基礎データ
進化
バスラオ(しろすじのすがた) → イダイトウ(累計294の反動ダメージを受ける)
概要
『ポケットモンスターブラック・ホワイト』(第5世代)で初登場した、バスのような魚ポケモン。
「湖のチンピラ」という異名がつくほど乱暴かつ獰猛なポケモンで、大きな顎で食べられるものなら何でも食べてしまう。
その上繁殖力も高く、タフなファイトを楽しもうとする釣り人達が放流を繰り返すので増えすぎているという事実が第8世代で発覚した。どの世界でも自分本位な釣り人がいるのは変わらないようである。
しかも彼らが大量に定着してしまうと、同じくらい乱暴で適応力に長けたヘイガニやシザリガーしか住まない環境になってしまうというのだから、タチが悪い。
また個体によって姿が異なるのが特徴で、カラナクシのように当初は二通りの姿を持っていた。
あちらは地域で出現個体がはっきり分かれているのに対し、こちらは同じ地域に二種類の姿の個体が混在する形である。
「あかすじのすがた」の場合、上顎部分から2本の赤筋が背中を通って尾びれまで伸びて、目の形が卵のように丸くなっている。またヒレはギザギザした形状である。
「あおすじのすがた」の場合、上顎部分から2本の青筋が背中を通って尾びれまで伸びて、目の形が横に長く切れ目のように鋭くなっている。またヒレは凹凸のないシュッとした形。
色違いはどの個体も緑色の体色が明るくなり黄緑色に近くなる。最初の演出を逃すと分かりにくい。
何故違う姿が存在するかについては未だ研究段階にあるというが、赤と青のバスラオはすぐに縄張り争いをするほど仲が悪い。
その割には、何故か色の違う個体が群れに紛れ込んでしまうケースがよく発見されるらしいが、実はケンカ相手を求めてという非常に恐れ知らずな理由らしい。
ただし全くの無敵というわけでも無いらしく、自分よりも強いポケモン達にとっては完全にエサだと見なされている。恐らく鳥ポケモンや肉食哺乳類型のポケモンが該当するものと思われる。
そのせいなのかは分からないが、BW2の図鑑解説で、
たべるとおいしいらしいことが発覚した。この解説を見てニックネームを決めた方も多いことだろう。
世代が進んでいく毎に詳細が明かされており、昔は食卓にのぼる程にポピュラーな食材だったようで、赤筋の個体は脂身が乗っていて若者向けの味、青筋の個体は淡白な身で食べやすいのだという。
地味に捕獲率が低いポケモンでありエアームドなどと同様の25。「BW」初登場時には発売前の紹介やシナリオでもつりびとが多用し出現率も高いなどコイキングのような立ち位置だったことも災いし、その捕獲率の低さに困惑するプレイヤーも多く、「SV」で比較的序盤に接触する機会が増えた為か同様のケースが発生しておりTwitterの検索欄候補でも「バスラオ 捕獲率」と表示されるまでに至った。
名前の由来は恐らく「バス+益荒男(ますらお)」から。一説ではスペイン語で鱈を意味するバカラーオから来ているとも。
ゲーム上での特徴
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ |
---|---|---|---|---|---|
70 | 92 | 65 | 80 | 55 | 98 |
他作品のコイキングのごとく、『ブラック』では赤筋の個体が、『ホワイト』では青筋の個体が、イッシュ地方の水上のほとんどに出現する。ただし、捕獲率は低く設定されている。もう片方のすがたは、水泡からしか入手できない。
以降のバージョンでも赤もしくは青のどちらかが多く出現し、もう片方は出現しないか出現率が低くなっている。これを意識したのか、ポケモンGOでは東半球で赤のみが、西半球で青のみがそれぞれ出現するようになっている。
赤筋と青筋で通常特性Bは「てきおうりょく」で共通だが、通常特性Aが異なり、赤が「すてみ」で青が「いしあたま」。
しかしBW1では青も通常特性Aが「すてみ」だったので、第5世代で青筋バスラオは隠れ特性を含めると持つ可能性のある特性が4つである唯一のポケモンだった(後にイワンコがこれに該当するようになった)。
ちなみにBW1において「いしあたま」の青筋バスラオは、W1のホドモエシティでチラーミィと交換して手に入れる個体しか存在しない。
流石にミスだったのか、BW2では修正が入り、野生種の青筋の通常特性Aが「いしあたま」に変更された……が、孵化した場合は引き続き「すてみ」になっていた。
そして第6世代以降、青筋の通常特性Aは全て「いしあたま」に統一された(ポケムーバーに「すてみ」の個体を送っても修正される)。
ちなみに、隠れ特性は赤青どちらも共通して「かたやぶり」……なのだが、第7世代初期までは現在は閉鎖されたポケモンドリームワールドでしか入手できなかった。
