概要
卵かけご飯とは、生の鶏卵と飯を混ぜ、少量の醤油等で調味して作る日本料理。
卵ご飯、生卵ご飯、近年ではTKG(Tamago Kake Gohan)とも呼ばれる。
おそらく多くの日本人が生涯で初めて口にするファストフードである。
諸外国ではまず口にしない生卵を用いることで他の卵料理とは一線を画している。
一般的な作り方
あらかじめ別な器で溶き卵を作っておく方法
後述するような膳として提供される場合は基本的にこの作り方を前提にしている。
- ご飯を茶碗に盛りつける。
- ご飯の中心に窪みをつける。
- あらかじめ別の器に卵を割りいれ、しょうゆその他で味をつけたのち撹拌た溶き卵をつくる。
- 飯の上にかけ、好みに応じて混ぜる。
飯茶碗内で直接混ぜる方法
- ご飯を茶碗に盛りつける。
- ご飯の中心に窪みをつける。
- 卵を割り入れる。
- 好みに応じて混ぜ、適宜調味する。
アレンジ
上記の基本的なレシピ例に対し、以下のようなアレンジはよく知られたものである。もちろんアレンジ例はこれらに限らない。
使用する調味料にアレンジを加えたもの
卵の状態にアレンジを加えたもの
追加の食材を使用するもの
文化との関わり
安価で、素早く作ることが出来、寝起きの消化器でも吸収しやすく、なおかつ高栄養価であることから、茶漬けと並んで和食による朝食の定番として特に好まれる。
和食膳を用意する旅館等では、小ぶりな専用の器と共に、あるいは器に割り入れた状態で朝食に供されることも多い。
長らく、家庭で安価かつ手軽に作ることが可能なファストフードの一種として愛されてきたが、近年その文化的意義が再評価され、2005年には10月30日を「たまごかけごはんの日」と定めることが「日本たまごかけごはんシンポジウム」によって決定された。
「クルクルたまごごはん」というテーマソングも作成されている他、様々な卵かけご飯について取り上げたレシピ本なども人気がある。
日本で初めて卵かけご飯を食べたとされるのは明治初期の新聞記者である岸田吟香と言われており、彼の出身地岡山県の美咲町には卵かけご飯をメインメニューとした定食店も存在する。
本項で取り上げているのは米飯に割り入れたものであるが、和食には米飯以外にも同様に生卵を割り入れるものがある。
つゆを張ったそば、うどんに割り入れたものは、黄身を月に、つゆの熱で朧に固まった白身を月にかかる雲に見立て、「月見そば」「月見うどん」と呼ばれる。
また、すき焼きでは溶いた生卵をつけダレとして使用する。
一方、非加熱の生卵を直接食するという食文化は、ほぼ日本特有のものである。
他国には生卵の状態でトッピングすることはあっても、最終的にはある程度加熱された状態で食することが殆どであり、ほぼ、または完全に非加熱の状態で食することは無い。
また、日本で流通している鶏卵は生食可能な衛生基準のもとで管理されているが、他国では必ずしも生食可能であるとは限らないため、もし海外で卵かけご飯を食べたくなった場合、卵が生食可能であるかどうかは必ず確認しなければならない。
映画「ロッキー」では、トレーニングの最中、ジョッキに大量の鶏卵を割り入れて一気飲みするというシーンが登場する。
卵の生食に慣れている日本人の目には「トレーニングのために栄養と精力をつけるのだろう」と納得しやすいシーンであるが、米国人にとっては異常行動でしかない。
(ここから転じ、勝つためならどんなことだってやる、というロッキーの決意を浮き彫りにするシーンである)
実際、シルベスタ・スタローンはこのシーンの撮影にはさすがに拒否感を示したと言われている。
当の日本においても、この食べ方は飯の熱で卵の臭気が強まるため、そのことを嫌がる人もいる。また、目玉焼きの調味料にも似たような議論があるが、シンプルな作り方で食べられ広く愛されているがゆえに、卵の状態、作り方、使用する調味料の種類などには個々人の"流儀"が色濃く出る傾向があり、それ故に論争を招くことがある。
関連タグ
卵かけご飯が好物の実在人物&キャラクター
実在人物
高橋広樹(歌まで作ったり美味しい食べ方のレクチャーをするほど。)
Tokyo Tanaka(MAN WITH A MISSIONのボーカル)
羽生結弦(「幸せです」と丼を抱えてガッツリ食べていた)