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むしタイプ

むしたいぷ

むしタイプ(Bug Type)とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するタイプの一種である。
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【注意】

ポケモンは沢山のキャラクターが登場するゲームですが、一部においてポケモンに対する扱いや能力、対戦での使用率を主観的、かつ過度になじる編集者が散見されます。


キャラ設定は今後のシリーズで変わること、対戦環境は変化を繰り返すこと、本サイトの性質上記事の内容もあくまで個々人の見解に過ぎない旨を理解し、全てを鵜呑みにしないようご注意下さい。


概要

ポケモンは種族ごとに1、2種類のタイプが、技には1種類のタイプが必ず付加されている。

そのタイプの相性でバトルの有利不利が決定される要素の一つ


初代から登場するタイプの一つ。

むしタイプのカテゴリーに分類されるポケモンの特徴としては、読んで字の如く、特に昆虫をはじめとする節足動物をモチーフとしたポケモンが多い。


日本語の定義的には「虫」というのは「哺乳類以外の小動物」のことを指すため、爬虫類や両生類も無脊椎動物ですらないのに広義では虫と呼べるのだが、これらがモチーフという理由でむしタイプを付けられているポケモンは今のところいない。

  • 現在は陸生節足動物に限り虫ということが多い

甲殻類も「虫」に分類されるが扱いは曖昧であり、カニクラブ)やエビウデッポウ)はみずタイプに分類される一方で、ヤドカリイシズマイ)やワラジムシコソクムシ)はむしタイプに分類されている。モチーフ元が食用か否かで分けられているということだろうか。


昆虫をモチーフにしているためか、他のタイプと比べて成長が早いことが利点として挙げられる。

ポケモンで最初に進化を経験させてくれるのは大体むしタイプのポケモンである。

その関係上ゲームの序盤に一種類は必ずと言ってよいほど出現する。

また、虫という『種族』をモチーフにしているためなのか進化等で別のタイプが追加されたり、変わったりすることはあっても、むしタイプが追加、または変わることは殆どない(例外はこの系統のみ)。

また、リージョンフォームも第9世代現在登場していない(地方限定の進化は存在する)。

第9世代時点で未登場の複合タイプはノーマルタイプドラゴンタイプの2つ。


その他ステータス的な特徴として、ある能力に極端に偏ったポケモンが多い。

特にすばやさは超高速帯を占めており、テッカニンを筆頭に、フェローチェメガスピアーアギルダーと、広く「高速ポケモン」として認知される130族すら及ばない素早さ種族値140すらをも超えるポケモンが4匹いる。

禁止級メガシンカを除くと、素早さランキング上位5匹中3匹がむしタイプという爆速一族である。(ちなみにその内の2匹はでんきタイプマルマインレジエレキ。)

しかもレーティングバトルに参加可能なポケモン(メガシンカ含む)において、能力の高さランキングで6つのステータス中3つでむしタイプのポケモンが1位を取っている(こうげき:メガヘラクロス、ぼうぎょ・とくぼう:ツボツボ)。

攻撃と特攻が両方高い、いわゆる二刀流のポケモンが少ない点も特徴の1つ。


欠点としては、昆虫をモチーフにしているためか、ないし序盤に出て来る種族が多いためか、他のタイプに比べてステータスが低いポケモンが多い事。

特にHPは「虫の息」よろしく種族値3桁に届くポケモンがマッシブーンマルヤクデ(3位は種族値86のメガヤンマ)のみという有様。

ランキング1位を取れるほどのステータスの高さを持つポケモンがいるのはいいが、同時にあまり種族値合計に恵まれない種族であるため、極端に偏ったピーキーな性能のポケモンが多く、安定性に欠けてしまうのも問題。

加えて攻撃面では半減されてしまうタイプが7つもある(5世代までは6つ)ので、攻撃を当てられても倒しきれないことがしばしば。


弱点こそ3つと平均的だがそのタイプの使用率が高く、半減にできるかくとうタイプにはこっちの攻撃もイマイチ、尚且ついわ技の採用率が高いため有利になりづらい。

じめんタイプにもこちらの攻撃は通るものの、ほぼすべてのポケモンがサブウェポンにいわ技を搭載しているので、やはり有利かというと結局微妙という現実がある。

くさタイプに対しては攻守ともに有利だが……くさタイプは他にもいくつか弱点は有り、わざわざ優先してむしタイプの技を使う必要性はあまり感じられないと言える。そもそもむしタイプの技自体が前述したように半減されやすく、むしタイプの弱点を等倍に抑えてしまうくさタイプもザラだったりする為、これまた残念ながら優位性が必ずしも保証されていない。


これらの技を半減できる3タイプの事情を考慮しても、とにかく圧倒的に「このタイプに有利!」という状況がむしタイプにはあまり無いのが辛い所。

ただし、いわに耐性のあるかくとう、はがねタイプとの複合であれば話は別。

かくとう複合になると途端にかくとう・じめん始め多くの物理アタッカーとの殴り合いに強くなれるし、はがねとの複合だとはがねの弱点であるかくとう・じめんを等倍で抑えられるようになる。はがね・むしタイプの弱点はなんとほのおタイプのみ(4倍弱点だが)。

この辺りは「こおりに強いくさタイプが皆強い」という理屈に似ているかもしれない。


ひこうタイプは攻守の両面で苦手。しかしでんきタイプいわタイプと複合のポケモンの場合はむしろ、ひこうタイプの防御力の低さや4倍弱点の多さを逆手に反撃できる事も多い。弱点のじめんタイプに対しても、むしタイプの複合によって攻撃を等倍に抑えられる利点がある。特にクワガノンイワパレスはひこうタイプに対してかなり有利なポケモンである。


