セル画
せるが
概要
薄く透明な板状のプラスチック板にキャラクター等が描かれたもの。通称「セル」(これは過去にはこの板にセルロイドが用いられたためである)。30分のアニメでさえ数千枚のセルが必要なこともあった。
システム
かつて一般的なアニメは紙に手描きされた「背景などの動かなくてよいもの」とセルに描かれた「キャラクターなどの動かす必要があるもの」によって構成されていた。
セルは複数枚重ねることが可能(もっともあまり重ねすぎると問題が生じるが)である。
キャラクターなどの動くものをスムーズに動かすためには、フィルムのコマ数と同じく一秒あたり24枚(デジタル作品だと1秒間に30枚)が必要となる(ただし、1秒当たり8枚でもある程度は動かすことは可能)。そのため、作業の簡素化と整合性を高めるためにグラデーションやエアブラシを使わず色をきっちりと塗り分ける独特な技法として進化した。
作業の歴史
当初は動画用紙に鉛筆で描かれた原画から、特殊なインクと付けペンで線画をトレースするところからの作業であった。後に動画用紙から直接セルに転写する技術が登場した。
とは言え、数百枚から数千枚ものセルを人力で彩色するのは大変な労力を要した。そのためセルの使いまわしや動きの省略、セルではなく撮影のカメラを動かすなどの「セルを省略する手法」が発達した。一例を挙げると魔法少女ものなどによくある変身シーンなどはセルを新規に起こす作業を節約するためのものであった。
セルアニメの場合、他のアニメーションでは不可能、あるいは難しいとされるいくつもの特殊な技法が開発された。一例を挙げるとセルにカッターで浅い傷を何本も刻み雨の表現としたり、意図的に折り目をつけて撮影光を反射させ逆光を現すという表現も可能である。また、現在では「どのようにそれを行ったのか」がまったくわかっていない技術も存在するといわれる。
一応セルを用いずにアニメーションを作成することも可能である(粘土を使ったクレイアニメや、パラパラ漫画の手法を用いる方法)が、セルを用いるよりはるかに手間がかかるため、あまり行われない。
撮影後
撮影後のセルは会社により異なる。セル画が保管されることは(場所の関係上)まれであり、関係者などに配布したり、一定期間保管の後そのまま処分されたりする。このようなセル画はまれに市場に流れることがあり、有名アニメ、かつ人気キャラクターおよび有名シーンのセル(たとえばディズニーの初期作品)は高値で取引されることもあった。
pixivにおいて
いわゆるセルと原画に描いたもの、セルそのもの、それっぽく記載されたイラストにつけられている。また理由不明であるがR-18の作品が多い。