何がクリスマスじゃあい!
これはクリスマスパーティーを企画した星飛雄馬が親友である伴宙太に言われた言葉である。
そもそも彼がそのキャラに全く合わないクリスマスパーティーの企画を始めたのは、ライバルのオズマに「野球ロボット」呼ばわりされたことが発端であった。
野球に人生の全てを注いできた飛雄馬にとってその言葉は非常に重いものであった。そして自分が普通の人間のような青春や楽しみを謳歌できなかったがゆえに人間性を欠いてしまった事へ強いコンプレックスを抱くようになってしまったのである。
それからの飛雄馬は失った青春を取り戻すかの如く遊び回ったりはっちゃけてTV出演したりと必死の日々を過ごしたが、その極めつけがこのクリスマスパーティー企画だったのである。
だが、当然野球に人生を賭けている他の仲間やライバルからは白い目で見られた。
特に親友で彼を案じる宙太からは「以前の姿に戻ってくれ」と説得するが、当然飛雄馬が聞く耳を持たなかったので宙太は「何がクリスマスじゃあい!ちくしょおおおおおおおお」と捨て台詞を浴びせ去ってしまった。
そして準備万端整えて迎えたクリスマス。ケーキもセットも用意して後は招待した仲間やライバ……を待つばかり……。
しかしいつになっても誰も来ない。ライバル達は飛雄馬となれ合う事を良しとしなかったので参加を辞退し、仲間達も家族も来なかった。
彼に追い討ちを掛けるかの如く脳裏に飛雄馬を「野球ロボット」呼ばわりしたオズマが罵倒する声が響いた。何度も何度もオズマは飛雄馬を罵倒した。
飛雄馬は泣いた。泣いて暴れ回り、また泣いた。この出来事が飛雄馬の心を深く抉る事になったのである。
ちなみにテレビ番組のアニメ特集にてよくこの話が取り上げられるため認知度は高いが、このクリスマス話はアニメオリジナルであり、原作には存在しない。