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フェルズ(ダンまち)

ふぇるず

フェルズ(ダンまち)とは、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の登場人物。
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概要

CV:小松未可子

愚者』を意味する名を名乗る、全身を黒衣で包む死神を想起させる姿をした謎の魔導師。

ギルド』の主神であるウラノスに仕えている身だが、その存在についてギルドの職員達には知られていない。

その容姿から、ギルド内では【幽霊(ゴースト)】という名で噂されており、一種の都市伝説的な存在となっている。

初登場は外伝『ソード・オラトリア』で、アイズ・ヴァレンシュタインの前に現れて、ある依頼をする。本編での登場は第三部・異端児編であり、以降は重要人物として活躍する。


人物像

その姿故に本来の姿はおろか、性別も判別できないものとなっている。

見た目こそ不気味だが、聡明な人物であり、所々人間臭いところがある。真面目で純粋故に『偽善者』と罵られて酷く気に病んでいたベル・クラネルに対し、「偽善者こそ英雄になる資格があり、愚者であれ」と諭しており、その後の彼の行動に大きな影響を与える事になっている(勿論、フェルズの語っている『偽善者』とは、「善行を働くがその本質は自分の損得のために行う者」ではなく、ベルの様に「自分の信念に従い行動するが周囲からは理解されず自己満足だと罵られる者」の事を指す)。

暗黒期の大抗争(中でも死の七日間)の間は、勇者や正義の使徒達を差し置いて不眠不休で、冒険者も一般人も陰から治療していたとか…。


ステイタスこそLv.4であるが、「奇跡」に等しい強力な魔法の数々を使いこなしている事実からも、魔導師としての実際の力は並のLv.4、またはそれ以上のレベルの魔導師を大きく凌駕する程に高く、オラリオでも最高位の魔導師であるリヴェリア・リヨス・アールヴを相手にしても、レベルの差を覆す形で拮抗に戦っている

更には『神秘』の発展アビリティによって、【ヘルメス・ファミリア】でも【万能者(ペルセウス)】と名高いアスフィ・アル・アンドロメダ以上の強力なマジックアイテムの数々を生み出している発明家としての側面も持つ。

全身を包む黒衣は呪詛を防ぐことができ、魔力を弾にして衝撃波を放つ攻撃用の魔咆手を装備している。


その正体は、かつて800年前に彼の魔法大国《アルテナ》でとある神のファミリアに所属していた魔導師であり、『神秘』のアビリティを極めた事で、数多の魔導師達が心血を注いで生み出そうとし、叶わずに終わってしまった永遠の生命をもたらすとされるアイテム『賢者の石』の生成に成功した『賢者』であった。しかし、フェルズの主神は自分の眷族をおもちゃにして楽しむロクデナシの部類だったらしく、せっかく精製した『賢者の石』をフェルズの目の前で砕いてしまい、その事にショックを受けたフェルズを見て腹がよじれるほど笑い続けたとの事(この時の話は、どうしようもないオチが待ち受けている昔話として現代まで伝わっている)。今度は不死の秘法を編み出すが、その結果、肉と皮が腐り落ちて、スケルトンの様な骸骨姿となってしまい、現在の姿となってしまっている。しかも神々がステイタスを刻み、経験値(エクセリア)を眷族の恩恵(ファルナ)に反映させるコンソールの役割を果たしていた背中の肉まで失った結果、現在の体になってからはステイタスもレベルも据え置き状態で、これ以上強くなることも叶わない。


この事で、自らの愚かさを悟ったのか、『愚者』を意味する「フェルズ」の名を名乗るに至った模様。

その後、紆余曲折へと経た末に迷宮都市オラリオへと辿り着き、ギルドの主神であるウラノスの側近的な立場として仕える事になった。

迷宮都市オラリオの中には、フェルズの存在を知り協力している者が極僅かに存在しており、レノアがベルとリリに「あの方の力になって欲しい」と語っているその様子からも、フェルズによって救われた過去がある可能性が高い。

ゼウスやヘラ、デメテルの事はオラリオを支えてきた善神として敬意を表しており、後にデメテルにある容疑が掛かった際には、「ありえない!」「彼女がオラリオの秩序安寧に、どれほど貢献してきたと思っている!」と激しく叫びながら取り乱している程だった(後に、黒幕に脅迫されていた事が証明されている)。

