この会社は1847年にドイツの発明家、Werner von Siemens(1816-1892、陸軍にて工学を学び技術将校として活躍、除隊後、共同出資者とともにこの会社を興す。自励式自動発電機にダイナモと名づけたり、スピーカーの基本原理であるコイルの発明を行ったりしている)によりTelegraphen-Bauanstalt von Siemens & Halskeとしてベルリンに設立され、当初は電信機器の製造を行っていた。
現在ではこの会社の株式はドイツ株価指数の指定銘柄として採用されており、特に電車などの鉄道車両関連事業においてはビッグ3(ほかはドイツのボンバルディア、フランスのアルストム)と呼ばれる。
歴史
この会社は1847年にヴェルナー・フォン・ジーメンスおよびJ・G・ハルスケにより起こされたジーメンス・ウント・ハルスケという会社を基にしている。
1866年に自励式自動発電機(ダイナモ)を発明したり、1871年には補聴器の原型を開発したり、世界初の電車を製造し1879年のベルリン博覧会においてデモンストレーションが可能な状態であった(それ以前にモーターや発電機等の技術があったのかもしれない)。
また、関連する異業種への参入も熱心であったと思われ、発明した機器を使った事業、例えば発電機を用いて電気炉による金属の精錬を行ったり、エンジンなどの技術も所有していたらしく、航空機のエンジンなども製造していたらしい。
1932年には医療工学分野にも進出する。
第二次世界大戦の終結により会社は存続の危機を迎える、これは強制労働を用いたことも関係するかもしれない。すべての工場設備は爆撃等により廃墟となり、海外の資本のほとんどは凍結、後に没収された。これにより会社の資産の8割を失うことになった。そして会社の本社機能はミュンヘンに移された。その後1966年には現社名に変更している。
海外進出
この会社はまた早くよりアジア各国に進出している。例えば中国において初の路面電車を敷設したのはこの会社である。この中国法人は1945年まで活動したと思われる(現在の中国法人は1991年に設立)。第二次世界大戦の賠償によりおそらくすべての海外拠点が凍結され、帰ってこなかったと思われるが、1950年代には海外事業はインドやアルゼンチンなどで復活し、各国で復活し、現在に至る。
日本(戦前)
また、日本においては明治20年に事務所を設置、発電機、送電装置、電車などを販売した。明治34年にはシーメンス・ウント・ハルスケ株式会社を設立し、発電・通信設備を中心に販売を行う。
また、日本軍においては無線装置やサーチライトなどを納品している。
ところが大正3年、シーメンス事件(当時の慣例で大日本帝国海軍の高官に対しシーメンスが賄賂を贈っていたがそれが社員により漏洩されそうになり、海軍を中心としてもみ消しに走り、その場は何とか収まったものの、その社員がドイツ帰還後逮捕され、そのことが明るみとなった事件、これと同時に戦艦金剛を建築したヴィッカースの賄賂が明らかになり、海軍の高官3名が裁判で有罪となり、時の総理大臣山本権兵衛および海軍大臣 斉藤実が引責辞任した事件。なお、この事件は山縣有朋とヴィルヘルム2世による海軍抑制のための陰謀であったという説があり、平沼騏一郎も否定はしていない)が発生し、第一次世界大戦においては戦争の当事国同士となったためその間は営業は停止された。
その後営業は再開され、日本国内に合弁会社である富士電機製造株式会社(後の富士電機、なお富士通はこの会社の通信部門から独立した会社)、なおのが設立された。
このころのシーメンスは特に日本国のインフラにかかわる部分、例えば水道のメーターや浄水設備、郵便用のベルトコンベアなどが導入されたといわれる。
しかし、第二次世界大戦の連合国による枢軸国企業の海外資産凍結によりこの会社は営業を終了する。
戦後
戦後には元日本法人の幹部が立ち上げた太平洋行が昭和22年に、本社の日本事務所が昭和28年に設立されこれが昭和40年にシーメンス日本有限会社となり、この二つの会社が合併により日本シーメンス株式会社となった。
この会社は平成18年ごろ持ち株会社となったが、昭和63年に旭化成との合弁会社として作成されたシーメンス旭メディテックを買収し子会社にした後、この会社をシーメンスジャパンと変更、日本シーメンス株式会社を吸収合併させ、現在の形式に至る。
pixiv
pixivのタグとしては電車のイラストやそれを擬人化したものが多い。
関連項目
VVVF(インバータ):新1000形 2100形 E501系
