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あくタイプ

あくたいぷ

あくタイプ(Dark Type)とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するタイプの一種。
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【注意】

ポケモンは沢山のキャラクターが登場するゲームですが、一部においてポケモンに対する扱いや能力、対戦での使用率を主観的、かつ過度になじる編集者が散見されます。


キャラ設定は今後のシリーズで変わること、対戦環境は変化を繰り返すこと、本サイトの性質上記事の内容もあくまで個々人の見解に過ぎない旨を理解し、全てを鵜呑みにしないようご注意下さい。


概要

ポケモンは種族ごとに1、2種類のタイプが、技には1種類のタイプが必ず付加されている。

そのタイプの相性でバトルの有利不利が決定される要素の一つ。


あくタイプは、『ポケットモンスター金・銀』(第2世代)で登場したタイプの一つ。日本語の五十音順的にも英語にもはがねタイプよりも先に来るので、16番目のタイプと考えてよさそう。


その登場時期とタイプ相性から、プレイヤーには「前作まで猛威を振るっていたエスパータイプに対抗できる存在」という役割を持たされていると捉えられることが多い。

また、あくにとっての弱点であるかくとうタイプむしタイプは第1世代で不遇をかこっていたため、これらのタイプにとって「あくタイプの抑え役として活躍できる」という形の救済役にもなっている。

これはやはりエスパーに堅く、不遇だったほのおタイプに弱いはがねタイプのポジションと類似している。

当時はあくタイプの性能が抑えられていたため、対エスパーの抑止力として働く場面はさほど多くなかったが、現在はサイコフィールドワイドフォースアシストパワーといった策で火力を強化し攻めてくるエスパータイプを迎え撃つ目の上のたん瘤とも言える存在としてカウンター役を立派に果たせるようになった。


ポケモンカードゲームやポケモンGoでは三日月のアイコンだが、「口が裂けたように笑う悪魔の顔」と解釈するプレイヤーもいる。テラスタルでは、本当にステンドグラス状のワルそうな笑顔が冠となって出現し、トゲトゲした見た目から、ポケモンの頭上に悪だくみのフキダシが出ているようにも見える。

あくタイプポケモンのほとんどが眼光鋭くいかにもワルそうな見てくれをしていて、体色もを象徴的に含むものが多くを占めるので、それをわかりやすく示した良いアイコンと言える。


ポケモンのほとんどが「属性」や「種族」でタイプを分けられている中、あくタイプは珍しく「概念」による位置づけとなっている。

実装された第2世代では、バンギラス以外の全員が体色が、名前が「ブラック」「闇」「デビル」「ヘル」を含むなど闇属性以外の何物でもなく、英語版で"Dark type"と呼ばれるのが納得の状況だったが、続く第3世代と第4世代でサメハダーシザリガードンカラスなどアウトローを思わせるあくタイプが多く導入され、単なる闇属性とも言い切れない様相を呈す。

そして更に数世代を経た現在、あくタイプは「闇属性」「アウトロー」「その他日陰者やダークヒーロー的存在」のだいたい3つのパターンが混在する状況となった。

おおまかなデザインの傾向としては、特攻や特防が伸びやすい魔力っぽいタイプが闇属性、攻撃や防御が伸びやすい暴力的…ならぬ物理タイプが無頼者系のデザインになりやすく、技の名前で見ても特殊技にあくのはどうナイトバーストと闇属性系のもの、物理技にふいうちつじぎりだましうちとアウトロー的性質のものが属すことが多い。

「その他日陰者やダークヒーロー的存在」は別のタイプとの複合であることが多いが(キリキザンゲッコウガガオガエン等)、アブソルは例外的に「抑止力という概念」がモチーフだから複合でないという説がある。


「悪」という直球なイメージもあってか、悪の組織のメンバーが使うポケモンはあくタイプやあくタイプ技を持っている事が多く、どくタイプを狙ってエスパータイプを出すと手痛い反撃を受けることも。そんな悪の組織の下っ端や幹部たちが事実上のあくタイプ使いを担ってきたことや、第2~6世代の間あくタイプの四天王が出ずっぱりだった(第4・6世代はリメイクで登場)こともあってか、第8世代に至るまであくタイプ使いのジムリーダーは存在しなかった

