概要
芸能界の子役現状をテーマにした作品。
原作の野島伸司の作風により虐め、ネグレクト、陰湿な工作、暴力団など台詞や表現もあり人間の闇や人の本質を生々しく描かれているのが特徴。
なので昼ドラ好きな方には強くお勧めする。
ときに遊戯王の闇人格を連想する描写もあるが主人公と仲間を含めた三人は精神障害を抱える列記とした病人である。それを利用するシーンは見所。ちなみに最近ではお姉さま方に人気の出る描写も増えている。
また、野島伸司が監修を務めたドラマ『明日、ママがいない』と世界観を一部共有しており、最新話では舞台となった児童養護施設「コガモの家」が登場した。
以下ネタバレ含むので注意。
あらすじ
両親の離婚をきっかけに、母親に子役として働くよう言われて「キララタレント事務所」に入学したノベル。特に取り柄もないノベルは、母親に卑下され同級生にいじめられ、絶望のどん底へと突き落とされる。そんな時、突然ノベルの中に住む「もう一人の自分」が現れる・・・。
キャラクター
主人公。運動も勉強も平均レベルの小学生。
両親の離婚により母親から強引にキララタレント事務所に入り子役の道を歩むことになる。
気弱でネガティブな性格だが芯は強く慈悲の心を持ち合わせている。実は「カって」おり精神的に追いつめられるともう一人の人格が発現する。もう一人の人格を頼ることもあるが、彼なりに自立心はある。副人格を「君」と呼んでいる。
進級試験に受かりブロンズクラスからゴールドクラスに昇格。本人は無自覚だが母親似で整った容姿の持ち主。仲間のクローバーでは支柱を担っておりメンバー達の闇の部分に触れ支えている。
波田ノベルのもう一人の人格。最初の子。
主人格とは違い、前髪をわけているのが特徴。一人称は俺。フィリップ・マーロウをモデルにした人格であり冷静で自信家。他人の本質を見抜くことに長けている。正体は解離性同一性障害(DID)から生まれたノベルの副人格の一人。高い演技力を持ち合わせ、基本何でも上手い。ノベルを守る存在であり彼に対しては厳しくもデレて接している。この人格の根本的な理由は母親が関係している模様。ノベルを「お前」呼ばわりしている。
口癖は「お前らレベルが俺を語るか」
波田ノベルの二人目の人格。真ん中の子。
主人格とは違い、オールバックが特徴。基本、無口。他人のトラウマを見抜くことができる。ノベルの生命危機に誕生した危険な人格で、時間制限があるばかりか主人格の体調にも影響を及ぼす。
更に一人目とは違い、主人格を守る人格ではない。
ノベルの母親。端麗な美女だがリストラされた夫を支えるどころか切り捨て離婚。自分が働く気は一切なく、ノベルを引き取り子役として一儲けしようと目論む。息子を引き取ったのは何か秘密があるらしい。ノベルの生死に関わるとショック状態に陥るなど愛情は少なからずある模様。
ノベルと同居している不思議な幼女。自らを「マモリ」と名乗っているが誰にも認識されていない。
何故か真行寺マモリと酷似している。イケメン好き。
正体はノベルの“真ん中の子”にして、マモリの本来の“真ん中の子”だった。
キララ事務所
“ゴールドクラス”・・・キララの看板役者。子役マスターと呼ばれる特別クラス。メンバーは仲間の証として四ツ葉のクローバーをお守りにしている。ジャージの色は金。
国民的子役の一人。ノベルを一目で「カッて」いることに気づいた人物。
普段はもの静かな少女だが彼女自身もDIDの一人である。演技をしているのは“喜”を司るもう一人のミコであり、自分の存在を悲観的に思っている。トーリに惹かれておりノベルに嫉妬している。もう一人のノベルをマーロウと呼ぶ。クローバーの意味は幸福。
「もう一人のミコ1」
“喜”を司る。最初の子。父親からの異常な愛情によって生まれた存在。スカーレット・オハラをモデルにした人格であり明るく凛々しい性格の持ち主。実際、国民的子役の演技は彼女によるものであり、ミコに対しては過保護で携帯の動画で連絡し合っている。ノベルに度々助言をする。
「もう一人のミコ2」
“怒”を司る。ミコを溺愛する父親に対する母親からの憎悪によって生まれた存在。真ん中の子で、性格は辛辣。監視カメラが仕込まれた眼帯付きのウサギのぬいぐるみがモチーフ。
本人に大幅な負担がかかる人格であり、発現後は体調を崩してしまう。
トップクラスの実力を持つ子役。美少年だが冷徹でどこか浮世離れしている。素性には謎が多いが、実はDIDの一人。生まれつき身体が病弱な弟がいる。
