概要
地球連合軍のデュエルを、ライブラリアンの技術で改修し、C.E.73のMSの水準レベルに強化した機体。型式番号はLR-GAT-X102。
パイロットはカイト・マディガン。
これまでのデュエルの強化プランが追加装甲による火力・防御力増加であったのに対し、本機は白兵戦を主体とするデュエルに中・遠距離戦用の武器を追加し、全領域に対応できる万能型の機体へと改造を施されている。
本機の戦闘スタイルが状況に合わせた武装の取捨選択で余分なウェイトを殆ど持たない点もあり、追加装甲もコックピット前面と腰部前面のみに留め、重力下で最も負荷が掛かる足首部分には機体のバランスを自動で調整する追加パーツが施されている。
肩部にはゲイルストライクで得られたデータを基に大型のスラスターが追加されている。ただし、本機で採用された物はゲイルストライクの物より小型で、各レンジで戦う為にバランスの取れた武装を採用している本機に合わせた物となっている。
他のライブラリアンの機体の持つ特異な装備や機能が追加されていない所を見ると(上記のコンセプト故とは言え)デュエルの基本設計の高さが窺える。
ライブラリアン製の機体は共通してストライカーパックシステムを採用しており、他の機体のストライカーパックを装備可能。
基本戦術は、まず砲撃戦で敵の拠点や母艦にダメージを与え、続いて中・遠距離用装備をパージして対MSとの格闘戦へと移行する。
受領した機体に改造を施すカイトにしては、珍しくあまり手が付けられていない(頭部をゼータ系のGZ型にした程度)。
武装
75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
原型機のものと同じ。
175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル
同上。左腰に懸架する。
115mmレールライフル「ルドラ」
アサルトシュラウドに装備された115mmレールガン「シヴァ」を手持ち用の武装として改良したもの。手持ち式にしたことで命中精度は向上したが、総弾数は低下している。
右腰に懸架する。
原型機のものと同じ。装備箇所が膝に移行しており、瞬時に展開しやすいようになっている。
対ビームシールド
原型機のものと同じ。任務によっては装備しない事もある。
ストライカーパック
バズーカストライカー
標準装備する砲撃型ストライカー。
ランチャーストライカーをベースとしており、可動式のアームに350mmレールバズーカ「ゲイボルグ」が接続されている。ランチャーストライクの320mm超高インパルス砲「アグニ」やバスターの94mm高エネルギー収束火線ライフルへの換装も可能。
遠距離から近距離への戦闘移行時には切り捨てられるため、爆破による隠滅も可能。
ゲイボルグは後に再生産されたアストレイ ゴールドフレームの装備として流用された。
余談
ぶっちゃけると本機の改造は微妙。
元々デュエルはストライク程では無いが汎用性は高く、ストライカーシステムを追加しても焼け石に水と言った程度。
携行武器が増えるのは良いが、バズーカ一本をストライカーパックにする必要があるのだろうか。しかも、近距離時に爆破する為に消耗頻度が高い。
一機のモビルスーツを全領域に対応させるコンセプト自体が無謀であり、搭乗したマディガンからも「コンセプト通りの動きが出来るパイロットが居ないと使い物にならない(意訳)」と評されている。
マディガン専用機ではあるが、専用銃やパーソナルマークが追加されていない珍しい機体。
ただしこれは「ライブラリアンから貸与された機体」という事情の為らしく、ライブラリアン崩壊後は自身のものとなったことを示す為に白十字がマーキングされている。
立体
ガンプラにて、1/100デュエルの成型色変え+パーツ追加キットが販売されている。実質的な新規ランナーは1枚だけで、後はランチャーストライクのバックパックとゴールドフレームに付属したバズーカとあちこちの金型流用で構成されたキットでもある。他のVSアストレイシリーズキットもMG版をのぞき1商品につき新規ランナーが1枚という仕様は同様だが、これとネブラブリッツを除いて基本的にベースキットの部品を組み替えしている。