剣盾ネズが登場したことにより、あくタイプの登場から7世代(実に20年)の時を経てこの記録は崩れている。

なお、タイプエキスパートの性質としてはゴーストタイプ使いが闇属性系になりがちだからなのか、アウトローやダークヒーローの方向性のキャラになりやすい。


第3世代までは特殊技扱いだったにもかかわらず、殆どが接触技で第4世代でそれまでの技は全て物理技に変更されており、現在でも特殊技より物理技の方が多い。

パラメーター的には攻め重視の傾向が強く、攻撃また特攻の高い種族が多い。

あくタイプのわざは半減されにくく通りが良いことからも、安定した攻撃性能を発揮しやすい。

もちろんエスパータイプ無効を活かした抑止力としての活躍も期待できる。

フェアリーを弱点に持つ点はつらいものの、同じく通りの良いゴーストタイプに耐性を持つ数少ないタイプの1つでもあり、補完としてパーティに組み込みやすい。


一方で、大体のタイプにある威力100を超える汎用性の大技には恵まれておらず汎用的なあくタイプの攻撃技は最高威力が80止まりという難点も抱えている。

一見最高威力に見える「イカサマ」も相手の攻撃力を使ってダメージを与えるものであり、自身の攻撃力は活かせない。

また「はたきおとす」や「しっぺがえし」、「おいうち」のように条件によって威力が変動するわざも多く、強力だが使いこなすにはプレイヤーの読みスキルが強く求められる。

あくタイプを象徴する高威力先制技の「ふいうち」などはその最たる例で、相手の攻撃技に合わせなければ技そのものが失敗してしまう。


エスパータイプやゴーストタイプに有利なのは冒険においても都合がよい。

パーティに入れて連れ歩いていると、上記2タイプが厄介な補助技を使ってくる前に倒すなどして戦闘で楽ができる。

威力が低めな事の対価なのか、あくタイプの技は殆どが命中率100、最も命中率が低い攻撃技である「ひけん・ちえなみ」でも命中率90であり、技を外す事が滅多に無い。この為、ストーリー中でも連打しやすい技なのが嬉しいところ。


第5世代以降では序盤で比較的楽に見つかるため、捕獲する労力も考えなくてよい。

ただし、火力が低めだったり特性によって戦闘スタイルがガラッと変わったり使いどころを考える必要のある特性だったりと癖の強いポケモンが少なくないため、技構成や特性はきちんと確認しておこう。


またポケモンSVにて全タイプの複合が実装されたタイプの一つとなった。


漢字では「悪」と表記されることが多い。


あくタイプのポケモン一覧

伝説のポケモン幻のポケモン太字で記載。


第2世代


第3世代


第4世代


第5世代


第6世代

No.初期No.中間No.最終
658ゲッコウガ
675ゴロンダ--
686マーイーカ687カラマネロ--
717イベルタル----

第7世代

No.初期No.中間No.最終
727ガオガエン
799アクジキング- ---

第8世代

※1:リージョンフォーム専用の進化。


第9世代


メガシンカポケモン

※2:ひこうタイプからあくタイプに変化する。


リージョンフォーム

ポケモンタイプ(変化前)タイプ(変化後)
アローラコラッタノーマルあくノーマル
アローララッタノーマルあく・ノーマル
アローラニャースノーマルあく
アローラペルシアンノーマルあく
アローラベトベターどくどくあく
アローラベトベトンどくどく・あく
ガラルジグザグマノーマルあく・ノーマル
ガラルマッスグマノーマルあく・ノーマル
ガラルファイヤーほのお・ひこうあくひこう
ヒスイハリーセンみず・どくあく・どく
ヒスイダイケンキみずみずあく

フォルムチェンジ

No.ポケモンフォルムチェンジ
493アルセウスこわもてプレート
658ゲッコウガサトシゲッコウガ
720フーパときはなたれしフーパ
773シルヴァディダークメモリ

タイプ相性と特性

タイプ相性

攻撃側タイプ
抜群(2倍)エスパー、ゴースト
今ひとつ(0.5倍)かくとう、あく、フェアリー
効果なし(無効)-
防御側タイプ
抜群(2倍)むし、かくとう、フェアリー
今ひとつ(0.5倍)ゴースト、あく
効果なし(無効)エスパー

タイプ特性

  • 特性いたずらごころによって先制化した技を受けない。
  • 「ねらいのまと」を持つか、ミラクルアイ状態になると、エスパータイプの技が当たるようになる。

余談

あくタイプに抜群の効果を出せるのは「かくとう」「むし」「フェアリー」、逆にあくが弱点を突けるのは「エスパー」「ゴースト」となっている。

他の各種タイプ相性と同様に、「なぜ弱点になるのか」という公式な解説は出ていない。

火と水のように解りやすい相関ならともかく、「悪」は無形の概念であるため、なおさら相性の解釈が難しいタイプだが、技の傾向などから「正義の味方を連想させる」ようなタイプに弱いといったイメージがあるようだ。

