概要
昔話のひとつ。
これをモチーフにした作品やキャラクターも多い。
物語
とある村に悪さばかりして人々を苦しめる狸がいた。
おじいさんは何とか狸を捕らえ、『狸汁』にするために畑仕事に行ったが、
その隙に狸は命乞いをするふりをしておばあさんを騙して杵で撲殺して逃走した。
悲嘆にくれるおじいさんの姿に見かねた、老夫婦の親友である兎は、おばあさんの無念を晴らす決意をする。
まず狸を呼び出し、芝刈りに誘うと狸の背中に背負った芝に火打ち式の石をカチカチ鳴らして引火させ、背中に火傷を負わせると、良く効く薬と言ってからしを塗って火傷を悪化させる。
後日、兎は狸を釣りに誘い、木の船と泥の船を用意する。狸が泥の船に乗ると自身は木の船に乗り、そしてしばらくすると泥の船が溶け出し、狸は溺れる。
ここでようやく兎は狸に対して本心を語り、艪で狸を殴って溺れ死なせる事で止めをさした。
これによって兎は老夫婦の無念を晴らすことが出来た。
その他
近年、絵本などで残酷だと思われる部分が割愛されて以下の様にマイルドになっている。
- おばあさんは死なず、大怪我をするだけで済む。
- 自分が溺れたのを見計らって、本心を語る兎に対して狸は命乞いのあまりとうとう観念する。それを聞いた兎はようやく狸を助け、狸はそのまま改心する。
これについては今でも賛否両論を呼んでおり、残酷だと思われる部分が割愛された事に対する批判者もいる。
また、一部伝承では狸がおばあさんを殺して人間汁を作り、おじいさんを騙すという話になっていたこともあるが、勿論現在では大半の絵本などでこの話はカットされている。
関連タグ
鬼灯の冷徹 - 『かちかち山』の内容を取り上げたエピソードがある。主人公の鬼灯は、近年内容が丸くなっていることに懐疑的になっている模様。
芥子 - 上記の『鬼灯の冷徹』に登場する兎の獄卒で、『かちかち山』の兎と同一。