USUMでバスラオが野生で出現するようになりようやく楽にゲットできるようになったかに思われたが、青筋のバスラオは仲間を呼ばない不具合が確認されたため楽にゲットできる隠れ特性のバスラオは赤筋だけという不公平な事態が起こってしまった。
第8世代の剣盾では当初は隠れ特性の入手手段はなかったが、鎧の孤島のマックスレイドバトルでようやく解禁された。とはいえ、レア出現なので運が悪いとなかなか出現しないことも。
また、地味に孵化歩数が600族並に多いため、厳選するにはかなりの根気が必要。
能力は攻撃と素早さが高めだが、防御面は低い。
特性はいずれも優秀だが、「すてみ」「いしあたま」はすてみタックルくらいしか適用される技が無いので今は採用されない。
現時点で実戦で使用するならば、同じ俊足水アタッカーのフローゼルなどとの差別化も考慮した上で彼らを超えるパワーを発揮出来る「てきおうりょく」か、メガギャラドスの存在こそ気がかりだが水タイプでは数少ない「かたやぶり」の二択となる。
また、ほとんどの波乗りエリアで高確率で遭遇出来る上に、努力値が素早さ+2である事から、今作における努力値狩りのコイキングやズバットポジションに当たる。
そのため廃人達からは素早さ努力値振り目的で良く狩られている。
ただし野生個体を相手にする際も一筋縄では行かない厄介なポケモンである。
特性「てきおうりょく」の場合、前述の攻撃の高さも相まって「アクアジェット」や「アクアテール」が結構な威力を発揮する。
また「てきおうりょく」でなくとも、「すてみタックル」や「いのちがけ」といったさすが益荒男といいたくなるような技をいくつも使ってくるため注意が必要。
軽い気持ちで努力値稼ぎに臨もうとすると思わぬ痛手を負いかねない。と言ってもそれはレベルが上がっていない時の話で、育成環境が整ってある程度レベル差がつけば簡単に倒せる。
また選択したポケモンのタイプを強制的にみずタイプにしてしまう技「みずびたし」を覚えるポケモンの中では一番素早い。これを生かし、相手ポケモンのタイプ一致技の威力を削いだり、特性「ひらいしん」の味方ポケモンに使って弱点を草タイプ一択にするというサポートも一応可能。
第7世代では「もろはのずつき」を新たに習得。「すてみ」や「いしあたま」を少しは活かしやすくなった。と同時にさらに益荒男っぽさが増した。
リージョンフォーム
『ポケモンLEGENDS』に登場する、ヒスイ地方と呼ばれしかつてのシンオウ地方に生息していたバスラオのすがた。
「しろすじのすがた」と呼ばれており、学術上はリージョンフォームと定義されているが、現状唯一「地方名のすがた」と付かない特例で、厳密にはルガルガン・たそがれのすがたにも近い個別の系統となっている。
種族値といった性能も、他のバスラオと何一つ変わっておらず、現状唯一の原種とタイプが同じリージョンフォームである。
上顎部分から2本の白筋が背中を通って尾びれまで伸びているが、背びれと目の形はあかすじ、胸びれと尻びれはあおすじと言った具合に二つの姿の要素を併せ持つ中間のような姿をしており、下顎もしゃくれていないコンパクトにしたサケを連想させる顔立ち。また、現代でのバスラオが縄張りを持つ淡水性のポケモンであるのに対してしろすじのすがたは縄張りを持たず、淡水と海水を行き来する降河性回遊ポケモンである点も異なる。
性格だけは温厚かつ臆病と、他2種とは全く違う性質であり、それに伴う環境を制圧する気骨も獲得していない。
それ故、厳しい自然環境や生存競争の中で斃れる個体も多いのだが、そうした境遇が逆に他のバスラオには無い進化する能力をもたらしている(ゲーム内での条件については該当記事を参照)。
これらの設定が反映されたのか、フィールド上ではかなり遠くからでもこちらを認識し、少しの間口を開けて威嚇した後はすぐさま逃げていなくなってしまう。
しかも水上ではスニーキングができないため、バスラオは特に捕獲難易度が高く、ダッシュで一気に距離を詰めたほうがゲットしやすい。
余談
多分、乙女座の武士道さんとは関係ない。
開発者によれば、イッシュ地方のモデルであるニューヨークではバスが釣れるということでモチーフになったと『Nintendo DREAM』の2011年5月号で述べられている。
しかしその割には日本刀モチーフの和風御三家がいたり益荒男がいたり、空手モチーフのポケモンや柔道モチーフポケモンなどと、あからさまに和の香りのするポケモンが多いというのがまた面白いところ。
関連イラスト
関連タグ
549ドレディア/ヒスイのすがた→550バスラオ→551メグロコ
ジヘッド…分類が同じ