  • かくとうタイプに弱い
    • 格闘技護身術に通じるものである。
    • イタズラ小僧にゴツンとやる「鉄拳制裁」、ヒーローによる正義の鉄拳怪人を倒す必殺キックなど、力を込めた一撃には悪を成敗するイメージがある。
    • せいなるつるぎ」は「聖なる」と言いつつかくとうタイプであったり、かくとうタイプが特性「せいぎのこころ」を持っている事が多いのも根拠とされる。
    • 格闘が悪だくみをパワーで打ち負かし、超常の異能を使うエスパーが力押しを翻弄し、悪知恵の働く悪はエスパーの裏をかいて始末する、という三竦みが成り立っている。
  • むしタイプに弱い
    • ネット上では「昆虫モチーフの某ヒーローが由来ではないか?」という説が根強い。ポケモンが特撮作品から多分に影響を受けている所もこの説の補強とされる。その割には某ヒーローによく似たこのポケモンはあくタイプ複合だったりするが…。
    • ポケモンガチ勢として知られるヒャダイン氏は「悪人はむしろ虫を踏み潰しにいくのではないか?」と懐疑的な立場を取っていたが、この説を知った時、かなり納得していた模様(参考)。
  • フェアリータイプに弱い
    • 公式からの声明は『ポケットモンスター X・Y公式ガイドブック 完全ストーリー攻略ガイド』掲載のスペシャルインタビューで本作ディレクター兼ゲームフリーク開発本部長(当時)の増田順一は、フェアリータイプを追加した上で対戦全体のバランス調整とやり込み具合を徹底的に練り込んだのは、上級者に対する配慮であると説明している。ドラゴンタイプと同様、タイプ相関理由は主に開発側の都合による所が強いようだ
  • エスパータイプに強い
    • 具体的な理由は今のところ不明。
    • かくとう、エスパー、あくが三竦みなのは前述の通りだが、プレイヤーの間でも様々な説が見られる。
    • ドラゴンタイプに対してフェアリータイプが登場したように、「弱点の少なかったエスパータイプへの対抗手段として登場させた」というゲームバランスの都合とする説。
    • エスパーの技でもよく見る『サイコ』という単語はギリシャ語で『精神』や『魂』を意味するため、弱点は虫やお化けなど嫌悪や恐怖の対象=心にネガティブな影響を与える物が設定されているのではないかという説。
    • 悪意や嫌がらせで読心術や精神統一を妨害するとか、欲望で心を惑わすサキュバスマーラ様のような悪魔のイメージとする説。
    • 夢を食べると言われる獏のようなポケモンであれば、「悪夢を食べてしまう」という点で有利が取れそうな気もするが、あくタイプは無効化してしまう。悪人は夢など見ないか、悪人の見る夢など美味しくないという事だろうか…?

  • ゴーストタイプに強い
    • 本物が居る心霊スポットを荒らしたチンピラや悪人が酷い目にあうパターンは多いが…
    • 逆に「肝の据わった悪党」「祟りを恐れない墓荒らし」「悪魔や悪霊の裏をかくトリックスター」といったイメージなのかもしれない。

  • あくタイプどうしは効きが悪い
    • あく同士が攻撃すると効果が今一つになるが、やはり公式な説明はない。悪党は悪党同士、お互いに手の内を知っているため、悪知恵やトリックがぶつかって膠着状態…といった感じだろうか?

  • 第5世代までははがねタイプに半減されたが、これは単純に「防御に優れたはがねタイプが多くの相手に対して守りが堅い」というイメージからだと思われる。

世代ごとの特徴

第2世代

猛威を振るったエスパータイプに対する対抗策として、はがねタイプと共に新たなタイプとして追加された。

ブラッキー

追加されたポケモンはイーブイの新たな進化形で、高い耐久力を誇るブラッキーが代表的。

こちらはブイズの優等生として長きにわたって活躍した。

ヘルガーの だいもんじ!ヤタちゃんと雨。ニューラ

他にも当時は数少ない「ソーラービーム」を覚えるほのお複合のヘルガー、豊富な補助技を覚えるヤミカラス、速攻アタッカー的なステータスを持つニューラ、そして所謂600族の一員として人気のバンギラスの5系統。


最新世代現在においては優秀なポケモンが多い……のだが、困ったことに当時のあくタイプの技は全て特殊依存だった

それゆえにとくこうの高いヘルガー以外はあくタイプわざを十分に生かすことが出来なかった。

特にとくこうが悲しいほど低いニューラは……。

バンギラス

また、全体的なステータスが高いバンギラスも、かくとうタイプのわざを4倍で受けてしまうという致命的な弱点を抱えており、おまけにレベル55進化が災いし使用率は高くなかった。