だが、『メモリア・フレーゼ』の「シークレット・ギャンブリング」では、そんな彼女から「いつも都市に貢献してるでしょー」と脅された結果、泣く泣く眼晶(オクルス)を貸す事になったという可哀想な事になっている。


現在は、モンスターでありながらも知性や感情を持ち合わせた存在である『異端児(ゼノス)』達の連絡役を裏の仕事と引き受けており、「人類との共存を願う」彼等を理解し、意見の調整役や庇護を担ったりもしている。

異端児達と心を通わせた人間達であるベル・クラネルとその仲間である【ヘスティア・ファミリア】の面々に大きな希望を抱いており、その主神であるヘスティアを半ば強引に連れて行く形でウラノスと引き合わせ、異端児達の詳細について教えている。


一方で、ダイダロス通りの攻防戦の終盤では、「中立」を気取り、ベルを自分達に都合の良い『神工の英雄』に仕立て上げ利用しようとしているヘルメスと言う神の神意に踊らされてしまい、異端児達を窮地に追い込んだ失態を犯してしまっている。

人間達の中では間違いなく偉大な賢者として名を馳せハイエルフであるリヴェリアを凌ぐ程の年の功がある彼(彼女)も、神の前ではたった800年しか生きていない子供に過ぎないのである。

自分やウラノスと同様に異端児の存在を知り、協力する姿勢を見せていながら、本心では人類と異端児の共存を「絵空事」と見下し、ベルを『神工の英雄』に回帰させる名目で異端児達の良心に付け込んで『犠牲』を強要した事には本気で怒りを見せているが、ヘルメスが自らの思惑通りに進んでいると嘲笑う中、同時にベルが神の思惑通りにはならない「決断」を取ると確信しており、それはベルが最後まで異端児達を信じる為に自ら武器を収める道を選ぶ形で実現。更にはアステリオスの乱入も加わって、その確信はヘルメスの悪意に打ち勝つに至ったのだった。

当然、この一件でヘルメスに対しては激しい嫌悪感を示しており、異端児を巡る騒動の後に彼と会うとフードの上からでも分かるほど、不機嫌な雰囲気を出してしまう程。


異端児を巡る騒動の後、異端児の望んでいた「人類との共存」は遠のいてしまったかもしれないと嘆いていたが、ウラノスからは「収穫もあった」と言われ、それに同意している。そして【ヘスティア・ファミリア】がオラリオの人々を敵に回す覚悟で異端児達を守る為に戦い抜いた事で、その団長であるベルに異端児たちの未来について全てを賭けると決意している。

一方、裏切ったヘルメスに対する怒りは収まらなかったようだが、彼が自らの行いによってヘスティアの激怒を買い、ケジメを付けさせられたのに気付いた結果、一応の溜飲は下がっている。


永遠の時を生きる由縁か、神々同様迷宮(ダンジョン)についても何か知っているようで、ベルにダンジョン最下層の攻略を成し遂げなければ人類と異端児の共存はあり得ないと述べている。

その際、彼からダンジョンとは何なのか?最下層に何があるのかと聞かれた際は、「結ばれた誓約…そして、決着だ」という意味深な発言をしている。


フレイヤがオラリオ中に『魅了』を施した際、自身も『魅了』を掛けられており、無意識にウラノスの監視を行っていた。フレイヤがウラノスと直接対面した時の会話で『魅了』を掛けられたことを知り、掛けられた事に全く気付かず違和感も無い事には、フレイヤの真の恐ろしさを実感し、戦慄している。

その後は、ウラノスに薪の配布を【ガネーシャ・ファミリア】から【ヘルメス・ファミリア】に変更を指示された時は認識改定(リセット)を逆手に取られて、疑問を抱かせることなく従っており、ヘスティアによってオラリオ中の人々が『魅了』から解放されるに至っている。


本編18巻の小冊子の書き下ろし短編では、【ヘスティア・ファミリア】に秘かに訪問した際に、アスフィ・アル・アンドロメダと共にリリルカ・アーデからありったけの魔道具を提供しろと言われて、本編での異端児の騒動で迷惑をかけたことから、リリの要求にやむなく応じる。ウラノスにそのことを報告した後、【ロキ・ファミリア】が『派閥大戦』に参戦できないことを抗議したが、ウラノスがここで選択を誤ればフレイヤは女神の『軛』から解放されず、また過ちを犯すかもしれないという答えを聞いた後、【ヘスティア・ファミリア】が正攻法で【フレイヤ・ファミリア】に勝利するのが王道だと告げたことに、王道だろうが邪道だろうが持てる全てを注がなければ【フレイヤ・ファミリア】は倒せないと愚痴を言った。