むしタイプが複合であると弱点が多くなる事もあるが、上記の複合によっては防御面において優秀な組み合わせにあるバリエーションも少なくはない。


むしタイプの攻撃技は今でこそ、物理・特殊共に安定したものが揃っているが、第3世代まではとことん技不足に悩まされていたタイプでもあった。

変化技はちょうのまい」「いかりのこな」「ねばねばネットなど固有かつ強力な効果を持つものが多い。この辺はくさタイプに似ているが、むしタイプはくさタイプのような状態異常よりも妨害や自らの強化ができる技が主となっている。攻撃しながら確定で相手の能力を下げる技も多く、攻撃を下げる「とびかかる」、特攻を下げる「はいよるいちげき」と「むしのていこう」、素早さを下げる「とびつく」と揃っている。

第9世代現在では攻撃面でも、威力命中とも安定していて前述の追加効果があるとびかかる、第7世代で大幅強化されたドレイン技「きゅうけつ」、音の技なのでみがわりを貫通する「むしのさざめき」など、優秀な性能を持つ技が増えてきている。

タイプや特性で無効化されることがないことも相まって、サポート方面の活路が開けてきているといえよう。


むしタイプの技ではないがバトンタッチを覚えるポケモンも多い。

有名なテッカニンの「かそくバトン」を筆頭に、ちょうのまいほたるび等の優秀なむしタイプの積み技を他のポケモンに受け継げるむしポケモンもいる。


このタイプに属するポケモンは植物食から肉食と幅広い食性が確認されているが、『LEGENDSアルセウス』ではもちもちキノコ、きらきらミツ、いきいきイナホ、ころころマメの4つが好物として設定されている。

元々、ポケモンはきのみを食べる設定なので問題はないと思われる(ポケモンというゲームが狩猟ゲームでない以上、肉類を餌にすることが難しいという事情もあるのだろう)。


むしタイプのポケモン一覧


第1世代


第2世代


第3世代


第4世代


第5世代


第6世代

No.初期No.中間No.最終
0664コフキムシ
0665コフーライ
0666ビビヨン

第7世代


第8世代

No.初期No.中間No.最終
0824サッチムシ
0825レドームシ0826イオルブ
  • エスパー
0850ヤクデ0851マルヤクデ
  • ほのお
--
0872ユキハミ0873モスノウ
  • こおり
--
0900バサギリ--

第9世代


メガシンカポケモン


フォルムチェンジ

No.ポケモン形態名
0493アルセウス
たまむしプレート
0773シルヴァディ
バグメモリ

タイプ相性と特性

タイプ相性

攻撃側タイプ
抜群(2倍)くさ、エスパー、あく
今ひとつ(0.5倍)ほのお、かくとう、どく、ひこう、ゴースト、はがね、フェアリー
効果なし(無効)-
防御側タイプ
抜群(2倍)ほのお、ひこう、いわ
今ひとつ(0.5倍)くさ、かくとう、じめん
効果なし(無効)-

攻撃面

食料である(もちろん純肉食性の虫モチーフもいるが)くさタイプには強い。この点は虫のイメージに合致した相性であるが、一方でむしタイプが弱点を突けるタイプにエスパータイプあくタイプが入っていることには疑問を覚える人も少なくない。「虫が嫌いな人は多いため、人間がモチーフのエスパータイプやあくタイプには強い」という説、「某特撮ヒーローをリスペクトしたもの」という説などが囁かれている。(その割には第一号モデルの虫が第9世代のマメバッタまでポケモンになっていなかった。また、エスパータイプに対抗できる点ではこのヒーローがリスペクト元とも言えなくはない)

前者の説では、エスパータイプとあくタイプはどちらも心を表すタイプである点、特性びびりの対象にむしタイプが含まれることなどから、むしタイプの攻撃には「心を乱す」要素が少なからず含まれているものとも考えられる。

むし技の「とびかかる」「きゅうけつ」「まとわりつく」などは最たるもので、こんな攻撃を受けてしまっては「めいそう」や「わるだくみ」なんてしていられないだろう。


むし技を半減されるタイプは7つで、これは全タイプ(ワースト)1位の数である。

かくとうタイプは修行で鍛えた心があり、ゴーストタイプはもともとが得体のしれない存在であるから、虫が飛びついたくらいでは何にも感じないのかもしれない。幽霊屋敷にクモの巣が張っているイメージなどとも関係があるかも。はがねタイプに半減されるのは、言わずもがな鋼は牙や針を全く通さないからであろう。フェアリータイプは心を浄化させる力があったり、蝶が関連づけられるモチーフだから半減ですむのかもしれない。高熱で焼き尽くしてしまうほのおタイプ、虫より大きく高いところを飛ぶひこうタイプには攻撃を半減されるだけでなく防御面でも不利を取る。


防御面

虫を引き寄せて焼き尽くしてしまうほのおタイプ、捕食者である鳥ポケモンが多く(ただし、むしタイプにはひこうタイプを併せ持つものも多い)風で小さな虫を吹き飛ばしてしまうひこうタイプ、大きさと重量で押し潰してしまういわタイプには弱い。捕食という意味では動物モチーフが多いノーマルタイプ、潰すという意味でははがねタイプにも弱そうに思えるが、これらのタイプは弱点ではなかったりする。また、ほとんどの虫は冬眠するためこおりタイプも弱そうに思えるが、そのタイプも弱点ではない。


かくとう技を半減してしまう理由は不明だが、潰した時に粘液などのイヤな感触が残るからという説がある。(ハエやトンボなどは捉えどころのない動きで打撃を回避してしまうからだろうか?)。