……が、本格的に猛威を振るうのはもう少し先の話。


第3世代

ヤミラミならずものポケモン

RSE』発売以前から公開されていたサメハダーや高い人気を誇るヤミラミをはじめ、第3世代では数多くのあくタイプが追加された。

しかし、当時もまだあくタイプのわざは特殊技扱いであり、なおかつ第3世代で追加されたあくタイプは全員「攻撃≧特攻」という有様。

しかも攻撃技がほとんど増えていない上にタイプ一致あく技すらまともに覚えない種族もざらにいた。

例えば『RS』当初のシザリガーはあくタイプの攻撃技が威力20の「はたきおとす」のみだった。

そのため普通のポケモンはおろか弱点であるエスパータイプ、ゴーストタイプもろくに倒せなかった。


一方で変化技は大幅に追加され、相手のへんか技を封じる「ちょうはつ」・相手の特防を2段階下げる「うそなき」・自分が瀕死になる代わりに相手の攻撃・特攻を2段階下げる「おきみやげ」などがある。

追加された数少ない攻撃技「はたきおとす」も、威力が恐ろしく低い反面「相手の持ち物を無効化する」という効果を持つため、変化技のような扱いを受けた。

現在のあくタイプの『相手の行動を読んでこそ真価を発揮する』という路線はこの頃から始まっていたのかもしれない。


対戦環境に目を向けると、正直目立った活躍ができていなかったが、唯一ヘルガーはまともに活躍していた。

またバンギラスすなおこしを手に入れたことで、解禁されているルールであれば活躍したが、公式大会がレベル50打ち止めになったため出禁となってしまった。


第4世代

ドラドラスカタンクは なでてほしそうに こちらを みているミカルゲ

新規勢は弱点が一つしかないドラピオンスカタンク、弱点が一切ない耐久型のミカルゲが追加。

マニュマニュドンカラス描いてみた

他には既存勢のニューラとヤミカラスがまさかの進化を果たし、高い攻撃力・素早さでドラゴンタイプに強いマニューラ、最大威力のふいうちが使えるようになったドンカラスが追加された。

ダークライ

そして恐怖の「ダークホール」を持つ幻のポケモンダークライと、豪華なラインナップである。


そして、あくタイプが本領を発揮するようになったのはこの世代からである。

まず、技ごとに物理と特殊に分けられるようになった影響で、既存のあくタイプの攻撃技が全て物理化した。

これにより、これまで活かされることの無かった高い攻撃力を生かせるようになった。

特殊アタッカーとして活躍していたあくタイプにも「かみくだく」と同じ威力のあくのはどうが追加され、むしろ強化された。

さらに、『相手が攻撃技を選択していれば先制攻撃ができる』という先制技ふいうちが追加され、「逃げればおいうち、攻めればふいうち」という二択を相手に迫ることができるようになった。


また、バンギラスがフラットルールが採用されたことで出番が増え、天候「すなあらし」の仕様変更で登場しただけでいわタイプ(自身含む)の特防が1.5倍という攻防共に隙が少ない要塞に化けた。

苦手なかくとうタイプも「ヨプのみ」で1回はあしらえる。


しかし、あくタイプの恒常火力は最大80止まりという部分は一切改善されなかった。

せっかく高い攻撃力を生かせるようになったと思えば、今度はそもそも火力が足りていないという厳しい現実を突きつけられることに。


第5世代

🍁ズルズキン

新規勢はあくタイプの技で初めて威力80超えを達成した専用技「ナイトバースト」(威力85)を引っ提げたゾロアークが登場。

特性イリュージョン一番後ろのポケモンになりきって出てくるという、まさにあくタイプらしい心理戦を得意とする。

新たな600族として追加されたサザンドラは、高い特攻と多くの耐性を合わせ持ち、強力な特殊アタッカーとして人気となった。

かくとうタイプとの複合であり、あくタイプにしては珍しい耐久型のステータスを持つズルズキンは「ビルドアップ」「りゅうのまい」などの優秀な積み技を持ち、自身のタイプの技でほとんどの相手に有効打を与えることが出来る。

他にはこの世代で初登場した隠れ特性「いたずらごころ」による先制「ねこのて」による害悪コンボが話題となったレパルダス、「はねやすめ」による耐久戦法を得意とするひこう複合のバルジーナ、初のじめん複合であるワルビアル、第2世代で追加されたはがねタイプとの初の複合タイプであるキリキザンも登場している。


