この項はアーケードシューティングゲームのブレイジングスターについての解説です。
1998年に稼働したアーケードシューティングゲーム
制作は夢工房、発売はSNK、プラットホームはNEOGEO
夢工房の前身であるAICOMが1995年に発表したパルスターの続編として制作が開始されており、
初期のタイトルはパルスター・ブラストであった。
最終的にはパルスターの外伝というかたちになった。
また、前作とは違い今作の舞台は地球ではなくレムリアという星が舞台になっている。
ゲームシステムや隠しキャラなど一部パルスターとの繋がりが存在するが、
基本的には別のゲームとなっている。
横スクロールに地形の存在と当時としても少数になっていたシステムであり、
また98年はレイディアントシルバーガンやエスプレイドなど多くの名作が発表されており
ゲームセンターから早々と消えてしまうこともあったが、STGとしての完成度はもとより、
プリレンダリング(注1)を駆使した美麗なゲーム画面と、音楽の評価が高く
また、ストーリーや特徴の強い自機とパイロット等の設定もあり
稼働後10年以上経った現在でも根強いファンを持つゲームである。
また、NEOGEOというシューティングにあまり適していないプラットフォームでありながら
多重スクロールや、大量の弾幕の表現などプログラムの側からも評価する意見がある。
しかし、後半ではスプライトオーバーにより消える弾が最大の敵と言われる難所も存在する。
アーケード版ではエンディングなど一部要素が収録されていなかったため、
後日NEOGEOCD版で完全版が発売の予定であったが事情により未発売。
ドリームキャストへの移植も検討されたがこちらも残念ながら実現していない。
また、次世代機にて過去のゲームの移植シリーズや配信にてNEOGEOのゲームがラインナップされると
とうとう移植されるのではないか、とファンの間では話題になるが、
2010年4月現在一度も移植されていないという移植においても不遇なゲームでもある。
注1:プリレンダリング
3Dデータで造っておいたパーツをあらかじめ2Dデータレンダリングしておいて
ゲーム中ではその2Dデータを使用してあたかも3Dで表示しているかのように見せる技法
リアルタイムに3D表示できない性能のゲーム機で使用されることの多かった技法
ストーリー
惑星レムリアと惑星ムトラスは、何時、終わるとも知れぬ長い刻を戦い続けていた。
元はレムリアの衛星であったムトラス(注2)が、母星レムリアに対して反旗を翻したのだ。
エスカレートする兵器開発の波は、2つの惑星に刻を同じくして、
知能を持つ、それ自体が兵器の『有機型自動兵器生産工場』を開発させた。
これにより両惑星は、また1つ大きな戦乱の渦に飲み込まれて行く事となった。
人を始め全ての動物達は、その『邪悪なる兵器』によって捕らえられ、
次々に『悪魔』へと姿を変えられて行った。
地上から『人』という存在が消えるのに、7日と掛からなかった。
──誰の為に戦うのか?
──何の為に戦うのか?
『悪魔』に変貌した者達は、そんな疑問すら感じる事無く、
互いの存在を掛けて、ただひたすら戦いの歴史を紡ぎ続けた。
しかし、それは数年後、『4人』の自我の目覚めにより、綻びる事になった。
『悪魔』達は歓喜した。 自分とは異なる者の復活に……。 自分達の未来に……。
しかし、『悪魔』に姿を変えた者達は、心の奥底に沸いたその喜びとは裏腹に、
与えられた使命を遂行するべく、活動を、──『人』と云う存在の排除を開始した。
今ここに、最後の戦いが始まる。
注2:ムトラスは、衛星を『テラフォーミング』化されて出来た惑星。
(ブレイジングスター説明書より引用)
ゲームシステム
地形の存在する横スクロール、分岐の無い全7面構成、1週でゲームオーバー
一部斜めにスクロールする部分や、演出として画面奥へスクロールする場面も存在する。
八方向レバーで自機の移動、攻撃はショットボタンとブレイクボタンの2ボタンでショットを打ち分ける。
攻撃方法
ノーマル・ラピッドショット
ショットボタンを押すと通常ショットが発射され、
連射速度がある一定の速度を超えた場合にラピッドショットと呼ばれる特殊ショットに移行する。
ラピッドショットは基本的に範囲や攻撃力が高くなるが、
例外的に攻撃力の下がる機体も存在し、稼ぐ場合に範囲が広すぎる事などがあるため
撃ち分けを必要とする場面が存在する。
ラピッドショットに移行する連射速度は機体ごとに異なる。
チャージショット
ショットボタンを一定時間押し続けてから離すと、強力な溜撃ち、チャージショットを発射する。
溜には段階があり、時間により増えることはもちろんのこと、
機体のパワーアップ状態により上限が変化する
また、チャージショットにより敵を連続撃破すると敵の得点に倍率がかかるため、
稼ぐためには必須の攻撃となる。
撃破数と倍率の上がり方は機体ごとに異なる。
チャージショットブレイク