じめんタイプを半減してしまうのは、昆虫には地面を掘って生活する種類が多く存在するからだと思われる。高いところから虫を地面に落としても何ともない(体が小さいほど転落に強くなる)こともあるかもしれない。

くさタイプを半減してしまう理由は不明だが、上記のひこうタイプとむしタイプの相性から考察してみると、タイプのモチーフが「捕食者と被捕食者」の関係の場合は攻撃面でも耐性面でも有利と不利の関係になるように設定されているものと思われる。


第1世代ではどくタイプが弱点に据えられていたが、恐らくは殺虫剤からの連想だと思われる。むしタイプの不遇さが問題になったのか、等倍に改められた。一方で、第1世代ではむしタイプの攻撃がどくタイプの弱点を突けるという相性だったのが逆の半減に変更された。(プログラミングのミスという説もあるが真偽は不明)


タイプ特性

特になし


世代別の特徴

第1世代

初登場にして虫の息の不遇時代。


上記のように、第一世代では他のタイプに比べてステータスが低いポケモンが多く活躍は難しかった。

しかし攻撃面では優秀なほうで、特にエスパータイプの弱点を突ける唯一のタイプだった。ちなみにこの世代ではどくタイプとは互いに効果ばつぐんの関係になっていた。(ただし当時の攻略本の相性表では、どくタイプにむしタイプの技は等倍と表記されているため、上述の通りバクの可能性がある。虫だけに)。


しかし、肝心のむしタイプ技が枯渇同然のバリエーションで、当時の攻撃技は「きゅうけつ」(威力20)、「ダブルニードル」(威力25×2)、「ミサイルばり」(威力14のみ

致命的なまでにまともな技がなく、ほぼ戦力にならない。

しかもダブルニードル」を唯一覚えるスピアーがエスパータイプに弱点を突かれるせいでまるで意味をなさなかった。

ミサイルばり」は辛うじてサンダースのサブ技として、例えばナッシー相手にぶつけることができはしたが……。

まともなステータスを持っていたはずのストライクカイロスもむしタイプの技を一切覚えられないという有様で、他のタイプのわざを使う方が威力が高くなる。


むしタイプがもっとまともな強さであればエスパーキラーになり得たはずであった……のだが、致命的なほどの欠陥のせいで(ドラゴンタイプなどを除く)他のタイプのポケモンと比べ、非常に不遇なタイプであった。

こういった事情から、むしタイプのポケモンだけでパーティーを組む、というプレイは縛りプレイになる。


当時むしタイプを敢えて使うなら全てのむしタイプの中で耐性が一番マシであるカイロスをノーマルメタの「じごくぐるま」型として使うぐらいか。同じ使い方が出来るカイリキーとは耐性が違うため、一応差別化は可能であった。


第2世代

不遇の時代はまだ続く。


新規組として、ひこう複合のレディバ系統とヤンヤンマ、どく複合のイトマル系統、クヌギダマ系統、ストライクから進化したはがね複合のハッサム、いわ複合のツボツボ、かくとう複合のヘラクロスが登場した。


ヘラクロスの メガホーン!シザークロスチョキチョキ

念願の一線級ポケモンであるヘラクロス、ハッサムの参戦によって、不遇な傾向は多少改善するかのように思われた。

しかしこの二匹だけ別格扱いで、他のむしタイプのポケモンの待遇は変わらなかった。

別格の二匹も無条件に強いかと言われればそうでもなく、ヘラクロスは専用技メガホーンこそ強いがかくとう技がきしかいせい」しかないことからほぼ「こらえる」とのコンボをせざるを得ず、しかも「きしかいせい」は当時何故か急所に当たらない仕様だった。

ハッサムはむし技をほとんど覚えられず、耐性を活かしたサポーターとしてしか使いみちがなかった。

逆を言えばむしの耐性が買われたということになるのだが……。

フォレトス×ミサイルばり

この他、極端なステータスで話題を呼んだツボツボや、「まきびし」の仕掛け人フォレトスなどが個性を買われて使われていたが、耐久を活かした戦法が中心でタイプ一致技は二匹とも(当時は)ほとんど覚えられなかった。


むしタイプの技の追加も上記「メガホーン」を除けば癖が強いれんぞくぎり」のみ

幸い「めざめるパワー」の登場で、頑張ればむしタイプの威力70の技を得ることはできた。

それも結局根本的な改善にはなっていなかったが……。


第3世代

不遇の時代はまだまだ続く。


この世代の新規勢は、進化先が2通りあるケムッソ系統、アメタマ系統、じめん複合のツチニンバルビートイルミーゼ、いわ複合のアノプス


テッカニン  ヌケニン

この世代の新規追加ポケモンで最も強力なのはツチニンの進化系であるテッカニンヌケニンの2匹だろう。

テッカニンは伝説を除くすべてのポケモンの中で最も「すばやさ」が高いポケモン(160)で、かつ特性「かそく」により毎ターン「すばやさ」が上昇する。

そこから「バトンタッチ」で後続のポケモンを大幅に強化することができた。

いわゆる鉄火バトンである。

ヌケニン「ツチニンを進化させる際、手持ちに空きが1つでも空いていたら自動的に入手」という特殊な入手条件(第4世代以降では「モンスターボール」を1つでも持っていないとダメ)もさることながら、特性ふしぎなまもりにより、弱点以外の攻撃技を全て無効化してしまう。

変化技や天候、罠などは効いてしまうが、それらの対策がないとヌケニン1匹に全滅させられるという事態もしばしばあった。

アーマルド

この他、高い攻撃力と中々の物理耐久を持ち、弱点も少なめなアーマルドが登場。

だが当時むしタイプの攻撃技はほとんど覚えなかった。

その他の新規勢は、技が多彩でとくせい「いかく」を持つアメモースや、当時「メガホーン」以外でまともな攻撃技であった「シグナルビーム」を唯一覚えるバルビートがごく稀に使われる程度だった。