エスパー、ゴースト共に多彩かつ耐久の高いポケモンが次々追加される中、弱点であるはずのあくタイプの火力不足は改善されなかった。

威力95を誇る技「イカサマ」が追加されたが、相手の攻撃力でダメージを計算する技であったため、自分の攻撃を活かせない。

「いばる」とのコンボをかますこともできなくはないが、技スペースを1つ潰すことになる(耐久型のポケモンであれば自分の攻撃の低さを補えるため、十分なダメージソースとなるのだが)。

相手の行動を呼んで戦うのは変わらないが、その常識に当てはまらない強力なポケモンも増えたのも向かい風。

その一方で、「せいぎのこころ」というあく技を受けると攻撃が上がる特性の追加、強力なむしタイプの増加等といった逆風もあり、特にむしタイプはエスパーとあくを諸共刈り取ってしまうため非常に厄介な存在として立ちはだかった。


第6世代

新規勢では御三家で初めてあくタイプとなったゲッコウガ、かくとう複合のゴロンダ、エスパー複合のカラマネロ、あくタイプでは実質初の禁止級で『Y』のパッケージポケモンであるひこう複合のイベルタルがそれぞれ追加された。

メガシンカも(メガシンカによってタイプが変わるものも含めて)6種族おり、全体的には強化の方が大きい。


ゲッコウガYEEEEE!!

ゲッコウガは、隠れ特性へんげんじざいで様々な技を使いこなしバトルで大活躍。

スマブラ出演やサトシゲッコウガなどメディアミックスの力も後押しして、総選挙で1位に輝いた。

メガバンギラス

バンギラスも弱点が増え永続天候が終わり、更にサブウェポンの威力が下げられたが、元々持つ性能に変わりはない他、メガシンカも獲得したため、広く活躍した。

シングルでは「はたきおとす」があちこちで使われた他、サザンドラ弱点補完ができる相方と技の通りを買われて復権し、ダブルではキリキザンいかく」やフェアリータイプに強いあくタイプかつ強力な「ふいうち」持ちとして大活躍を見せた。


今世代ではタイプ相性が見直され、攻撃相性ではフェアリー半減を追加、はがね半減を削除、防御相性ではフェアリー弱点を追加された。

フェアリータイプに弱点を一方的に突かれるのは大きな痛手で、特にサザンドラやズルズキンは突如4倍弱点を抱えることになった。

しかもただでさえ弱点の多いノクタスダーテング・バンギラス弱点の数が全ポケモン中最多(7属性)になってしまった。

ただしフェアリーはかくとうタイプにも強いため、あくタイプが苦手とするかくとうタイプをフェアリーが抑止してくれる側面もあり、悪いことばかりではない。


一方ではがねタイプに等倍で「おいうち」や「ふいうち」を通せるようになったのは嬉しい仕様変更であり、対策に無理してほのおかくとうなどを入れる必要性が薄まった。

威力90以上の主力技が殆ど無いあくタイプにとっては大きな追い風である。

また、「どろぼう」・「ダメおし」が威力60に、「はたきおとす」が威力65に強化。

特に「はたきおとす」は相手が道具を持っていると威力が1.5倍になるという強力な性能となった。


第7世代

にじゅうまるのポーズ

今回の完全新規ポケモンは炎御三家のガオガエンとウルトラビーストのアクジキングのみ。

そのほかリージョンフォームラッタベトベトンペルシアンがあくタイプとなった。


この世代からあくタイプにボルトロスクレッフィで有名ないたずらごころ」を介した補助技を無効化できる仕様が追加された。

懸案の火力不足もZ技ブラックホールイクリプスで一度だけ超火力を放てるようになり、少し改善された。

新技では先のガオガエン専用技「DDラリアット」や『USUM』で汎用化した音技封じの効果を持つ「じごくづき」などが登場している。


……しかし、あくタイプはこの第7世代、環境からの数々の逆風に晒されてしまう

まず「ふいうち」が威力80→70に低下

その上、先制技を封じる特性で止められるようになってしまう。

こうなった原因はもちろん前世代の頂点だったあの親子あの大顎のせい

火力の高い技が少ないあくタイプ側からすれば完全にとばっちりである。

次に、「ダークホール」が何と命中率50に下降かつワイドガード」の適用範囲に入ってしまったことでダークライが大幅に弱体化。

こちらはドーブルの轍を踏まされた形になったものの、幻枠故に通常のレーティングバトルでは使用できない。

そもそもドーブルが使っても失敗するようになった時点で十分な弱体化なのだから、命中率低下や「ワイドガード」適用はやりすぎとも言える。

そしてミミッキュカプ神を始めとしたフェアリータイプが前作以上に暴れ始めたこと。


その影響はかなり大きく、シングルではゲッコウガとメガギャラドスとバンギラスを除くあくタイプが使用率30位以内から消滅するという事態に陥った。

しかもゲッコウガは基本的にあくとしての役割が期待されておらず、ギャラドスもみずタイプとしての側面が強いため、あくタイプの覇道を突き進んでいるのは実質バンギラスのみとなった。

