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リドサウルスの編集履歴

2023-05-25 01:42:20 バージョン

リドサウルス

りどさうるす

リドサウルス(Rhedosaurus)とはユージーン・ルーリー監督の特撮怪獣映画『原子怪獣現わる』に登場した架空の怪獣である。

概要

リドサウルス(Rhedosaurus)とはユージーン・ルーリー監督特撮怪獣映画『原子怪獣現わる』に登場した架空の怪獣である。


カラーリングはムック本の人形の写真などからネイビーかグレー、あるいはポスターイラストのようなモスグリーンと思われる。


推定全長60.96m (200ft)/推定体重500t。

ニューヨークハドソン川流域から北極海までの北アメリカ大陸に分布した。

鎖骨は一つにつながっている。ドラキュラのように左右の犬歯が鋭く伸び発達している。頭部から背中、尻尾にかけてトゲ状のうろこが一列に生えており背びれのようになっている。脇ばらにもトゲ状のうろこが一列に生えており胸鰭のようになっている。頭部から首にかけてのS字曲線が美しく骨格的な破綻がない。両手が太く長く発達しており後ろ足より長い(通常のトカゲ、恐竜は逆である)。尻尾は太く頑強である。体全体は不規則な形のうろこでおおわれる。


きわめて狂暴、町を破壊・人を捕食する。


劇中でのリドサウルス

北極海パフィン湾アメリカ軍が行った水爆実験によって目覚めた1億年前に絶滅したとされる四足肉食恐竜の生き残り。

サーグッド・エルソン教授(演:セシル・ケラウェイ)が主人公トム・ネスビット(演:ポール・クリスチャン)に見せたイラストでリドサウルスと同定される。ニューヨークハドソン川流域で見つかった同種の化石から推測するに帰巣本能ニューヨークに上陸したと思われる。分厚い頭蓋骨はアメリカ軍の攻撃も寄せ付けなかった。


灯台を破壊し、調査のため海中に潜ったエルソン教授を乗せた小型潜水艇を沈めマンハッタンに上陸した。

アメリカ軍は大砲で応戦、電気柵と砲弾でリドサウルスを一度海に撃退するも血液中に未知の病原ウイルス(細菌)があるらしく、攻撃で流血すると近づいた兵士がばたばたと死んでいく。

再上陸したリドサウルスはコニー・アイランド地区の遊園地ジェットコースターで主人公トムとストーン伍長に傷跡にアイソトープ弾を撃ち込まれ苦悶の声をあげのたうち回りながら息絶える。


本作のリドサウルスは特撮人形アニメーションの神様レイ・ハリーハウゼンの名を世に知らしめた。金属でできた骨格に各種ゴムやラテックスでできた外皮をかぶせコマ撮り恐竜人形に命を吹き込んだ。


余談だが、リドサウルスのモデルはブロントサウルスの胴体にティラノサウルスの頭部を取り入れたものである。


分類

まだ怪獣という概念が定着しきっていない時代の存在ゆえ曖昧な部分も多いが、その特徴は当時の目から見ても純粋な「恐竜」と異なっており、厳密に言うと「恐竜ではない未知の大型爬虫類型特殊生物」または「怪獣」と定義しても差し支えないと思われる。


  • 「怪獣」という日本語の語源やこれまでの使用例は妖怪怪物のような存在だけでなく「当事者から見てよくわからない生き物」にも見られ、「クリーチャー」や「モンスター」等との違いがわかりづらい。
  • 一部の例だが、キングコングしかりKaijuや『怪獣黙示録』シリーズの怪獣や往年の海外や日本の作品の怪獣しかり、「飛び道具や特殊能力を持たない」「ミュータントでもない」「圧倒的な巨体を持たない」「人間の力でも倒せる」存在でも怪獣と呼ばれている。
  • 予算の都合がなければリドサウルスも放射性の火炎を吐く予定だったし、1億年前の古代生物が氷の下で眠り続けて復活して行動する時点で十分に怪獣の定義に入る。