この世代では新要素「とくせい」が追加されたが、大半のむしタイプが十把一絡げに「むしのしらせ」を追加されたせいで個性もへったくれもない有様だった。

だが優秀なとくせいをもらえたポケモンももちろんおり、バタフリーふくがんを手に入れ、「ねむりごな」の命中率を97まで引き上げることに成功した。

またヘラクロスこんじょうを手に入れて状態異常に強くなり、「こだわりハチマキ」「カムラのみ」などの新アイテムや「かわらわり」などの技の追加の手助けもあって一躍メジャーポケモンに上り詰めた。

特に「こんじょう」or「むしのしらせ」発動+「こだわりハチマキ」+「メガホーン」は(能力強化なしで)当時の物理攻撃最高火力を誇った。

ハッサムは特性こそ平凡な「むしのしらせ」だったが、念願のむしタイプ技ぎんいろのかぜを獲得した。


しかし新要素や新勢力の追加もあったものの、環境でまともに使われたのはヘラクロス、テッカニン、ヌケニン(ダブルバトル)程度で、この世代でも総括してみれば不遇と言わざるを得ない状態だった。


第4世代

3世代に渡る不遇から一転、ようやくスタートラインへ。


この世代ではコロボーシ系統、性別で進化先が変わるミノムッチ系統、ひこう複合のミツハニー系統、進化後はむしタイプがあくタイプとなるスコルピ、ヤンヤンマの進化系であるメガヤンマが新たに追加。


技が大幅に整備され、威力60(ただし、テクニシャンで強化できる)ながらきのみを奪ってその場で消費する「むしくい」、威力80の安定した物理技シザークロス威力90の特殊技むしのさざめきなど強力な技が次々と追加された。

中でもとんぼがえりは70と低くない威力に加えて手持ちのポケモンと入れ替われるという強力な追加効果があり、わざマシンで多くのポケモンが覚えられる点も相まって、現在に至るまで多くのポケモンで高い採用率を誇っている。

技が整ったことで「自分のタイプと同じタイプの技で攻撃する」「相手の弱点を突いて攻撃する」という当たり前のことがようやくまともにできるようになり、全体の使用率は大幅に上昇した。


メガヤンマ の むしのさざめき!!

特に新規組のメガヤンマは、強過ぎて対策必須と言われるレベルにまで到達していた。

テッカニンと同じ強力な特性「かそく」ですばやさを上げてからさいみんじゅつ(当時命中率70、最低でも2ターン「ねむり」にできた)を撃つ戦法がとにかく強力で、攻撃をさせても当時むしタイプ最強の「とくこう」種族値(116)から放たれる「むしのさざめき」「エアスラッシュで大ダメージを与えることができ、数多の対戦相手を次々にひんしにしていった。


「プラチナ」では、「さいみんじゅつ」の弱体化で勢いを失ったメガヤンマに代わってハッサムが大幅強化を受けた。

この時に追加された特性テクニシャンの恩恵を受けられる新技バレットパンチ」「むしくい(HGSS)」を獲得し、「ダイヤモンド・パール」から覚えられるようになっていた「とんぼがえり」と合わせて火力と小回りを両立できる強力なポケモンへと変貌を遂げた。

また、前世代から活躍していたヘラクロスインファイト」「ストーンエッジなど優秀な高火力技の追加と安定した命中率の「むしくい(HGSS)」で、よりそのパワーに磨きをかけられるようになった。

カイロスは第2特性としてかたやぶりを獲得、「かたやぶり」で「ハサミギロチン」を使用できるという個性を得た。


だが、同時に弱点であるいわタイプとの相性の影響を受ける設置技「ステルスロック」が追加。むしタイプの中でも、特にいわタイプを4倍弱点とするポケモンは登場しただけで瀕死に追い込まれるリスクを常に背負ってしまうこととなった。

さらにはフラットルールでのバンギラス解禁とカバルドンの登場により砂パが、ユキノオーの登場により霰パが環境に登場。

強力なポケモンであったヌケニンが倒されやすくなってしまう。


第5世代

最盛期の到来。


むしのしらせ

新規勢はくさ複合のクルミル系統、どく複合のフシデ系統、いわ複合のイシズマイ系統、お互い通信交換することで進化するカブルモチョボマキ、初のでんき複合であるバチュル系統、同じく初のほのお複合となるメラルバ系統、はがね複合のアイアント、そしてむしタイプ初の伝説級ポケモンでよりどりみどりの攻撃技を使いこなすゲノセクトが登場した。


攻撃技の強化は前世代から始まっていたが、この世代で「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」が1段階上昇するという破格の性能の積み技ちょうのまいが登場。

この技を引っ提げて、メガヤンマを超えたむしタイプ最高の「とくこう」種族値(135)を誇るウルガモスがシングル・ダブルを問わず大活躍を見せた。

また、多くの蝶や蛾モチーフのポケモンも「ちょうのまい」を習得し、活躍の場を広げた。


ウルガモス以外でも新登場組は軒並み強力で、ハッサムを凌ぐ火力を持つ物理アタッカーのシュバルゴラティオスを抜く素早さから「メガホーン」を撃てるペンドラー、テッカニンに次ぐ「すばやさ」と豊富な妨害技で相手を錯乱するアギルダー、特性「がんじょう」で1発耐えてからの「からをやぶる」で高火力を発揮できるイワパレス、非伝説のはがねタイプの中では当時最速ではりきりによる高火力とタイプによる高耐性を両立するアイアントと、個性あふれる頼もしい面々。

