ポルカ・カカム
ぽるかかかむ
「その時が来るまで、私はあなたを殺せない。でも、その『時』さえ訪れれば、あなたは死ななければならないーーそれが其の計算における『時』だから」
ー「血色の弔い」
概要
天才クラブのメンバーで、会員番号4番。「静寂の主」（ロードオブサイレンス）と呼ばれる謎に満ちた女性。彼女の顔は見えないため、「蝶」「キャンディーカラー」と比喩されている。
ポルカはヌースの知識と内側を守る「全知域」を実践している。これは天才クラブの理念である「知識の拡張」とは反するものであり「知識の拡張」は宇宙に混沌を招き、予定より早く「終焉」へ導くという。それを防ぐため彼女は知識の拡張を行うクラブのメンバーを含め、それに関わる多くの人間を抹殺している。
ヘルタがルアン・メェイを宇宙ステーションに呼んだ際、「クラブのメンバーはポルカ・カカムによってほどんど始末されたと思ってたから、（ルアン・メェイが来られることに）あんまり期待してなかった」という台詞を口にしており、ポルカ・カカムの被害者人数が如何に多大であるかを反映している。
長いこと音沙汰がないが、ヘルタはIX機関との関与も疑っており、彼女が生きていると信じている。その上で、ヘルタはポルカに会いたいと思っており、自分とは共通の話題がたくさんあるはずだと思っている。その願いは、模擬宇宙:不可知域にて思いがけない形で邂逅する(天才達の決闘を参照)。
能力
確率操作
確率が0%でない限り100%に変えることができる能力。
0%の場合、この能力は発動しない。
全知域
ポルカが実践している実験場のことで「既知」を掌握する能力。「確率操作」の力と相まって、彼女は「全知全能」に近い力を発揮できる。
因果の鎖
自由に姿を現す能力。自身に関すること・知識の拡張という条件で発動する。
宇宙で彼女の存在を口にする者、ただ単に気にする者がいただけで、例え星神の意識の中でも彼女は時空のルールを無視してその相手のいる場所に顕現できる。ポルカは全宇宙にある自身の肖像画と彫刻の破壊をしているが、この能力が関係していると思われる。
天才達の決闘
この3つの能力によりポルカはほぼ「無敵」に近い状態で、模擬宇宙:不可知域ではヘルタとスクリューガムが、模擬宇宙プロジェクトに参加する「５人目の天才」として、かつての「ルパート2世」のデータ体を復活させようとして、それを阻止するためにポルカ・カカムが模擬宇宙の中に現れた。
ヘルタが模擬宇宙で召喚した全宇宙の各派閥の戦力が尽く一掃され、主人公やヘルタが境地に追い詰められていくが、スクリューガムの計らいで、星神「アッハ」が乱入。
どうやら星神の力の前では、流石のポルカ・カカムも勝率は完全なる0%だったようで、アッハに「全知域」を「不可知域」に改められてしまう。
仕方なく身を引くことにしたが、それでも最後のヘルタとの対峙で、模擬宇宙の「セプター」を一瞬で全滅させるという神業を見せ、データの世界から去った。
「ポルカは去った。命拾いしたのだ。あなたは安堵のため息を吐く」という一文からも、当時の状況が如何に絶望的だったのかがうかがえる。
これによりヘルタが当初提案した「５人目のメンバーにポルカカカム案」が破談してしまうが、ポルカは完全には拒否しておらず「もし仲間に引き入れたかったら、とある天才にメスをいれること」という条件を壁に残した。
被害者
判明している被害者
現状明確にポルカ・カカムに殺されたと確定できるクラブメンバーは三名。
会員番号７ 柏環
- ニューウェル・イマンの説を覆し、１級合成素材である「燃素」の存在を再び証明した数日後にポルカ・カカムに殺された。
会員番号２７ ルパート
- 「皇帝」の異名を持つ機械族で、「皇帝戦争」の元凶となった存在。
会員番号？ 名前不詳
- 「終焉」のテルミヌスについて研究していた天才。心因性の吃音を治すために使った偽薬の副作用のせいで、メモの文体にまで吃音の影響が出ている。
被害者である可能性が高い人物
確定ではないが、被害者である可能性が高いメンバー
会員番号８ ラム
- クラインが発明した「灰玉合金」を研究していたが爆発事故によって死亡。訃報を受けた柏環はクラインに対し「この世界に絶対的な『偶然』なんてものはない。一連の『不可思議な偶然』ならなおさらだ」と証言を残していることから、ラムは『確率操作』によって犠牲になった可能性が高い。クラインもポルカが犯人であると睨んでいた。
会員番号９ クライン
- ラムの訃報を受け『静寂の主』を口にした後、邸宅の地下室で遺体として発見された。ポルカは「因果の鎖」により「発言者」の居場所を感知できる。