そのバンギラスも活躍できていたのは、いわタイプがすなあらし下で「とくぼう」が1.5倍になるという仕様があってこそである……。


一方ダブルバトルに目を向けると、相方でフォローが利くのかこちらは存外生き残っており、バンギラスはもちろん、どく複合でフェアリーを等倍に抑え込めるアローラベトベトンが耐久の高さと優秀な技や特性を買われて活躍を始めた。

ガオガエン

更に新登場のガオガエンは耐久が高く技もダブル向きのものを多く揃え、サーナイトのメガシンカ解禁後は同ポケモンとのコンビ(通称「サナガエン」)が見出され、加えて『USUM』で隠れ特性「いかく」が解禁されたことで何と使用率第1位にまで躍進した。

ワルビアルも耐性と「いかく」が評価され少しずつ活躍の場を増やしており、どちらも公式大会優勝メンバーの一員になった。

一方で前作で大活躍したキリキザンは「ふいうち」の弱体化で大きく需要を落としたが、「いかく」ガオガエンが現れてからは一度落ちた需要を取り戻した。


第8世代

前作の完全新規のポケモンよりも多く、今回登場したのはクスネ系統、電気袋枠のモルペコ、フェアリー複合のベロバー系統の3系統6種。

リージョンフォームではジグザグマ系統にあくタイプが追加され、その進化系でもあるタチフサグマが登場。

さらにくさ複合の幻のポケモンであるザルードが登場した。

また、DLCで追加されたウーラオスの「いちげきのかた」とガラルのすがたで復活した三鳥の1匹ガラルファイヤーもあくタイプを持っている。

キョダイマックスはオーロンゲとウーラオスが持つ。


技的にはダイマックス技「ダイアーク」によって火力不足を解消させることができるようになったはいいが、何故か追加効果が「とくぼう」低下になっている。

ゴーストタイプは逆に「ぼうぎょ」低下なので、昔あくタイプがとくしゅ(ゴーストはこうげき)だった頃の名残なのだろうか?

単体で生かすのであればとくこうが高いサザンドラ等が挙げられるだろう。

ダブルバトルでは相手2匹の「とくぼう」を下げるため、隣に特殊アタッカーを並べると有効に活用できる。

この場合なるべく隣より先に動く必要があるため、「おいかぜ」等によるサポートは必須となる。

また、前世代でガオガエンの専用技だった「DDラリアット」が技レコード化し、オーロンゲなどに配られることになった。

しかし「はたきおとす」が過去作限定となったポケモンも多く、タイプ一致の使い手がごっそり削られたのは痛い。


今世代は使えるポケモンが著しく制限され、段階を経て使用可能なポケモンが増えていくという形式を採っているため、同世代内でも段階によってあくタイプの地位は微妙に変化している。


剣盾初期

オーロンゲ

新鋭では、ライバルの切り札であるオーロンゲドラパルトへの相性の有利さを買われて一定数対戦に顔を出している。

特性「いたずらごころ」による起点づくりだけでなく、アタッカー役も運用可能な器用さを持つ。

専用キョダイマックス技の「キョダイスイマ」は攻撃した相手を確率で次ターン終了時に眠らせてしまう。

モルペコはここ最近恒例になりつつあるフォルムチェンジ特性枠でもあり、毎ターンフォルムが変わることで専用技「オーラぐるま」のタイプがでんきとあくに切り替わる。

この技で素早さを上げながら戦うのが得意。

タチフサグマは防御低下版の「キングシールド」といった性能を持つ専用技「ブロッキング」を持つ。

原種とは違い「はらだいこ」と「しんそく」を残念ながら覚えないが、「すてみ」を筆頭に攻撃的な特性も多い。


既存勢ではバンギラスが「じゃくてんほけん」型の流行でシングル・ダブル共に使用率を伸ばした。

ブラッキーはどくどくを失ったものの、耐久型としての安定感は健在。

ダーテングは「ねっぷう」を習得し、晴れパとしての適性がさらに高まっている。

サザンドラもシングルで格段に動きやすさを増し、トップメタの一角としてだいぶ活躍した。

レパルダスは「ねこのて」削除が痛いが、新たに「バトンタッチ」を習得している。


初期環境では前の世代で猛威を振るっていた天敵であるフェアリータイプのトップメタがミミッキュを除き不在、メガシンカ廃止でルカリオが弱体化(バシャーモに至っては不在)、ひこうタイプの躍進でかくとうタイプも減った他、環境ではゴーストタイプが急増したことで、以前に比べてだいぶ動きやすい状態となっていた。


鎧の孤島

「鎧の孤島」ではキバニア系統、メグロコ系統、ゾロア系統が復帰。

先んじてポケモンHOMEが解禁された2月にはガオガエンが復帰した。

新たな教え技「うっぷんばらし」は、相手に能力を下げられるとそのターンに威力が2倍になるというかなり特殊な効果を持つ。

元威力が75と高く比較的使いやすく、特性「いかく」持ちへの交代に対するカウンターとしても有用。

惜しむらくはPPが5しかないことか。


いちげきひっさつ!