ステイタス

Lv.4

発展アビリティ

  • 神秘

神の十八番、『奇跡』を発動させ魔道具の制作が可能となるレアアビリティ。フェルズはこのアビリティを歴史上最高まで極めたとされており、結果強力なマジックアイテムの数々を発明し、永遠の生命をもたらすとされる『賢者の石』の生成にまで至ったのだが、結果的に主神の怒りに触れてしまう事になり、後に人間としての姿を失い、幽霊の様な存在となってしまった事にも繋がっている。

  • 魔導

魔法の効果を向上させるアビリティ。こちらのアビリティも最高位まで極めているらしく、彼(?)の扱う魔法は「奇跡」とも言える強力な物となっている。


魔法

  • ディア・パナケイア

詠唱式:【ピオスの蛇杖(つえ)、ピオネの母光(ひかり)。治療の権能をもって交わり、全てを癒せ

全癒魔法。相手がどれだけ疲労や負傷をしていても、全快にまで回復させることができる。ディックス・ペルディクスとの死闘で負傷したベルをこの魔法で完治させ、また切り落とされたアステリオスの右腕を元通りにするなど、非常に高い性能を持つ。

  • ディア・オルフェウス

詠唱式:【未踏の領域よ、禁忌の壁よ。今日この日、我が身は天の法典に背く

ピオスの蛇杖(つえ)、サルスの杯。治癒の権能をもってしても届かざる汝の声よ、どうか待っていてほしい

王の審判、断罪の雷霆(ひかり)。神(しゅ)の摂理に逆らい焼きつくされるというのなら、自ら冥府へと赴こう

開け戒門(カロン)、冥界(とき)の河を越えて。聞き入れよ、冥王(おう)よ。狂おしきこの冀求(せんりつ)を

止まらぬ涙、散る慟哭(うたごえ)。代償は既に支払った

光の道よ。定められた過去を生贄に、愚かな願望(ねがい)を照らしてほしい

嗚呼、私は振り返らない

蘇生魔法。フェルズの全魔力をつぎ込むことで対象の存在を蘇らせる事が出来るという、数ある魔法の中でも規格外の魔法。ただし、この魔法はウィーネが初めての成功例であり、それまでは魔法が発現して800年間、何度試しても失敗続きだったとされている(ベル=『幸運』の発展アビリティ所有者が近くにいた影響だろうか?)。

魔法が発動した直後、フレイヤは「何度か見たことがあるわね、あの光」と発言していたことから、今まで使っては失敗し、その都度悲しみに打ちひしがれてきたのかは想像に難くない。もしかしたら異端児だけではなく、人もいたのかもしれない...。フェルズ本人はスロットを埋めるだけの無駄な魔法と嘆いていたが、ウィーネを蘇らせることに成功したことで、「意味はあったんだ」と言葉を漏らし、報われる事となる。


魔道具

  • 魔咆手(マジック・イーター)

フェルズが主に使用する攻撃用魔道具。

『魔力』を弾代わりにして、衝撃波を放つことが出来る。詠唱を必要としないため速攻性もあり、ベルの持つ速攻魔法『ファイヤボルト』の魔道具版とも言える代物。ただし、あちらと違い燃費は悪いらしい。

  • リバース・ヴェール

アスフィが制作した漆黒兜(ハデス・ヘッド)と同様に、透明状態(インビジビリティ)になる効果を持ったマント。

あちらとの違いは、装備すると強制的に透明になるのではなく、通常状態と透明状態を使え分けることが出来る両面仕立(リバーシブル)という点。使い勝手はいいが、こちらの魔道具もあくまで姿のみを消すだけなので、五感が超人レベルになっている上級冒険者(特に嗅覚などが鋭い獣人)などには気づかれてしまう事がある。そのため、完全に気配を消すためには複数の魔道具を使う必要がある。

  • 黒霧(ブラックミスト)

眼晶より小さめの黒玉。割ると黒煙が噴出し、目眩しになる(ガレス曰く、絡みつく効果もあるらしい)。【ロキ・ファミリア】を相手にして窮地に陥っていた異端児達を救出する際と、ダイダロス通りでの攻防戦で使用されている。第一級冒険者と言えど、簡単には対象の位置を把握出来ない程。