チャージショット中にブレイクボタンを押すことにより、
威力や特性の違うチャージショットブレイクに移行する。
チャージショットと違い、ブレイクで撃破した敵は何体であろうと機体ごとの一定の倍率が得点にかかる。
こちらも敵機撃破で稼ぐために必須のテクニックとなる。
ブレイクから一定時間はチャージショットの溜が出来ない硬直と呼ばれる時間が存在し、
アイテムを所得することによりその時間をキャンセルすることが可能。
ステージ構成
STAGE1:THE DESERT OF GRAND SHELL
STAGE2:THE ROUTE OF NEMESIS
STAGE3:THE DEMON'S RING
STAGE4:THE HOLLOW STREET
STAGE5:THE GUADIAN'S CRIFF
STAGE6:THE WICKED MAZE
STAGE7:THE CROOKED EMBRYO
プレーヤーキャラクター:機体
一部ゲーム本編に未収録のストーリーや設定の情報を含む。
キャスター・ブラッドウッド:ヘルハウンド
地下24階層に掘り下げられたスラム街に住む青年。
本名はキャスター・マイルドだがそう呼ばれることを嫌う。
他人の記憶や能力を接触することにより取り込む異能力を持ち、
力を求め生体兵器へと進んで改造される。
だが、支配されることを嫌い反旗を翻す。
機体はある程度広角なショットとホーミング弾のノーマルショットと
高威力版のラピッドショット、
またチャージショットも癖が無く威力が高いため、敵の撃破に向いた機体と言える。
反面、ホーミング弾が撃ちたくない敵に当たってしまうこともあり、稼ぐには難しい場面のある機体である。
チャオ・リーファ:ウインディナ
生体兵器を生み出す工場を造ってしまった、
レムリアで最大の複合企業チャオコーポレーション会長の一人娘。
改造された後の姿は人魚であり、機体のコクピットも水槽になっている。
性格に関しては、好奇心旺盛、楽天家のようだが、実は現実主義者かつ完璧主義者とされている。
生体兵器として改造されるため、囚われた時に精神年齢が低いと暗に言われるが
逃げるために取引を持ちかけるなど、したたかな部分をもつ。
改造される時点での怒りの感情が強すぎたためか、
ゲーム開始時点では自我を取り戻したと言うよりも破壊衝動のままに見える敵を殲滅している。
機体性能は、初心者向きと言われる広範囲のショットと、他の機体に比べ連射速度が低めで出るラピッドショットにより
地形に遮られなければ雑魚敵は画面の左側に居ればほぼ出現と同時に撃破できるとさえ言われる。
反面、移動速度が低く、地形や破壊不可能な敵を避ける必要の高い後半のステージではパターンを覚えることが必要となる。
また、敵に当たると一定時間攻撃判定のあるチャージショットと、ホーミングするブレイクのおかげで
ショットが上手く当たらない敵への対処も可能である。
初心者向け機体とされているが、永久パターンを除けば一番得点の稼げる機体とされている。
漢字での名前表記は周・麗花
趣味にネオプリという記載がある。
J・B:アリュスティルム
フルネームはジャン・ビスマルク。
レムリア宇宙軍に所属し、階級は極東支部大尉。
詳しい経緯は不明だが軍人であったことから、生体兵器へ改造されてしまった様子。
妻と子供が居る。
機体は稼ぎ向けと言われるが、癖が強くクリアーが最も難しいと言われる。
ショットは前面へ直進するショットで攻撃範囲は狭い、
ラピッドショットとなっても攻撃範囲はあまり変わらず、敵を貫通できるようになる。
しかし、攻撃力が低下するため、他の機体以上に撃ち分けを意識する必要がある。
チャージショットは機体前方にエネルギーの塊を発生させるソード、
チャージショットでの得点倍率は厳密には1つの攻撃判定で何機敵を倒したかという事なので、
雑魚敵に倍率をかけやすいが、接近しなければならないため扱いは難しい。
ブレイクでは機体前方にあったエネルギーを機体全体に包み込むように変化させる。
通常弾のみ相殺できるようになるが、固い敵やレーザー等は貫通してしまうため無敵ではない、
またチャージショットのソードよりも射程が短くなるので、有効に扱うのは非常に難しい。
創世 御名・麻雪:ペプロス
名前の読みは「きずよ みな・あさゆき」
名字は創世、御名は尊称。
武力の一切の放棄と自然との共存を謳う天美原御所守の階位第2位の家に生まれる。
地球で言う神道のようなものであり、また発言力もあるため、
疎ましく思った軍部が発言できないよう人質とするために誘拐し、最終的に生体兵器へ改造される。
性格はおっとりとしていて、また自覚のない悲観主義という設定である。
ゲーム本編中の機械の羽を持つ姿ももとより、巫女服で描かれることも多いキャラクターである。
機体の特性は一切のパワーアップをしない、ショット、チャージショット共に攻撃力が少ない、
という非常にくせの強い機体となっている。