他の怪獣映画との関連性

リドサウルスと海獣ビヒモス

同じ監督の作品に『大海獣ビヒモス』がある。

こちらはハリーハウゼンの師匠、ウィリス・オブライエンが特殊撮影を手掛けた。

すでにハリーハウゼンの技術は師匠のオブライエンの技術をはるかにしのいでいたためビヒモスは後発の作品ながらリドサウルスと比較にならないほど完成度が低かった。

ビヒモスは核実験の放射能をあび怪獣化した恐竜パレオサウルスとなっているが、造形物はただのブロントサウルス(現在のアパトサウルス)であり「恐竜怪獣か」と論議するのもはばかられる。


弟子の作ったリドサウルスの影に師匠の作ったビヒモスあり」である。


リドサウルスとゴジラ

原子怪獣現わる』のリドサウルスは後年の『ゴジラ』に大きな影響を与えた。

また、近年では1942年の『氷河の古代怪獣』が、リドサウルスやゴジラに与えた影響が大きいのではないかと指摘する声が増えている(参照)。


『原子怪獣現わる』の原題は『20,000ファソムから来た怪獣』(1ファソムは1.8mほどで水深を表す単位) だが、『ゴジラ』は企画段階では『海底2万マイルからきた大怪獣』という思いっきりアウトな仮のタイトルが付けられていた。


当初は放射性の炎を口から吐く予定だったが、予算の都合でダメになった。このことも、ゴジラ放射火炎に影響を与えたのではないかとする海外の研究者もいる。


「予算の都合で変更されたが、当初はストップ・モーションを使って撮影されていた」「古代の巨大な種類の生き残りが原水爆で復活する」「怪物の人類への主だった最初の襲撃は漁船に対してである」、「事件を担当した学者が、件の怪獣または同族の出現に関して予言めいた発言をする」「怪獣が灯台を襲う予定があった」なども共通している。


特撮部分を見てみれば、人間の入ったぬいぐるみのゴジラより、ハリーハウゼンのアニメーションの方が洗練された高い技術と言えるが「ゴジラ」の方も生ゴムを焼成して作ったのギニョール人形(当時はまだ造形用ラテックスがなかった)を使うなどしてゴジラの巨大感、迫力を演出しており甲乙つけがたい。

 

オマージュ

恐竜の惑星

1987年の作品『恐竜の惑星』にリドサウルスそっくりの恐竜が登場する。スタジオを訪れたハリーハウゼン自身がアニメートしたという。オマージュあるいはパロデイカメオ出演のような内容でありこれを「リドサウルス」と呼んでいいかはわからないが関連するので記載した。


『The Creature from 20,000 Fathoms』

バットマンロビンと共演。

「バボンガ」と呼ばれ、立ち上がって火炎を吐く。


ゴジラ・ザ・シリーズ

コモディスラックスがリドサウルスへのオマージュとして、当初予定されていた「雌ゴジラ」の代わりにゴジラの嫁として登場した。

こちらでは、リドサウルスで実現できなかった火炎ブレス攻撃を使用している。


立体商品

他のレイ・ハリーハウゼンのキャラクターと違って版権取得が難しいため、商品化に恵まれていないキャラクターである。

  • ビリケン商会 ソフトビニール人形「リドサウルス」 絶版
  • 個人作家製作 ソフトビニール人形「いぐあな」 ただし個人製作人形であり正規許諾商品ではない。

別名・表記ゆれ

リドザウルス レドサウルス レドザウルス Rhedosaurus


関連タグ

原子怪獣現わる人形アニメーション

ゴジラ

ゴジラS.P:二話劇中に数秒だけ、リドサウルスが映っていた。

KAIJU:『パシフィック・リム』はハリーハウゼン作品へのオマージュも込められているという旨が公式で発表されており、「陸棲のような姿をしているが、突然海中から現れた」や「体内に内包する物質のために人類が迂闊に攻撃できない」等の点が共通している。

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