概要
『別冊コロコロコミック』にて1995年6月号から2002年12月号まで連載された。児童・少年誌かつ、すべての漫画作品のジャンルの中でも珍しく「カンニング」を扱った希有な漫画作品。現代(90年代あたり)の小学校を舞台に、主人公・満点完人によるカンニングで満点を取っていくピカレスク・ロマン。
人気は非常に高く、作中に登場する問題は勉強になる内容も多かったので好評だった。中には「作中に出てくるカンニング技を実際にマネしようとする子供も出た」という噂もある。「月刊コロコロコミック」に1回だけ読切作品として載った事がある。アニメ化することは無かった。また、連載時の扉では毎回「よい子は絶対にマネしないでください」と写植されていた。
作者自身はカンニング経験がない、と単行本第1巻でコメントされている。
一話完結方式で物語が進む。ごく普通の現実的な世界を舞台とし、主人公を初めとする小学生の学校生活や、その放課後・休日の日常を描く一方、先述のカンニングを用いてテストに挑む緊張感のあるシリアスな展開で物語が進む。本作のテーマであるカンニングは、ペーパーテストのみならず、体力勝負など、あらゆる要素を取り入れたマルチジャンル的な作風が特徴。
単行本は全9巻。しかし、現在は絶版同然の状態にあり、古本屋でも入手できる可能性は低い。
登場人物
満天完人(まんてんかんと)
主人公。花丸小学校6年生。愛称「カンニン」。
学力テストには「カンニングッズ」と呼ばれる道具で100点満点を取る。
誤字→満点完人
満天幕金太郎(まんてん まっきんたろう)
本作の裏主人公で狂言回し。完人の祖父。愛称「マックじい」。
完人のためにあらゆるカンニング道具を開発したり、自ら学校に赴いて完人の手助けをしたりする。彼が発明したカンニング道具は身近なものに見えるが、殆どは現代の科学力を遥かに超えており、到底マネしたり再現することができないものがほとんどである。満点家の地下に勝手に作った秘密基地で製作している(その費用は取江から密かに少しずつくすねている。そのことを取江に告げ口しないことを条件に完人のカンニングの手伝いをさせられることになる)。
近所に住む「お静さん」に好意を寄せている。幼少期の頃のあだ名は「はなたれまっきん」。彼自身も、この頃からカンニングをしていた。
お静さんから貰った壺を完人に事故同然に壊された際、完人に地獄の試練を与えたこともある。
名前の由来はアップル社のマッキントッシュから来ている。そのためか最新機器には目がない。
上野の森ゆい(うえののもり ゆい)
本作のヒロイン。花丸小学校6年生。クラスのアイドルで、成績も優秀。完人が思いを寄せている女子。カンニングで完人に助けられることも多いが、逆に完人のカンニングを手伝うこともある(完人がカンニングをやっている事は知らない)。料理の腕は非常に悪い。百丸(ひゃくまる)という弟がいる。トラえもんという名の猫を飼っている。
壱弐野三郎(いちにの さぶろう)
本作の狂言回しの1人となる少年。花丸小学校3年生。自称「完人の一番弟子」。愛称「サブ」。完人をアニキと呼び慕う。成績は悪い。マックじいと共に完人のカンニングを手伝うことが多い。次の完人の敵となる相手の情報を提供することも。母親の名前は「三美(さぶみ)」。
登場当初はクールで「世の中すべてが面白くない」と何に対しても冷めていて、完人とゆいが一緒に登校しているところや完人を内心で貶したり、テストも白紙で担任(祭強)に説教されても屁理屈を言う程である。ただし、名無しの答案用紙にサブの指紋がついていると騙されたりするなど、年相応の青さがある。それに業を煮やした祭強に「漢字テストで100点取れなかったら卒業まで便所掃除をする」勝負を持ちかけられ、完人の落としたカンニングペーパーをネタに、完人にカンニングを手伝うよう脅迫する。完人は、相手が祭強であることを理由に快く引き受ける。完人のあらゆる作戦のおかげで99問まで全問正解までたどり着くが、祭強の悪知恵で100問目は理科系の問題だったときに、完人は困難でもサブに答えを教えようとしたが、そのとき絶命寸前だった完人を心配し、100問目の回答を書かず、助けに来たときには血まみれになっていたが、その血は偽物で実際にはマットで助かっていた。このとき完人に「カンニング道の厳しさ」を突きつけられ、テストは99点で祭強に負けて卒業まで便所掃除をする破目になるが、「約束だもんね。ついでに職員室の掃除もしようか?」と笑顔で言ったりするなど性格が丸くなり、それ以来完人を「アニキ」と慕うようになる。
金内金暮(かねない かねくれ)
完人の担任教師。名前の通りかなりの貧乏で、借金をするほどの貧困(その要因は不明)。普段着ているスーツもボロボロである。1万円札やその他小銭に弱い(完人のテスト対決の相手に金で買収されることも多く、それが原因で完人が不利な状況に陥ったこともある)。たまに栄養失調などで入院する。クイズ番組で小学校低学年レベルの問題が分からず、「お助けテレフォン」で完人に電話をして答えを聞いたことがあり、本当に教師なのか疑問な点も多い。
雷場龍(らいば りゅう)
完人の(自称)ライバル。登場の度に髪型が変わっている。完人とは対照的に、成績は優秀でスポーツ万能。広末リョーコ(広末涼子のパロディ・初登場時は「広末優香」だった)の大ファンであり、常にブロマイドを所持している(その趣味が仇となり完人との勝負に負けることが多い)。家族構成は母と弟の龍二(りゅうじ)の3人家族。
完人は嫌々ながらも相手をしているが、大事に思われているようであり、スパイ入団テスト編ではバーチャルとはいえ自分の未来よりも彼を助ける方を優先した。