種族値合計が最下位のデンチュラでさえこれまでの序盤虫よりは種族値合計が上であり、無駄のない種族値分配と攻撃範囲に優れた複合タイプ、さらに優秀な特性により不遇とはとても言えない。


既存ポケモンにしても、バルビートイルミーゼが隠れ特性でいたずらごころを獲得し、サポーターとして大きく強化された。


今までの不遇ぶりがウソのように改善された。


だが、中でも一番の活躍を見せたのは、やはり前世代からの強化が実ったハッサムだろう。

ドラゴン隆盛の時代、ドラゴンを半減で受け止められ、「とんぼがえり」「バレットパンチ」で相手の攻撃タイミングをかわしつつ戦える性能が評価され、シングルダブル問わず最メジャーポケモンの認定を受けた。


この世代こそ、むしタイプが最も輝いていた時期といっても過言ではない。


第6世代

通算4度目となる不遇時代。


こふきむし こふーらい びびよん

新たに追加されたのはコフキムシ系統のみ。

だが、最終形態ビビヨンは「すばやさ」89からの「ふくがん」+「ねむりごな」に加え、「ふくがん」+「ぼうふうふんじんといった強力な技を使いこなすなど侮れない性能をもつ。

ただ、そのせいでバタフリーが大変に可哀想なことになってしまったが……。


既存ポケモンではバタフリー、アゲハント、ペンドラーの種族値が若干の上方修正を受け、カイロス、ヘラクロス、ハッサム、スピアーにはメガシンカが与えられた。

加えて、ペンドラーは隠れ特性がまさかの「かそく」に変更された。むしタイプの「かそく」持ちとしては3匹目である。


技方面では「ミサイルばり」の威力が25に強化、「むしのさざめき」はみがわり」を貫通するようになった。

ねばねばネット」という場に出てきたポケモンの「すばやさ」を下げられる強力な設置技も登場した。


しかし、前世代で暴れ過ぎたツケが回ってきたのか、新登場のフェアリータイプに攻撃を半減されることになってしまった。

イメージ的には接点こそあれど強弱の関係はなさそうに思えるが、光属性としての側面が強いフェアリーに走光性のむしは抗えないということなのだろうか。

これによってむしタイプの技が半減されるタイプはついに7つになり、くさタイプと並んでワーストになってしまった。

ハッサムなど一部のはがねやどく複合組は逆にフェアリーの弱点を突いてやれるものの、それすら軽減するやつらもいるのがもどかしく、こいつらが環境に多いこともふまえるとかなり手痛い弱体化である。

加えて、ただでさえひこうタイプが弱点なのに、先制でひこうタイプの技をぶっ放してくる怪鳥が登場。

こいつの前には「かそく」も「ちょうのまい」も「バレットパンチ」も形無しで、多くのむしポケモンがためす術もなく屠られていった。

ORASでは超火力・高速・高耐久を完全に両立したひこうタイプのメガボーマンダまで出てくる有様。


追い打ちをかけるように、有利を取れるくさタイプがファイアローに追いやられて衰退し、そのファイアロー対策にいわタイプ技や「ステルスロック」の使用率が増加するというとんでもない三重苦状態に陥った。

弱点をつけるエスパータイプもゴースト、あくの2タイプがはがねタイプに半減されなくなるという強化を受けたことで衰退してしまっており、ますます弱点を突ける相手が減ってしまっていた。

上記のとおりあくタイプが前世代よりも増えたことで、あくタイプの弱点を突く機会が(若干)増えたのがせめてもの救いではある。


また、新たなルールのさかさバトルでは抜群7・半減3・弱点3・半減3と優秀なタイプ性能なのだが……、こおりタイプとくさタイプが猛威を振るっていたせいで、むしタイプは影が薄くなりがちだった。


こういったもろもろのむしタイプに不利な出来事が重なっていった結果、むしタイプは再び不遇の時代へと転落してしまっていた。

とはいえ他のタイプと比べて不遇というだけであり、もちろん強化されているところもいっぱいある。

……それでも他タイプが強化され過ぎていて、結局虫の息なことに変わりはなかったが……。


第7世代

逆境からの新勢力参入。


サン・ムーン』のストーリー上で大きなカギを握るウルトラビーストのうち、マッシブーンフェローチェの2匹がむしタイプに参入する。

マッシブーンは「イマイチ耐久に乏しい」というむしタイプのイメージを真っ向から否定するようなガチムチ仕様で、対照的にフェローチェはある意味むしタイプらしいと言えるような尖ったステータスを持つ。

ウルトラビーストの扱いは準伝説級なので、通常レート戦で使えるむしタイプの伝説ポケモンが初めて登場したとも言える世代。


また、UBを除く一般ポケモンとして、新たに4系統が登場。

オニシズクモアブリボンちゃん

中でも目を引くのは、アメタマ以来、そして最終進化形態で初めてのむし・みずの組み合わせであるグソクムシャオニシズクモの二体。

グソクムシャは典型的な耐久型の物理アタッカーで、新技であいがしらと専用特性「ききかいひ」によるトリッキーな動きも得意とする。

オニシズクモは専用特性「すいほう」を持ち、「みずタイプの技の威力が2倍、ほのお技半減、やけどにならない」という、メリットてんこ盛りのチート性能である。

この他脅威の「とくこう」種族値145を誇るでんき複合のクワガノン、高いすばやさでドラゴンタイプを上から叩けるフェアリー複合のアブリボンが登場。

どちらも序盤に出て来るポケモンだが、とても序盤に出て来るとは思えない強さを見せてくれる。


前世代から行われていた種族値修正は今世代も続き、アリアドス、アメモース、バルビート、イルミーゼ、イワパレスが強化を受けた。

特にアメモース「とくこう」「すばやさ」の2つが20も上がっている。

おかげでアゲハントがアメモースに種族値で完敗とより悲惨なことになるが……。


技の面では、登場したターンにしか使えないものの「しんそく」同様の優先度でありながら威力90という先制技トップクラスの威力を誇る「であいがしら」が登場。上記のグソクムシャの専用技だったが、『USUM』ではカモネギも覚えられるようになった。