しかし、一切のパワーダウンも無いため、撃破されてもパワーアップ状態が変わらないので、
撃破により難易度やパターンが変わらないとも言える。
また、他の機体よりも高速な連射を必要とするがラピッドショットのみ、ボスすら簡単に撃破する
高威力を持っており、的確に連射をすることが出来るようになれば機動力と相まって扱いやすい機体となる。
余談だが、処理落ちが発生する場面ではゲーム機に備え付けられている連射機能では入力を取りこぼし
ラピッドショットに移行しないことが多々ある。
そのため一部ゲームセンターでは2種類の速度の違う連射ボタンを備え付けていることがある。
機体の移動速度が最も速いため、永久パターンが発覚している。
山崎・直美:DINO135
地球連合宇宙軍 対地球外知的生命体防衛隊 第一次攻撃隊所属 中尉
前作パルスターでは設定のみ存在していた、パルスタープレーヤーキャラクターの姉。
エクスターミネートクイーン、根絶の女王とあだ名されるパイロットである。
パルスターゲーム本編以前の宇宙怪獣との戦闘で行方不明となるが、
今作ではブレイジングスターの世界へ飛ばされていたという設定になっている。
隠しキャラであり、使用条件はタイムリリースである。
機体は前作パルスターの自機と同系列の旧世代機体という設定で、
前面を防御するボイジャーが存在しない。
しかし、パワーアップにより機体の上下に付くイオというオプションが通常弾を消せるため、
また自機の移動方向と逆側にショットを打つことが可能なため、
テクニカルだがどんな場面でも対応できる機体である。
山崎・薫:DINO246
地球連合宇宙軍 対地球外知的生命体防衛隊 第二次攻撃隊所属 少尉
パルスターでのプレイヤーキャラクター
今作では姉の直美と同じく、タイムリリースで使用可能になる。
パルスターでの戦闘後、別の作戦中にブレイジングスターの世界へ飛ばされ
今回の戦いへ巻き込まれることとなる。
姉との関係は良く、尊敬して慕っているが、優秀な姉に少なからず劣等感も抱いている様子。
前作ではアイテムにより武装やオプションの形状が変化したが、
今作はパワーアップのみで、武装の切り替えとボムは存在しない。
機体は直美と同じく上下の防御に加え、前面にも通常弾を消せるオプションが装備されるため
前面からの通常弾をほぼ無効化できる特性を持つ。
レーザー等の消せない攻撃を覚え、機体速度の遅さをパターンを覚えることで補えば
クリアーが最も簡単な機体であると思われる。
前作パルスターでは溜撃ちの威力が高く、溜撃ちをいかに連射できるかで難易度が変わるほどだったが
今作ではそこまでの威力ではなくなっている
その他キャラクター
創世・亜麻雪
名前の読みは「きずよ・あまゆき」
麻雪の妹で11才。
麻雪のエンディングに登場する予定であったが、キャラクター個別のストーリーが収録されなかったため
ゲーム本編では姿を居ることが出来ない。
公式にて性格に関する記述は無いが、エンディングで麻雪に会えて泣きじゃくる姿から、
年相応の女の子らしい性格と思われる。
二次設定でも元気な方向かおとなしい方向か等の多少の違いはあれど、概ね同じように描かれる。
ただし、ゲームに出れなかったことをネタにするときは黒い性格に描かれる場合もある。
登場しても画像1枚の予定だったが、外見や服装についての詳細な設定が存在しており、
ミニスカートにアレンジした巫女服のような服である。
また、二次設定にて腋巫女のタイプも存在する。
リリアス
J・Bの娘。
リリアスとJ・Bに呼ばれているが、フルネームは不明。
エンディング用に描かれた小さいイラストでバストアップしか確認出来ないため、
基本的に服装は描き手の想像に任せられる。
緑を基調にしたハーフパンツ姿で描かれることが比較的多い。
母親の髪は黒髪だが、父と同じく銀髪でショートカットである。
フラン
J・Bの妻。
こちらもリリアスと同じくフルネームは不明。
バストアップのため大まかな顔の雰囲気のみしか公式設定では存在しない。
ブラウシュラ
兵器工場のコアである自立思考する兵器。
ブレイジングスターの最終的に倒すべき敵である。
チャオコーポレーションが造り、軍が利用しようとしていたことは伺えるが、
人間を兵器に改造しようとしたことが、元からそのように造られていたのか、
暴走してしまったからなのかは不明。
外見は機械と胎児が融合したようなかたちで、
リーファのストーリーではグロテスクと形容されている。
普段はマザー・エラメフル・ラ・オーフニスという不気味な培養槽のような物の中に浮いている。
また、ストーリーの項でレムリアとムトラスに同時期に悪魔の兵器が誕生したと記載されているため、
ブラウシュラ以外にもムトラスに同じような兵器が存在すると読める。
非公式の発言だがブレイジングスターの続編案にムトラスを舞台にしたアクションゲームの案があったという。
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