新たに追加されたウーラオスの「いちげきのかた」に関しては、接触攻撃が「まもる」を貫通できる専用特性「ふかしのこぶし」と専用技「あんこくきょうだ」が強烈。

キョダイマックスするとあく技が「キョダイイチゲキ」に変化し、ダイウォールをも貫通するようになる。

しかし「れんげきのかた」がミミッキュ対策として有能なため、どちらの型も甲乙つけがたい。

前世代のダブルの覇者であるガオガエンは「はたきおとす」が過去作限定になったものの「すてゼリフ」を手に入れてむしろ強化され、相変わらずダブルバトルを中心に高い需要を誇る。

……が、シリーズ6でバンギラス共々、シリーズ7まで出禁となってしまった。


冠の雪原

「冠の雪原」ではアブソル、ミカルゲ、イベルタル、アクジキングが復帰。

ガラルファイヤー威力90・命中100・相手2体攻撃・2割ひるみというあくタイプにしては破格の安定性と効果を持つ「もえあがるいかり」を引っ提げ、特性「ぎゃくじょう」や「わるだくみ」によって火力増幅も可能で、トップメタの一員に躍り出た。

ウーラオスのいちげきのかたも評価が大きく上昇し、バンギラスと共にシングルのトップメタとなった。

さらにダブルでもガオガエンと一撃ウーラオスに加えオーロンゲも躍進し、一大勢力を築いている。

懸念されていたカプ神がカプ・レヒレ以外、使用率を大きく落としているのも追い風。

一方で対戦環境を引っ張ってきたサザンドラは、他の600族と準伝説の復帰により第一線から退いた。

ランクバトルの竜王戦ルールでは、あく唯一の禁止級であるイベルタルがトップメタの一角として活躍した。


最終的には苦手なポケモンが増えたりゴーストタイプに偏った環境ではなくなったものの、少なくとも初期の環境では全盛期に等しく、ゴーストタイプが減少して苦手なポケモンが増えて衰退しても現在でも躍進しているあくタイプが多い点から、各世代の中では恵まれた世代といえるだろう。


BDSP

パワーアップした第4世代フェアリータイプ参戦後の世界で・・・。


第9世代

テラスタルの導入、変わる世界。

あくタイプSV【SVまとめ】災いの宝

新たに追加されたあくタイプの一般ポケモンは、草御三家では初となるマスカーニャ(奇しくもポケモン御三家ではこれで、草・炎・水ともに悪複合が揃う事となった)、初となるむし複合のエクスレッグオラチフ系統、ひこう複合のオトシドリの計4体。また、キリキザンのまさかの正統進化であるドドゲザンが登場した。

更にパラドックスポケモンとしてアラブルタケテツノコウベトドロクツキ、準伝説(四災)としてパオジアンイーユイチオンジェンディンルーが追加された。


対戦環境には第8世代の初期同様ゴーストタイプが多く、それに伴ってあくタイプ自体の評価が高まっている。

マスカーニャは隠れ特性の「へんげんじざい」が弱体化されたものの、専用技が優秀でありシングル・ダブル共に大暴れする。

ドドゲザンは高い合計種族値を無駄なく割り振っており、技や特性も優秀なことから高い使用率を誇る。

既存ポケモンでは、シリーズ1で数少ない高速特殊アタッカーでありサーフゴーとの相性補完も良いサザンドラ、受けポケモンのブラッキー、サポーターのオーロンゲ等が活躍した。

特にドドゲザンとサザンドラはタイプ両方がこの世代におけるメジャー格で、超優遇複合タイプと言えた。


シリーズ2ではパラドックスポケモンが解禁。

アラブルタケは「キノコのほうし」を覚えるほか高い攻撃種族値から「ふいうち」を放つことが可能。

トドロクツキは合計種族値こそボーマンダより低いものの、ブーストエナジーと「アクロバット」の相性が良く、ひこうテラスでよく使われる。


シリーズ3では四災が解禁。どれも特性で周囲にデバフ効果を与える。

パオジアンは高い攻撃・素早さを活かした高速アタッカーで、「つららおとし」で相手をひるませて完封出来ることも多く、こだわりハチマキとあくテラスで「かみくだく」を繰り出す型も単純ながら強力。