相手に突撃し攻撃力を必ず下げる物理技とびかかる、攻撃技だが味方に使うと回復するという特殊な技かふんだんごも登場、さらにトリッキーな戦術を展開できるようになっていった。

また、それまで威力20ぽっちだったきゅうけつが、ここに来て威力80になるというとんでもない強化をされている。

ついでにこれまで「あなをほる」をだったはずの「わざマシン28」がこの技に変わるという謎の待遇まで受けている。


対戦環境では、メガボーマンダメガカイロスの「スカイスキン」、ファイアローの「はやてのつばさ」が弱体化したことでむしタイプが少しずつ息を吹き返すようになっていた。

しかし、ハッサムは「サイコフィールド」「じょおうのいげん」「ビビッドボディ」などの先制技を封じる手段の増加で相対的に弱体化を受けている。

特に得意なはずのフェアリータイプ相手に「バレットパンチ」が封じられるのはかなりの痛手。

しかし全体的に見れば、前環境よりも立場は大きく改善された。何よりファイアローの弱体化が大きい。


余談だが、『サン・ムーン』における悪の組織・スカル団ボスのグズマはむしタイプを中心としたパーティを使ってくる。

悪の組織のボスがタイプ統一パーティを使ってくるのは実にサカキ以来のことである。


第8世代

虫の息となるか、それとも逆境からの下剋上か。


イオルブモスノウ🔥マルヤクデ🐛

新規はエスパー複合のイオルブ、こおり複合のモスノウ、ほのお複合のマルヤクデの3系統。

イオルブとモスノウは両方とも唯一無二の固有タイプ複合である。

新要素のキョダイマックスはバタフリー、イオルブ、マルヤクデの3匹に与えられた。

むしタイプのダイマックス技「ダイワーム」は「とくこう」を下げる効果を持ち、「むしのていこう」の上位版となっている。


この世代では、前世代に登場した「かふんだんご」がわざレコードに収録され、花に関係するポケモンを中心に覚えられるようになった。

そしてこれがマックスレイドバトルと第2弾DLCで追加された「ダイマックスアドベンチャー」において、非常に使い勝手の良い技として見出されている。

相手のダイマックスポケモンに攻撃するのも勿論だが、味方に使うことで最大HPの1/2を回復できるため、攻撃役兼即時回復役としてこの技を覚えているアブリボンバタフリーが重宝されるようになった。


今世代は使えるポケモンが著しく制限され、DLCによって段階を経て増えていくという形式を採っているため、同世代内でも段階によってむしタイプの地位は絶妙に変化している。


剣盾初期

燃えさかれ!

新規勢の内イオルブマルヤクデキョダイマックス持ちだが、いずれもキョダイマックス技はむしタイプではなく複合タイプの方の技である。

モスノウ専用の隠れ特性「こおりのりんぷん」は「ファーコート」の特殊版にあたる特性で、タイプ不一致であれば4倍弱点でも耐えられることも。


むしタイプにはダイマックス技として「ダイワーム」が与えられたが、その効果が「相手のとくこうを1段階下げる」という何とも地味な効果。当然というか何と言うべきか、「とんぼがえり」以外のむし技の採用率は依然低いままであった。


既存勢は過去作のトップメタが軒並み不在だったためか非常に地味で、いまいち力不足感が否めなかった。

クワガノンアブリボンなど、前作からの実力者もいるっちゃいるのだが。

バタフリーのキョダイマックス技「キョダイコワク」は、相手全体に「どく」「まひ」「ねむり」のいずれかの状態異常を付与するという性能になっている。

テッカニンじたばたアクロバットを覚え、アタッカー性能が強化された。


しかし対戦環境を見てみると、強力な技が追加されたゴーストタイプが蔓延しており、さらにひこうタイプもダイジェットの強力さから数を増やしていた関係上、ただでさえ良くないむし技の通りはさらに悪くなっていた。

ひこう・はがねタイプを対策するためのほのお技やいわ技の採用も増えており、環境にむし技が効きづらい相手も多いことから、非常に厳しい立ち位置となっていた。

数少ない抜群が取れる相手のくさタイプエスパータイプも、ダイジェットの流行、ゴースト対策のあくタイプの増加により、特にシングルではほとんど見られなかったことも向かい風。ダブルでならまだ一定数見られたが、他のタイプでなんとかなるケースが多く出番が取られがちだった。


唯一目立っていたのがアイアントで、特性「はりきり」とダイマックスの相性が非常によい上にはがね複合でダイジェットを等倍で受けられることから、広い攻撃範囲も相まった高火力アタッカーとして初期の環境では大暴れしてした。


鎧の孤島

『鎧の孤島』ではストライク系統、カイロス、ヘラクロス、フシデ系統が現場復帰。

新技として「はいよるいちげき」が追加されたが、とくこうを下げる効果はともかく、なぜか威力が70、命中が90しかない。むしタイプ以外ではノコッチ、ミロカロス、トリトドンといった水や砂に潜むポケモンや、一部のあく・ゴーストが主に覚えられる。


過去作のトップメタ筆頭だったハッサムは「メガシンカ」「むしくい」を、ウルガモスは「あさのひざし」「めざめるパワー」を、更に両者とも「はねやすめ」を奪われてしまっており、以前ほどの活躍はできていない。

