概要
UH-1汎用ヘリコプターに、僚機を援護するための武装を追加したものに端を発するが、これには追加武装で重くなった結果護衛対象についていけなくなるなどの問題があり、専用の機体として1から開発されたのが攻撃ヘリコプターである。
対戦車ミサイルを主武装として装備するようになっていったことから対戦車ヘリコプターとも呼ばれ、英語ではガンシップとも呼ばれる。
なお、上述のUH-1をはじめ、「本来攻撃用ではないヘリコプターに自衛あるいは支援用の武装を施したもの」は「武装ヘリコプター」と呼ばれ、純戦闘用の攻撃ヘリコプターとは似て非なる存在である。
攻撃ヘリコプターと比べると「既存の機体を流用できるため安価」「攻撃以外の用途にも使える」という利点があるため、一概に攻撃ヘリコプターより劣っているとは言えず現在でも一定の需要がある。
長所
NOE(Nap Of the Earth)飛行により地面すれすれで飛ばれれば地上のレーダーはおろかAWACSといった上空からの監視網でも発見は難しく、発見できたとしても地形によってはレーダーロストする事が多い為である。
飛行音も『地形に沿って飛ぶ』、『林や建築物等を遮蔽物にする』等をすると殆ど聞こえず、ブレードの形状を変更する等で音を抑える改良を施された機体も存在する事から、携行型地対空ミサイルが発達した現在であっても、歩兵や戦車にとっては死神同然である。
何より、運用する陸軍にとっては空軍の航空戦力に頼らなくて済む、自前の航空支援手段を手に入れられる事が大きい(ただし国によっては空軍が運用する所もある)。
欠点
元より航空機は撃たれ弱いが、ヘリコプターは低速なうえ、滞空するだけでもエンジン出力の多くを使っているため固定翼機よりさらに脆弱であり、本格的な防空網にはほぼ無力とされている。ましてや攻撃ヘリコプターは攻撃が任務である以上、そのような危険と常に隣り合わせなのだから猶更である。
防弾装備に優れているAH-64でさえ、『12.7mmの直撃か、23mm砲弾片の数発分に耐える程度』(メーカー)とされている(本格的な対空砲となると20mm以上などざらにある)。
しかも対戦車兵器にすら落ち落とされる可能性がある現在では、敵地のど真ん中でのNOE飛行は「撃ち落としてください」と言うに等しいハイリスクなものになってしまい、近接航空支援で大損害を受ける事例が続出。
いくら重武装・重装甲であろうとも低速ではしょせんただの的にすぎないのだ。
それでいて最新の機種は下手をすると戦闘機並の値段がするのである。
国家同士の戦争の可能性が大きく減った現在は、本来の任務である対戦車戦闘が減り、偵察や火力支援任務に就くことがほとんどである事もあって、「どうせ脆いしそこまで火力もいらないんだから武装ヘリコプターで十分じゃね?」という先祖返りな意見も多く出始めている。
また、武装UAVが発達し始めた事で、攻撃ヘリコプターの任務を武装UAVで代替できないかも注目されている。
各国の主な攻撃ヘリコプター
開発国 | |
---|---|
アメリカ | AH-1(通称コブラ),AH-1W,AH-64(通称アパッチ),AH-56(通称シャイアン) |
ロシア | Mi-24(通称ハインド),Mi-28,Ka-50,Ka-52 |
ドイツ | PAH-2 |
フランス | EC 665 |
イタリア | A129 |
中国 | 武直-10 |
南アフリカ共和国 | AH-2 |
架空の攻撃ヘリコプター
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