聡明で観察眼も優れる。初めて心開いたノベルに同性愛のような友情を寄せるも・・・。
クローバーの意味は愛情。
「もう一人のトーリ1」
トーリの最初の子で、『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンがモデルにした人格だが、性格はトーリとあまり変わっていない。前髪がパッツン状態。
「もう一人のトーリ2」
トーリの真ん中の子で、「メイクィーン」という名前のピンクのトイプードルがモチーフ。
相手の潜在意識にアクセスし、分析することが得意。トーリ自身は体調を崩すことを恐れて出したがらなかったが…。
どこか影のある大人びた美少女。二流女優でありスキャンダル塗れの母親を持つ苦労人。生まれる前に父を亡くした母子家庭育ち。奇麗な演技をして母を超え、皆に認めて貰うのが夢。安西に思慕の情を寄せる。実は腐女子の気がある。クローバーの意味は健康。
メンバーの中でも特にプロ意識が高く熱血漢で仲間想いな少年。当初はノベルを見下していたが現在は友好的。ミコに恋を抱いているのかは不明だが守ると決めており、それ故にトーリを快く思っていない。母と妹を養う為に役者を目指した過去がある。クローバーの意味は希望。
“シルバークラス”・・・オーディションを受けるとエキストラの役が貰えるクラス。ジャージの色は銀。
ノベルのクラスメイト。通称ヒバリ姫。美少女だが高飛車で女王様気質。
トーリに想いを寄せるがブスと一蹴された。ノベルをキララから辞めさせるべく陰湿な虐めを繰り返すも進級試験で敗北。キララを脱退し、別の事務所に移り演技バトルでノベルと激突する。
芸能界に入ったのは彼女なりに目的がある模様。
“ブロンズクラス”・・・新人で入学した者か仕事がとれない役者のクラス。ジャージの色は焦げ茶。
ノベルのクラスメイトでヒバリの命令で彼を虐めていた。
もう一人のノベルを出現させた張本人で本質を見抜かれたショックで暫くは学校を休んだ。ヒバリの命で彼を殺そうとするも改心し、以降は協力的になる。
小さな事務所からキララに移った役者志望の少年。ノベルのクラスメイト。
“市川清五郎”という芸名を持つ。どこでもいるデブキャラで学校生活を静かに送っている。常識人でノベルとは友好的。度々うんちくを披露する。
“関係者”
ゴールドメンバー四人を育てたトレーナー。事務所を大手にした実力者で特訓方法は厳しい。車椅子で行動している。
ブロンズクラスのマネージャー。ゆとり世代の22才。楽観的で空気が読めないが良識人。ネグレクトを受けているノベルを影でサポートする。
その他
ノベルが通う学校の保険医。
容姿端麗な美女で冷静沈着。児童心理学を専攻し、ノベルをDIDと判断し治療を施す。実は娘がDID患者で、治療に熱心なのはこれが起因としている。男には興味がない。
トモエの娘。試験管ベビーでIQ170の天才児。心理学に興味を示し自らDIDとなり自身を“最後の子”に乗っ取られるがノベル達によって生還する。ノベルに興味を示しており、彼にゾッコン。基本無表情。
実はノベルとは幼稚園時代の幼馴染で、過去に起きた事故で“真ん中の子”が入れ替わってしまっていた。
「もう一人のマモリ1」
かつて存在していたマモリの最初の子で、現在は消滅している。
マリリン・モンローがモデルだったらしい。
「もう一人のマモリ2」
マモリの真ん中の子。
何故か幼いノベルと酷似した容姿を持つが、それは彼がノベルの本来の“真ん中の子”であったため。
児童養護施設「コガモの家」に住む少女。東日本大震災で両親を亡くした過去を持つ。慈愛に満ち溢れた性格。面倒見も良く、子供達の世話をすることが多い。
元エリートサラリーマンで現在無職。イズミの元夫。
平凡なノベルを自分の息子ではないと言い切るがもう一人のノベルによって本質を見抜かれ、恐怖により失踪する。実際、イズミは結婚前に別の男と関係を持っていたようでノベルが実の子でない可能性はある。
ペーソス
闇金融を経営する長身の男。イズミが作った借金を返済させるため、波田家に居候する。
見た目はチャラ男だが、「夢」について語るロマンチストな一面を持つ。
オズマ
闇金融を経営するスキンヘッドの大男。知能が遅れているらしく、常に寡黙。
ペーソスとは幼馴染。
サンタ
ペーソス達の上司。シルクハットを被った子供のような姿をしている。
紳士的な態度で接するが、その本性は冷酷無慈悲。
ピコ
サンタの部下で、オズマ以上にガタイがデカい男。
サンタに調教されたらしく、彼の命令には忠実に従う。