カイロスとヘラクロスメガシンカ没収によって第一線から退いた。

一方でペンドラーはバトン要員として相変わらず優秀で、地味に剣盾で使用できるポケモンでは唯一のどく・むし複合である。

「ダイジェット」の影響もあって依然として対戦環境での立ち位置は改善されていなかったが、それでもトップメタが復帰したことは大きなアドバンテージであり、多少なりとも勢いを取り戻した。


なお、シリーズ6で禁止となったポケモンは1体もいなかった。つまり、シングル・ダブルともに使用率でトップ10に入ったむしポケモンは一匹もいなかったということである。

喜んだらいいのやら悲しんだらいいのやら……。


冠の雪原

『冠の雪原』では化石ポケモンのアノプス系統、ウルトラビーストのマッシブーンとフェローチェが復帰。

対戦ではフェローチェが大暴れしており、「インファイト」に加えひこうタイプの弱点を突ける「トリプルアクセル」を手に入れて、シングルで八面六臂の活躍を見せている。ダブルでは「コーチング」「スピードスワップ」を活かしたサポートまでこなす。

マッシブーンも念願の「インファイト」を習得できるようになり、火力と汎用性が大きく上昇した。


ランクバトルの「竜王戦ルール」では禁止級ポケモンが1匹だけ使用可能になった。……が、むしタイプで該当するのは幻枠のゲノセクトのみで、実質禁止級は不在である(現在禁止級が(実質)不在のタイプはノーマル・くさ・むし・いわの4タイプのみ)。

代わりにトップメタのザシアン対策として、ヌケニンが多く使われるようになった。あつぞこブーツの追加も大きい。


DLC解禁を通じてドラパルトなど一部ゴーストタイプの勢いは弱まったものの、逆にひこうタイプが勢いづいて躍進し、結果としてむしタイプの地位は大して変わっていない。

フェローチェが何とかシングル環境に食らいつけているのが、せめてもの救いと言えるか。


環境の外では、むしタイプ界隈には無視できない快挙が起きていた。

モスノウの進化前ユキハミである。

2020年の「Pokemon Day」より投票企画『ポケモン・オブ・ザ・イヤー』において、新規勢でありながらまさかの総合票数30位を記録したのである。これを契機にむしタイプへの関心が募るかどうか、注目すべきものはあるだろう。


全体的に見てみると、「ダイジェットの流行」「ゴーストタイプの増加」「エースバーンザシアンサンダーなどむしタイプに有利なポケモンの増加」などもろもろの理由が重なった結果、不遇となった時期が最も多く、最底辺に近いタイプであることは否めないだろう。

それでもを見せているポケモンも存在しており、他タイプと同じく世代を重ねるにつれて強化されているのは勿論である。これからのむしタイプがどうなるか、決して油断できない。






BDSP

パワーアップした第4世代フェアリータイプ参戦後の世界で・・・。





第9世代

ダイマックス環境から一新された環境ではひこう・いわタイプの隆盛も落ち着いたため、以前よりは動かしやすくなった。


新規は序盤虫ポジションのワナイダー、あく複合のエクスレッグ、エスパー複合のベラカスの3系統と、パラドックスポケモンのチヲハウハネの4種類。

新技はむしタイプ版がんせきふうじの「とびつく」と、ワナイダー専用のまもる系列の「スレッドトラップ」と少なめ。


SV初期

ワナイダーは先述のスレッドトラップをはじめ補助技を豊富に揃えるが、いかんせん種族値の低さが際立つ。


ベラカスはエスパーとの複合タイプで弱点が多いが、特攻と特防に優れ、補助技を中心として多彩な技を扱えるうえに味方を蘇生できる希少な「さいきのいのり」を使えるという強い個性を持つ。


エクスレッグはむし技との相性補完がよいあくタイプとの複合がそこそこ優秀で、多くの相手をカバーできる技を覚えていけるのが利点。効果がいまひとつの相手にもいろめがねで強引にダメージを与えることができ、相手のテラスタルを考慮しない場合、であいがしらでサザンドラやマスカーニャを上から確定1発にできるという独自の立場を築き上げている。


しかし環境に目をやると、ゲンガーラウドボーンコノヨザルなどのゴーストタイプの蔓延など、前作初期と似たような構図が作られている。

更に、既存勢は前作に続き過去作のトップメタが軒並み不在だったためかまたしても非常に地味。新規むしポケモンの数の少なさ・不甲斐なさを含め、前作よりも増して厳しい立場といえる。

前作との相違点としては、ひこうタイプがダイジェットを失った影響でそこまで多くないこと。ただ、環境にはひこうタイプのカイリューとはがね・ゴーストタイプのサーフゴーがはびこっており、攻撃を半減されるタイプが多いというむしタイプの弱点が露骨に出る形になってしまっている。

優遇されているあくタイプに対して優位に出られるので、活路を見出すならそこになる。

くさ・あくタイプのマスカーニャには有利に出られる……かと思いきや、高いすばやさで上からタイプを変えられてしまうので実際はそうでもない。はがね複合のドドゲザンあたりも厳しい。

テラスタルされることも多いが、敢えて挙げるならサザンドラ四災あたりが狙い目か。


テラスタイプとしてはやはり攻撃面の貧弱さから不人気だが、耐性は悪くなくひこうタイプと異なりフィールドの恩恵を受けられるためじめん弱点持ちが主にテラス先に選ばれることがある。特に相性を覆し、ミサイルばりを覚えられるテツノイバラはむしテラスが多い。


むし不遇の環境の中で2匹だけ輝いているのが、ウルガモスハッサム

前者はフェアリータイプにテラスタルすることで環境に多いドラゴンポケモンに優位に立てたりなど、強力な積み技のちょうのまいを活かした積みアタッカーとして一定の地位を築いている。ほのお複合なので、前述のサーフゴーやドドゲザンなどのはがねタイプ、ドラゴン対策のこおりテラスタイプのポケモンなどに有利なのも大きい。

