F-29艦上戦闘機とは、MWC社とBFAG社共同で製造された艦上戦闘機(架空機)である。愛称はA/B型がセイレン、C型がレヴァンティン。
概要
F-28Nの改良発展型であり、現在エルシア帝国海軍が唯一の使用者である。
エルシア海軍はシェンブルン級大型航空母艦用に先の大戦中、連合政府統合軍及びSEU海軍から中古のF-14戦闘機を購入・改修の上使用していたが、大幅な延命・改修が行われたL型を除けばあくまでも間に合わせの改造機であったことや、それでも絶対数が足りなかったこと。更には対応年数間近の機体もあったことから早急な機体の補充が急がれた。
当初、エルシア海軍は当時最高クラスの艦上戦闘機であったF-14D+を補充の方向での検討が行われていたが、これに対して外資のMWC社が自社の新型艦上戦闘機であるF-28Nを提示する。
これにエルシア海軍は一応興味を示すが、防空能力不足との航空部の判断、独自路線を突っ走る装備の互換性の悪さ、さらにテストパイロット達からの評判が悪かったことからこれを一蹴した。
だがMWCはこの案が撤回された後、エルシア国内のベルヘイム航空機会社(BFAG)との提携の上で、F-28をベースにした新型艦上戦闘機を開発した。それがF-29Aである。
機体設計はMWC社長とBFAG社第一設計部のゾフィー=バークマンによって行われた。
機体概要
F-29A/B
主に一般に出回った通常型。A型が単座でありB型が複座。各種性能は改良型のC型を下回るが比較的素直な操縦性から多くのパイロットに乗られている。エルシア海軍の次世代主力艦上戦闘機として配備が続く。
主翼
原型機は通常の後退翼機であったが、空戦性能や速度性能の向上を目的に後退可変翼を採用。65度から12度までの展開が可能。また翼そのものも翼面荷重を大きくとるために肥大化した。
エンジン
P&W社のF-101エンジンからエルシア国内のシュリーマン社で製造されたPF-211エンジン(開発コード・オルランドエンジン)へと換装されている。同エンジンはエルシア国内でも最も強力なターボファンエンジンである。
カナード増設
機首方向に大型のカナードが装備され、これにより運動性が向上している。
固定兵装
原型機のM61A1バルカンからエルシア海軍標準の30mmmリヴォルバーカノンへと変更。これに伴ない装備箇所も機首下部へ変更された。
この他にもアビオニクスや各種システム、搭載できる兵装の点で多くの違いが見られる。
F-29C
[pixivimage:id=9434008]
各種能力向上を狙ったF-29Aの改良型で、かつて極興帝国に存在した超高軌道戦闘機クラスの機体の迎撃にも用いられるようにと、特徴的な前進翼を装備している。設計者のゾフィー=バークマンの手腕によりA型を上回る過激な空戦性能を得たが、同時に艦載機としては不向きな前進翼を装備すると言うこともあって着艦事故の危険性も大きい機体となっており、エルシア海軍ではエース部隊や地上部隊などにのみ配備されている。
翼
主翼には特徴的な前進翼を装備。またMWC標準となっている上下作動フラップも装備しており、空戦性能は格段に上がっている。また、空力作用に悪影響を与えるとのことから水平尾翼が廃止された。
エンジン
A/B型と同様のPF-211エンジンを搭載しているが、それまでのMk.1から出力強化型のMk.3型エンジンに変わっており、これにより可変翼のA型と同程度の最高速度が発揮でき、また加速力も増強された。
評判
高い運動性や機動性、ひいてはレーダー・ロックオン性能からパイロットからの評判はよく、特にC型の秀でた空戦性能は名のあるパイロットたちの間でも一目置かれている。
だが一方でA型などは複雑な可変機構を有することからメンテナンス性は通常のF-28Nより落ちており、一部の整備員からは著しく不評である(とは言うものの、F-14の整備と比べれば多少は楽である。)
運用側としては単価が高いのが気になるが、それに見合うだけの試験データを叩き出した本機には十分な期待を寄せている。
機体要項(数値はすべて単座のA型)
乗員:1名(複座型のB型は2名)
全長:18.8m
全高:4.9m
全幅
主翼後退角75度:11.8m
主翼後退角50度:13.6m
主翼後退角20度:20.2m
空虚重量:17,995kg
最大離陸重量:
搭載エンジン:シュリーマン・PF211ターボファンエンジン×2(90.02kN×2)
兵装
固定武装:マウザー社製30mmリヴォルバーカノン1基
関連イラスト