一般的な用法としては→不意打ちを参照のこと。
データ
初登場 | 第4世代 |
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タイプ | あく |
威力 | 80→70(第7世代以降) |
命中 | 100 |
PP | 5 |
分類 | 物理 |
直接攻撃 | ○ |
範囲 | 単体 |
効果 | 先制で攻撃できる(優先度:+1)。ただし、相手が攻撃技を選択していない場合は失敗する。 |
英語名 | Sucker Punch |
概要
第4世代から存在する技。
相手の不意を突いて攻撃する、先制技の一種。
数ある先制技の中でも高い威力を持つ反面、相手が攻撃技を選択していた場合のみ技が成功するという、なんともあくタイプらしい捻くれた条件が備わっている。
あくタイプを中心に、ゴーストポケモンやクチート・ウソッキーなど相手を欺く習性を持つポケモンが習得する傾向にある。どういうわけかデンチュラやハラバリーも覚えることが出来る。
第4世代限定で教え技になっており、ゴローニャやカポエラー、果てはラティアスまでこの技を使えたりする。しかし、第5世代以降は習得する術は無くなったため、先制技をこの技に依存していたポケモンは涙を呑んだ。特にドサイドンとの差別化として重要性が高いゴローニャは哀れすぎる……。
意外なことにあくタイプなら誰でも覚えるというわけでもなく、マニューラやマフィティフやアローラベトベトン、ディンルーやトドロクツキは習得不可。
攻撃や効果を活かす上で相手の行動を読む必要があるというのはこのタイプには珍しくない事なのだが、PPは5(最大で8)しかないため、特に正確な読みを要求される上級者向けの技と言える。
変化技や交代に対しては確実に失敗してしまい、特に「おにび」や回復技持ちのポケモンにとっては、「ふいうち」に対して「おにび」や回復技が安定行動になってしまう。
PPの少なさから、失敗した次のターンもしくは「ふいうち」で相手を倒しても次に出てきたポケモンに「アンコール」で縛られると、その後は相手に交代や変化技等で「ふいうち」を空かされ続け再度「アンコール」で縛られ「ふいうち」のPPを枯らされ上から殴られて倒される、などという事態も起こってしまう。特に素早さの低いドドゲザンなどは「アンコール」の格好の餌食になりやすい。
「みがわり」にも滅法弱く、「ふいうち」に「みがわり」を合わせられると失敗した挙句相手に無償で身代わりを展開され、その後「ふいうち」が決まっても身代わりを剥がせただけで結局殴られて倒された、という事態も多い。
パオジアンは素の素早さ種族値が高いため「ふいうち」の欠陥ともいえる部分をカバー出来ていたが、パオジアンよりもさらに素早さ種族値が高く「アンコール」も使用できる黒馬バドレックスに対しては、あくタイプ4倍弱点ということもあって「ふいうち」を出したくなるであろうが逆に「めいそう」や「おにび」でふいうちを空かされて「アンコール」で捕らえられてしまうという事態もあり得る。
また変化技や交代に当てられない性質上、「こだわりスカーフ」や「こだわりハチマキ」との相性は非常に悪く、相手にこだわり系だとバレてしまうと変化技や交代で「ふいうち」を透かされ続け、特に最後の1匹だった場合は最終的に「わるあがき」しか出来なくなってしまう。
それでも「こだわりハチマキ」の場合は「わるあがき」の威力も1.5倍になるため、相手が「ふいうち」のPPが枯れたことに気づかずに変化技を出した所に決まって勝てた、という事態も少なくも無いが。
ただ相手のもちものがこだわり系あるいは「とつげきチョッキ」だと分かっていれば、変化技が無いため「ふいうち」を決めるのは容易いといえる。
ちなみに「ソーラービーム」を始めとした溜め技の溜めターンは「攻撃技を選択」と見なされるが、「はかいこうせん」を始めとした反動技の反動で動けない時はそう見なされない。ただし第4世代では反動中も「攻撃技を選択」扱いとされていた。
また、「しぜんのちから」は第4世代以降全て攻撃技になるが、あくまで変化技なので透かされる
。この他「オウムがえし」や「まねっこ」でも同様に透かされる(相手も失敗する)。
一方「さきどり」の場合第4世代ではふいうちは失敗となるが、第5世代以降の作品では成功する。
決まる条件が厳しいにもかかわらずあくまでも優先度は+1であるため、優先度+2以上の攻撃には打ち勝つ事ができない。具体的には「しんそく」・「フェイント」・「ねこだまし」・「であいがしら」・「はやてがえし」の5種類と、キュワワーの特性「ヒーリングシフト」により優先度+3となった「ドレインキッス」・「ギガドレイン」となる。
同じ+1の場合には素の素早さ勝負となる。「ふいうち」同士てかち合った場合も速い方のみが不意討ちできる。
もちろん、相手に先に攻撃されたらこちらの「ふいうち」は失敗して一方的に殴られることになる。
基本的に既に行動している相手にふいうちは通じないという認識で問題ないだろう。
一方、発動条件が「攻撃技を選択」である事から、ダブルバトル・マルチバトル・マックスレイドバトルにおいては自分が攻撃対象でなくとも成功できる。
反面、優先度+3である「このゆびとまれ」や「いかりのこな」を使用されると攻撃が引き寄せられてしまい、攻撃技では無い上に既に行動も終えているという事から当然失敗してしまう。
あまりにも安売りしすぎたせいか、第6世代ではトップメタであるメガガルーラやメガクチートが本家あくタイプと同等かそれ以上にこの技を使い環境を席巻するという現象が発生した。
特に先制技を持たないアタッカーにとってはかなり辛かった。
さすがに問題視されたのか、第7世代では威力が70に下げられた。
それでもまだ並の先制技よりは威力が高いのだが、巻き込まれたあくタイプの心境やいかに。
第9世代から登場した「じんらい」は、でんきタイプかつ特殊版の「ふいうち」と考えて良い。
もちろん決まる条件は「ふいうち」同様厳しく、さらにタイプ相性でも無効化されてしまうという点では「ふいうち」にすら劣ると言える。
ポケダンシリーズでは他の先制技と同様に2マス先から攻撃可能になっている。
倍速行動状態なら一方的に攻撃も可能、角抜け攻撃も可能なので使い勝手はなかなか良い。