  • 幻想花

記憶された物体の幻影を、花粉を吸い込んだ者に幻視させることの出来る、青と赤の花弁。ただし、『耐異常』の発展アビリティ所有者には防がれてしまう。

異端児事件にて、ベル達に協力したナァーザ・エリスイスが使用し、上記の欠点から下級冒険者や『耐異常』を持たない冒険者をターゲットに幻影を見せ、撹乱作戦を行った。

  • 探索者の粉(シーカー・パウダー)

大瓶に詰まった白い粉末に血を垂らし、赤く染まった粉を地図に振りかけることで血の提供者の名前や位置が表示されるという効果を持つ。ただし、フェルズが地図作成した地図でなければ使用できない。そのため、異端児帰還作戦時はフェルズが自らの足を使って完成させた『ダイダロス通り』の地図・『名工の遺産(ダイダロス・レガシー)』と共に、ヘスティアに支給された。

  • 眼晶(オクルス)

掌に収まる程度の大きさの双子水晶で、片方の水晶が捉えた光景と音声を別の水晶に映し出すことのできる、テレビ電話のような機能を持つ通信型魔道具。

現在、作中で唯一登場している遠距離交信可能なアイテムでもあり、非常に重宝されている。オラリオ随一の魔道具製作者であるアスフィも、その存在を知って血が騒いだと言わしめるほどの作品。

ダンジョンに住む異端児達との連絡手段以外にも、使い魔である梟の義眼やダンジョンへの大穴の入り口といった場所に設置しており、違反者や要注意人物などの動向に目を光らせている。ダンジョンのような地下空間内でも通信が可能で、またその通信距離は作中では地上から深層域までも問題なく通話が出来ていたため、かなり広範囲の模様。

外伝では、共闘関係となった【ロキ・ファミリア】に信頼の証として提供され、フィン・ディムナがこの魔道具を使い、異なる戦場6面を同時に指揮するなど、クノッソス攻略の要になるアイテムとなった。

  • 人形兵(ゴーレム)

3M近い大きさの、全身が超硬金属(アダマンタイト)で構成された金属の戦士。

『魔力』を短杖で飛ばすことで遠隔操作も可能だが、基本な自動制御で簡単な指示をこなすことが出来る。第一級冒険者ですら簡単には破壊することの出来ない強度を誇り、その性能と素材から一体作るのに総額で10億ヴァリス以上という莫大な資金が必要で、賢者と名乗っていたフェルズのみしか未だ至る事の出来ない至高の魔道具の一つであり、そのフェルズをして一生取っておきたかった隠し玉とする一品でもある。『怪物祭(モンスターフィリア)』の事件を受けて地下水路に配備されていたが、【ロキ・ファミリア】相手に境地に立たされた異端児達を救うべく、緊急で使用した。

やたらテンション高くなりながら使用した事からも、フェルズにとっては相当な自信作であった事が伺われる…が、異端児との戦いにやり辛さを感じていたティオナ・ヒリュテが待ってましたと言わんばかりに、同じく超硬金属で作られた装備《大双刃(ウルガ)》を駆使し、一刀両断してしまう。その光景を目にしたフェルズは、渾身の作品を呆気なく破壊された事でしばらく硬直し、空笑いしながら【ロキ・ファミリア】幹部メンバーの怪物っぷりを再認識する羽目となった。合掌。


余談

既に肉体がないため性別不明な人物であるが、読者の間では実は女性なのではないかと憶測がなされている。

理由としては

  • 独白がどこか女性的
  • 担当声優が小松未可子氏
  • 魔道具を保管している場所の合言葉が「アルテラの猫は不老不死の夢を見るか」。※猫(黒猫)は魔女の使い魔とされている
  • メモリア・フレーゼ』のイベント「ナイトメア・スクールライフ」にて、強力な結界内に無理矢理入った影響で、何故か幼女の姿になる(※公式曰く、幼少期の本人の姿ではないらしいが…)

などが挙げられている。


関連タグ

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ギルド

異端児(ダンまち)


ブルック:肉体が無くなり、骨のみで現世に生きているキャラクター繋がり。また異形の姿をしていながら非常に人間臭く、義理堅い性格なども似ている。

決定的に違う点として、彼は実際に1度死んでいる。さらには、その際に目の前で仲間が全員死ぬ瞬間を目の当たりにし、挙げ句の果てには生き返った場所で50年もの間孤独に耐え続けるという、リューが霞むレベルの悲惨かつ壮絶な人生を歩んできた。

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