データ
初出 | 第4世代 |
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タイプ | いわ |
ぶんるい | 特殊 |
いりょく | 70(~第5世代)→80(第6世代~) |
めいちゅう | 100 |
PP | 20 |
範囲 | 単体 |
直接攻撃 | × |
追加効果 | 無し |
英語名 | Power Gem |
概要
第4世代から存在する技で、宝石のように煌めく光を発射して相手を攻撃する技。
世代によって演出が異なり、ハニカム状の何かを敵にぶつけたかと思えば切り裂いたり、宝石をぶつけたり、そこからビームを撃ち出したり、光球を投げつけたりと表現方法が多種多様。
習得できるポケモンだが……これに関しては後記する。
第8世代で「メテオビーム」が追加されるまで、いわタイプの特殊技は専用技を除くとこれと「げんしのちから」(といわタイプのめざめるパワー)しかなかった。
その性能なのだが、元々は威力70・追加効果一切なしだった。げんしのちからが威力60である為、事実上のいわ特殊最強技だったのである。
このスペックで最強を名乗れた辺り、いわ特殊技の枯渇っぷりが目に見えるだろう。
さらに困った事に当時の「めざめるパワー」も最大威力70。
めざパいわにするには最速にできないというデメリットがある為、こちらを採用するメリットは習得できるポケモンが最速にできたり、他のタイプのめざパを粘れる程度のものしかなかった。
地味にPPでも5勝っているが、ある理由からそんなものはメリットとは言えない状態だった。
第6世代では威力が80に上がり、PPも20あることからそれなりに使いやすくなった。同時に「めざめるパワー」の威力が10下がったことから差別化も進んだ。
特にスターミー、ブーピッグ、マスカーニャ等は、弱点であるむしタイプに対抗できる数少ない有効打である為、まれに採用されている。
難点(文句?)
ここで気づいた方も多いだろう。
何故いわタイプの技なのにいわタイプのポケモンの名が出てこないのか……と。
何故ならこの技は習得者に問題を抱えているから。
この技はパワージェムだけあって宝石等の鉱物のような要素を持つポケモンのみが習得できるというイメージ最優先の技となっており、タイプ不一致の習得者が多い。
ペルシアン、ビークイン、ヤドキング、デンリュウの様に身体へ宝玉が存在するポケモンも対象となる一方、故なのか初登場のDP当時のいわタイプの習得者はなんとサニーゴしかいかなった。
要するに特攻が高くて比較的活かせそうなオムスターとかマグカルゴとかは覚えないのだ。
結果第6世代まででこの技で一番火力を出せるのはメガデンリュウ。
タイプ一致ですら無いとはどういう事なのか……。その為サブウェポンになることが多く、PPが多い利点が利点になり切っていない。
現在でもこの習得者の基準は他の技とは比べ物にならない程無茶苦茶厳しい。
第6世代まででいわタイプで習得できるのはサニーゴ・ダイノーズ系統・ギガイアス系統・メレシーの7種のみ。特攻が高くない種族が揃っており、よくてダイノーズの75であった。
身体に水晶のような物体があるアマルルガですら、容赦なく選定から弾かれている。氷の結晶ではだめなのだろうか?
一方のいわ特殊技の「げんしのちから」はというと、キングラーだのトゲキッスだのシロデスナだの、どこに「原始」の要素があるのか分からないポケモンが習得できるという……
悲劇はさらに続く。
メレシーはこの技を覚えるが、突然変異種のディアンシーは何故か覚えなかった。
2匹のレベル技は似通っているのだが、「パワージェム」があるはずの枠には何故か「トリックルーム」が入っている。その宝石は飾りか何かだというのか。
しかも同じ宝石関連の専用技「ダイヤストーム」は何故か物理技扱いだし。意地でもまともないわ特殊技を渡したくないようにも捉えられてしまう有様だった。
しかし第7世代、特攻種族値127のウツロイド、特攻種族値100(リミット解除時)のメテノがこの技を習得し、更に既存勢力でルナトーン、上記ディアンシーも覚えられるようになった。
これによりやっとこの技をまともに使えるポケモンが登場し、そして、この技を最大威力で出せるポケモンも「こだわりメガネ」を持たせたウツロイドとなった。
苦節10年。Zワザを除くいわ特殊技最高威力がやっとアルセウスの「さばきのつぶて」でなくなった瞬間だった。
が、第8世代、なんと第7世代でこの技を覚えた特殊アタッカーのポケモンがルナトーン以外ガラル図鑑から締め出された。
一方でわざレコードとして登場し、広く配られ…なかった。
自力で覚えられないポケモンで技レコード63が使えるのはルナトーンとギアル系統、ミュウのみ。
ルナトーンに関しては前世代に自力習得できていたが、この世代では自力習得できなくなってしまった。
この状況に絶望したり、意味のわからない技レコード設定に怒りをぶつけたりする者も多かったが、鎧の孤島で特殊いわの新技メテオビームが登場(溜め技なのがネックだが威力は120もある)、そして冠の雪原で解禁されたオムスターやアマルルガが無事メテオビーム習得となったことで状況は多少改善した。
ただし肝心のパワージェムは、元から覚える特殊アタッカーのポケモンがいくつか復活したり、新登場のガラルヤドキングが自力習得したりといった程度でほとんど報われていない。
メテオビームを貰ったオムスターやアマルルガもパワージェムは技レコードを使ってすら覚えられず、解禁前にあった「技レコードを使うことでUMAトリオが習得できるのでは」という予想も空振りに終わった。
相変わらず技レコードに設定した意義がほとんど見出せない状況である。
そのため、「技レコード63は実質換金用アイテム」とも呼ばれている。
売値は3000円なので、まずまずと言ったところ。
そして第9世代、この技を最大限に活用出来るキラフロルが登場。
ようやく不遇技から脱却出来る事となった。ただしキラフロルのほぼ専用技という扱いでだが…。