後者ははがねテラスタルで強化された「バレットパンチ」が強力で、相変わらず優秀な耐性で多くのポケモンを相手にできる。こうげきに特化させてこだわりハチマキを巻けば、体力に少し振った程度のマスカーニャならテラスタル+テクニシャンで強化されたバレットパンチで確定1発に仕留め、弱点を突ける相手であれば耐久自慢のセグレイブであろうと確定1発で屠ってしまう。環境にほのおタイプが少ない点も大きな追い風になっている。


また、パラドックスポケモンが使えるようになったシーズン3からは、むし・かくとうタイプのチヲハウハネが環境に参戦。インファイトじしんフレアドライブといった高火力・広範囲な技の組み合わせが自慢で、であいがしらで先制技も揃っていると隙がない技レパートリーの強力なポケモン。ちょうのまいを覚えない点でウルガモスとの差別化がなされており、替わりに「ビルドアップ」を覚えることもあって、チヲハウハネはウルガモスをさらに脳筋にしたようなかくとうタイプらしい型が主流のようである。

余談だがウルガモスのもう一体のパラドックスポケモンであるテツノドクガは、名前に反しむしタイプを持っていない。残念。


災厄ポケモンが解禁されたシーズン5ではあくタイプに対して抜群を取れるであいがしらを搭載したチヲハウハネの使用率がまぁまぁ上昇。であいがしらの搭載率自体も上がっている。


シリーズ4での目ぼしい解禁ポケモンはバサギリ。こちらは独特のスペックを買われてシーズン8にそこそこ使われたきり環境から消えたが。


碧の仮面

碧の仮面の配信に伴い、クワガノンが解禁。テラスタルと相性の良い特性「ふゆう」と特殊超火力を活かしてそこそこ活躍。逆に言えばこのシリーズ5の解禁組でクワガノン以外の有望なむし枠がいないのが悩ましいところ。


藍の円盤

藍の円盤の配信に伴い、オニシズクモが解禁。テラスタルと相性の良い特性「すいほう」によるみず超火力を活かして一定数使われるに至った。逆に言えば藍の円盤の解禁組でオニシズクモ以外の有望なむし枠は皆無といって良い。


使用率ベスト30で言うとシングルではハッサムが孤軍奮闘している状況。


むしテラスタル

ポケモンSVで登場したテラスタルタイプの一つ。

むしタイプのポケモンは種族値が低い関係上使われる機会も少ないが、テラスタル自体はそこそこの使用率がある。

地面や格闘を半減できるため、ヒードランテツノイバラなどはタイプ補完的に良く使われる。悪にも対抗できるのが評価点。

他にはであいがしらなどのタイプ一致の火力を上げるために使われることもあり、特にふくがんと相まってエクスレッグとの相性は抜群。


外伝作品

ポケモンGO

現状、ほとんどの面において不遇なタイプの一つ。


ジムバトル・レイドバトルにおいては、「むしのさざめき」等一部を除いてむしタイプのゲージ技が総じて弱いのが大きな問題であり、ラインナップは他のタイプに比べて大きく遅れを取っている。

そのため、むしタイプで弱点を突くくらいなら他のタイプの技を使ってしまった方が早く終わるため、出番はせいぜいむしタイプの二重弱点を抱えているポケモン(ナッシーダーテングフーパ等)の相手をする程度に限られる。

トレーナーバトルでは技の性能が全く違うため多少はマシな戦いができるが、こちらは技の性能よりも紙耐久やタイプ相性が問題となりがちであり、ここでもあまり目立った活躍はできていない。


捕獲面でもプレイヤーの苛立ちを誘い、不快感を与えるポケモンが少なくない。

遠い・動き回る・低捕獲率と面倒な点の多いヤンヤンマ、かつてイベント期間と雨天が重なるごとに大量発生していたバルビート、CPに対しての捕獲率が異様に低い上に個体数の少ない♀でなければ進化させられない等育成面でも問題が多いミツハニーなどが挙げられる。


一応、レア度が低いポケモンが多いため、たくさんゲットしやすい・アメを集めやすい点は評価できる。

特にカイロスはサービス開始当初からしばらくの間は、①雨天に出現しやすく、②技がなかなか強力で、③進化でアメを消費しないため強化もやりやすく、初期の戦力としてはうってつけとして評価が高かった(現在はポケモンの全体的な種数が増加したことや季節制が導入されたこともあって出現率は大幅に引き下げられている)。

ミュウツーレイドの要員が足らないのでシザークロスを覚えたカイロスを入れていたというプレイヤーも多かったことだろう。


そんなわけで現在は不遇であるが、上記のカイロスをはじめ、ハッサム、ヘラクロスメガヤンマゲノセクトクワガノン、ウルガモスのようにステータス自体は優秀な種もいるため、技の追加・仕様変更等のテコ入れ次第で輝く可能性は十分ある。今後に期待しよう。


むしタイプポケモンの主な使い手

若者の比率が多く、現在の所、中年や老人で主なむしタイプの使い手は存在しない(イッシュ地方のチャンピオンであるアデクは比較的むしタイプポケモン使い寄りではあるが)。

男性の比率が高く、女性の使い手は第8世代まではビオラだけであった。

むしタイプの弱点の多さからか、使い手は、物語の序盤辺りで立ち寄るジムリーダーが多い。

緑色の髪や服を着用している人物が多い。また、むしとりしょうねんなど、虫ポケモンが好きであったり、虫ポケモンが好きなことを誇りに思っている人物が多い。


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