のノベライズでは、流石にキックはしていない。
原作では荘厳な校門に見下されたと勝手に感じて銘板に蹴りを入れ、それを見咎め嫌味を言ってきた女生徒の背中に舌打ちをして中指を立てながらの台詞。
- 「アイドルになりたくない女の子なんているんですか?」
- 「みんな言わないだけで、心のどこかでは夢見ているんじゃないかってわたしは思います」
原作小説のみ。
遠藤との面接で東西南北のメンバーのプロフィールを紹介した際、他の3人もアイドルになりたがっているのかという問いに返した台詞。
他の3人に断りもなく一連の計画を進めていたのは、この思想がゆうの根底にあったことが大きい。遠藤からは「アイドルの世界はそんなに美しいものじゃない」「世の中には嫌悪感を示す人もいる」と教えられるが、ゆうはとても信じられなかった。
- 「歌を届ける、ダンスで魅せる、それがアイドルじゃないんですか?」
- 「南さんさ、苦手って思うんだったら、練習すればいいじゃん」
あるライブの前、他の3人がダミーのマイクを使った口パクで、ゆうだけ歌うように指示(原作では「周波数の問題」と説明されている)された際に、前者はスタッフに向けた台詞、後者は歌が苦手だから助かったという華鳥蘭子(あくまでゆうの発言で悪くなった場の空気をフォローするためのもの)に向けた台詞。
結果的にゆうのパートのみ音程のズレがひどくなり、ゆうが一番音痴であるかのように聞こえるものになってしまった。
アイドルとしては真っ当な発言に聞こえるが、他の3人には本気でアイドルをやっていくつもりはなく、作中明言されていないがおそらくスタッフ達もそのことを察しており、気づいていない(あるいは気づいた上で認めたくない)ゆうだけが空回りすることになった。
- 「そんなのおかしいよ!綺麗な服を着て!可愛い髪型をして!スタジオでいっぱい光を浴びて!それがどれだけ幸せなことか分かってる!?」
- 「そんなことない!慣れていけばきっと楽しくなってく!だってアイドルって大勢の人たちを笑顔にできるんだよ?こんな素敵な職業ないよ!」
アイドル活動の中で精神的に限界を迎えて泣き叫ぶ大河くるみを説得しようとしたところ、蘭子にとめられて「アイドルって楽しくないわ」「それを楽しいって思えるのは、東さんがアイドルを好きだからよ」と告げられてからの台詞。
この後、亀井美嘉から「近くの人を……笑顔にできない人が?」「今の東ちゃんは……変だよ……怖いよ……」と嗚咽混じりの言葉を聞き、ゆうはたまらず事務所を飛び出した。