ディンルーは驚異の防御・特防を誇り、テラスタルと組み合わせることで起点型・鈍足アタッカー型どちらもこなせるという優等生で、パオジアンと共に環境上位の常連となっている。

イーユイは特性込みで実質272という驚異的な特攻を持ち、単純に高火力の炎技と通りの良い悪技を振り回す他「おきみやげ」で退場する型なども存在する。

チオンジェンは他の四災と比べると見劣りがちだが、「やどりぎのタネ」等の変化技を用いた耐久型や、ディンルーやサーフゴー、キョジオーンなどの耐久ポケモンに有利を取れるなど、四災としてのポテンシャルは十分に秘めている。


その一方で、テラスタルとの相性が致命的なまでに悪いバンギラスや有益な技を悉く没収されて一時期まともに戦えなくなっていたマニューラ等もおり、特にバンギラスはかつて一世を風靡していたとは思えないレベルにまで大凋落してしまっている(それでも環境の片隅にはいるが)。


碧の仮面

グラエナ系統、ダーテング系統、シザリガー系統、バルジーナ系統、モルペコが内定した。

また、技マシンに「はたきおとす」「うっぷんばらし」が増えた。


ダーテングは特性が「はやおき」から「かぜのり」に変更。使用率は特別高くないが、警戒を怠るとパーティが半壊するほどには強化された。


また、「はたきおとす」が配られた影響でトドロクツキが環境最前線に復帰。ひこうタイプの通りがかなり良い環境なのも後押ししている。


結果、トップ自体はカイリューやオーガポンらに譲ったものの、そのすぐ下を四災、一撃ウーラオス、トドロクツキらで埋め尽くしトップ10中半分が悪タイプなんて状況である。



藍の円盤

シングル・ダブル共にガオガエンが活躍。逆に言えばそれ以外には解禁組は活躍していない。生半可なあく枠は一撃ウーラオスや四災のついでに対策されやすく、基礎スペックが高い上に第7世代以降使われ続けて徹底的に積み重ねられた研究の貯金があるガオガエンでもない限りそう簡単に環境に割って入ることができないということなのだろう。かのバンギラスも相性の良いステラテラスタイプをもってしても不利な相手が未だに多く環境入りができない状況が続いているくらいである。


あくテラスタル

ポケモンSVで登場したテラスタルタイプの一つ。

汎用的に受けや攻めに秀でているわけではなく、環境に多いフェアリーや格闘に弱くなるためそこまで使用率は高くない。

そのため基本的には元々悪タイプのポケモンが一致テラスでの威力の底上げに使うことが多い。(一撃ウーラオスやパオジアンなど)

他にはサイコショックアシストパワーを無効化するためにラッキーやハピナスが使うこともある。



外伝作品

ポケモンカード

ポケモンカードゲームにおいてはGSC発売時に展開された『ポケモンカード★neo』にて黒をイメージカラーとした「悪タイプ」(こちらは漢字表記が公式)として実装された。

また、RSE期の『ポケモンカードゲームADV』におけるマグマ団アクア団のポケモンの一部やFRLG期の『ポケモンカードゲーム』における無色タイ以外のわるいポケモンなどは既存のタイプに悪タイプを付加した複合タイプ、同じくポケモンカードゲームのR団のポケモンや無色タイプのわるいポケモンはタイプそのものが悪タイプに変更され収録されていた。

エネルギーカードとしての悪エネルギーも存在したが当初は「エネルギーを付けた悪タイプが与えるダメージは+10される」という効果を持った特殊エネルギーしか存在しておらず、基本悪エネルギーが実装されるのはDPt期に発売される『ポケモンカードゲームDP』まで待つ必要があった。

剣盾期に発売された『ポケモンカードゲーム ソード&シールド』においては超タから再々分類されたどくタイプが新たにこの悪タイプに加わっている。


あくタイプポケモンの主な使い手

悪の組織のしたっぱやボスも多く使用する。

上記の通り、第7世代まではあくタイプを専門とするジムリーダーは存在しなかった。

男性比率が高く、第7世代までは女性の使い手はカリンだけであった。

正規なトレーナーでも、掴みどころがなかったり、元不良だったりする人物が多い。ただし、自身の経験から来る心に響く一言を言ってくれたりもする。


その他のタイプ


関連タグ

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バッドガイ こわいおねえさん(トレーナー)


闇属性


悪タイプ表記揺れ

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