「これ、ジャングルの掟!」
アニメ版
1973年3月2日から9月28日まで毎日放送(関東ではNET=現・テレビ朝日)で放送されていた(当時は腸捻転ネットという変則的な事がなされていた)。
放送枠は同じ原作者による『ドラえもん』で有名だった金曜19時前半枠であり、同作が2019年9月に土曜日に移動するまでの46年半もの間親しまれたアニメ枠の第1作に当たる。
制作は東京ムービー(現・トムス・エンタテインメント)
制作協力はAプロダクション(現・シンエイ動画)が担当。
DVD等のパッケージ化は封印作品疑惑などもあって絶望的と思われていたが、2014年にDVD販売、2015年9月に初回限定盤のDVD-BOXがリリースされる事になった。
(※DVD化の際、現在の技術においても修復困難な傷やノイズ等が発生する事も言及されている)
藤子自身によるコミカライズは複雑な経緯のため封印作品の一つであったものの藤子・F・不二雄大全集の一つとして、全話収録の完全版が復刊された。
登場人物及びキャスト
封印の経緯
1980年代後半に、「黒人差別をなくす会」による抗議活動が行われた、とされる事があるが、実際は別作品の1エピソードへの抗議の、あおりを受けた自主規制であり、バケルくんや他の数作は連鎖的に販売中止に追い込まれたものの、本作自体が批判や圧力の槍玉にあげられた事実は無い。実際、槍玉問題以後も中央公論社の『藤子不二雄ランド』にジャングル黒べえはラインナップとして存在し、回収もされていなかった。
アフリカ出身の黒人少年呪術師が主人公ゆえ自主規制の対象となった、とも言われるが、企画原案はコロポックルであり、赤べえやガックの容貌を「黒人の行き過ぎたデフォルメ」と捉える事にも無理がある。以下は憶測の域を出ないが、このような曖昧な設定のまま、「ピリミー族」という、「ピグミー」という実在する部族名を連想される名称を用いた事が、内部で疑問視され、抗議前の、出版社側の自主規制になったのかも知れない。
この辺りの真相について藤子.F.不二雄大全集で少し関係者が触れており、アニメ企画ありきで始まったコミカライズ作品だったため、権利は制作元のアニメ会社(東京ムービー)にあった。それで同社が前述のような厄介事を事前に回避していたというより、フィルムを修復して販売したところで採算が取れない(実際、中央公論社はドラえもん以外売れない『藤子不二雄ランド』によって大赤字を抱え倒産危機に陥った)という公算のためリリースを見送っていた可能性が高い(藤子・F・不二雄大全集の販売好評や思い出コンテンツ隆盛、リマスター技術の向上の流れを受けて、2014年1月にウメ星デンカとともにDVDコレクション販売に乗り出しており、Youtube公式チャンネルでの放送も始まった)。
また作者自身が、作品はそれなりに楽しんでいたが、アニメが独り歩きしてしまい漫画版との乖離が起きたため、黒べえのキャラクターはやっぱり自分のものではないという意識があったという(たかね、ガックなどは漫画ではほとんど出てこない上に、漫画版の黒べえはアニメほど常識外れなことをしていない(作者曰くアニメスタッフの暴走)。また、FがこだわっているSF要素も皆無であった)ことが挙げられ、封印していたのは作者本人でもあったことを仄めかしている。ただし、パオパオだけは気に入ったのかのび太の宇宙開拓史などにカメオ出演させている。
関連タグ
非関連タグ?
黒ベエ こっちは藤子不二雄Aの漫画。ただしこっちのが4年ほど古い。
左がジャングル黒べえ、右が黒ベエ。