ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

難民の編集履歴

2017-01-11 15:03:58 バージョン

難民

なんみん

居住地に住めなくなったり追い出された人々。

概要

英語" Refugee "の和訳から「難民」という語は生まれた。

1967年に作られた国際法難民条約(難民の地位に関する1967年の議定書)」では難民を人種宗教国籍政治的信条などが原因で、自国の政府から迫害を受ける恐れがあるために国外に逃れた者」と定義している。


すなわち、戦争民族対立、宗教対立、人種差別、その他政治的思想的弾圧によって住んでいた土地を追われた者という事である。また、自然災害環境変動、伝染病が発生し、当該国家のみでの人命保護ができなくなった場合も、慣例的に難民に準じた措置が取られる。

一方、単なる経済的困窮は難民ではないともされている。死の危険が無い程度の貧乏で国外に脱出しても、不法移民として強制送還されるだけという事である。


彼らは基本的には居住地に戻る事を希望していると言われるが、それがかなわず避難先で定住し、場合によっては移民同様に集団化、集落化する事も少なくない。

その結果、地元住民との間で軋轢が生まれたり、その土地でも貧困状態に置かれたり、 自暴自棄から彼ら自身が犯罪の原因となってしまったりと、新たな社会問題が引き起こされる事がある。


また、現代では発展途上国でも死ぬ程の飢餓状態に置かれるという事は少なくなってきており、難民と認定されることは少なくなっている。それを知りながら密入国を図る者やその手引きをするブローカー、あるいはブローカーを装った人身売買業者等にまつわる問題も多発しており、様々な観点から難民に向けられる視線は厳しくなってきている。


なお、一般的な傾向として、隣国以外が難民を受け入れる場合には、旧植民地等の歴史的な関係に基づいている事が多い。文化的に多少なりとも暮らしやすいという配慮からである。


日本国はその例外的存在と言われており、第二次世界大戦後は旧植民地からでもほとんど難民を受け入れた例が無かった。これは戦後日本本土が困窮していたにもかかわらず旧植民地や占領地からの大量の引揚者(敗戦により居住地を追われた日本人)を受け入れなければならなかった事、復興後も先進国有数の人口となってしまい受け入れ余地に乏しい事、1980年代以降は朝鮮半島台湾の政情が安定し大量の難民が生まれる時勢にない事(ただし北朝鮮からは脱北者という形での難民が散発的に日本に渡航することは今でもある)等が理由に挙げられている。しかし、朝鮮戦争の前後に朝鮮半島から戦火を逃れてかなりの密航者が渡ってきており、在日朝鮮人となった彼らは事実上の難民であった。戦後、朝鮮人の大量流入による治安の悪化や日本人との軋轢が問題視されており、難民問題は「在日韓国・朝鮮人問題」として今でも続いているとも言える。


EUにおける問題

EUはその創設時より難民の受け入れに積極的であった。しかしそれも近年では変化が見られている。


2010年代に入り、ISILを始めとするイスラム過激派が大量の難民を生み出すようになったが、それでも西欧諸国では当初は受け入れを支持する意見が多かった。

しかし、経済状況が芳しくなく、人道主義自体西欧に比べて根付いていない事から東欧の一部が反発。ドイツアンゲラ・メルケル全会一致が原則のEU議会の承認を多数決で強行し、強制的に難民を振り分けたため加盟国間での対立が生じた。

ハンガリーに至っては国境に壁を建設して物理的に移動を遮断。これはEU内の移動の自由を謳う「シェンゲン協定」にも真っ向から反するものであり、なし崩し的にEUそのものの否定がなされるようになる。


その後も事態は一向に改善せず、飽和した難民とそれによって引き起こされた様々な社会問題(治安の悪化、医療崩壊、不動産価格の高騰、難民対策による予算の圧迫など)に西欧諸国でも排外主義が台頭。追い打ちをかけるように難民に紛れて上陸した戦闘員がテロを起こし世論は一気に現行体制への反発に傾いていった

フランスでは明確な反イスラムを掲げるマリーヌ・ルペン率いる国民戦線が躍進するなど、各地で極右極左政党が勃興し、目には目を的に難民を襲うネオナチも増加している。難民・移民問題に格差社会の進行とエリートへの不信が重なって、EU全体が不安定化している。


そして2016年イギリスが国民投票にてEU離脱を可決

加速する民族主義はこれだけに留まらず、「連合4ヶ国イングランドスコットランドウェールズ北アイルランドの分裂」さえも視野に入れてきている。それに対してデービッド・キャメロン以下首脳陣は相次いで政界自体からの離脱を図っており、イギリス政界は混迷を極めている。

そもそも中東に紛争のタネをばらまいてきたのは他ならぬイギリスであり、しかもその解決に正面から向き合わずに逃げ続けてきた結果に過激派があるとも言われている。その結果が回り回ってイギリスが瓦解しようとしている現状は皮肉と言うほかないだろう。


ネットスラングとして

インターネット界隈では、アニメの放送終了や打ち切りゲームメンテナンスやサービス終了等によって居場所や楽しみを失い、その未練を引き摺ったまま他のコンテンツに現れる人間の事をこう呼ぶ事がある。

特に日常系アニメのファンに多いとされ、しばしば前作との比較や放送終了への嘆きを垂れ流す無自覚な荒らしとなる事から、否定的なニュアンスで用いられる傾向が強い。

二次元娯楽ですら疎ましがられる事を考えれば、実際の難民の生活がいかに困難なものであるか想像できる・・・かもしれない。

終わり無き現実(きんモザ)に還れ。


関連タグ

民族 人種 外国人 国際法 社会問題

亡命 難民キャンプ 偽装難民

風刺画


外部リンク

UNHCR JAPAN:難民の地位に関する1967年の議定書

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました