「捨てられたんじゃない、わたしたちが捨てたんだ。」
「今、君の隣にママはいますか――?」
概要
『未成年』・『高校教師』・『フードファイト』などを手がけた野島伸司が監修を行っている。児童養護施設を舞台に、あらゆる事情で親元を離れた子供の視点から愛情について問いかける作品。略称は『明日ママ』。
抗議とその波紋
本作には「赤ちゃんポストに預けられた過去があるため『ポスト』と渾名された」という設定の人物が登場するが、日本で現実に赤ちゃんポストと呼ばれる施設を持っているのは熊本市に実在する慈恵病院ただ1つであった。フィクションとはいえ、ある意味この施設を名指しするかのような設定の上、実際の施設とはかけ離れた描かれ方をしていた事に、慈恵病院は「フィクションだとしても許される演出の範囲を超えている」として、番組の放送中止や内容の再検討などを求め、BPOにも抗議を行った。
慈恵病院の「赤ちゃんポスト」(正式には「こうのとりのゆりかご」という名称)をモデルにしたドラマは、これ以前にTBSも製作していたが、この時は事前に制作スタッフと病院側が制作前に協議を重ねた上、緻密な取材を元に制作・放送されていた。本作では慈恵病院側への取材はされていない。
また作中の養護施設で行われている虐待などの描写に関しても全国児童養護施設協議会が抗議書を送付。同協議会は放送前に既に内容を問題視しており、描写の変更を求めていた。
この騒動に伴いスポンサーを務めていた企業は続々と撤退の動きを見せ、2話では提供が表示しないまま放送され、ついには3話でスポンサーがすべて撤退した状態のまま残りの7回を放送する前代未聞の事態となった。
一方で、制作側は「最終回まで見ないとこのドラマの真意はわかりません。」と放送中止をする意志はないと宣言し、全国児童養護施設協議会の抗議にも回答をしなかった。
この流れには、22時からという幅広い視聴者が見る放送時間である事もあり、様々な議論を呼んだ。
なお、養護施設出身の元プロボクサー、坂本博之は週刊誌の取材に対して本作の描写は実際の施設とかけ離れていると語っている。
その後日テレ側が慈恵病院及び全国児童養護施設協議会側と会談して謝罪、内容を一部変更する事を公表した。但し変更点は作品が完結前ということもありネタバレ防止のため公表されなかった。
登場人物
ポスト(芦田愛菜)
佐々木に対しては反抗を見せるが、同じ施設の子供達に対しては面倒見が良く、ピア美が馬鹿にされ手を出されたときなどは、体を張って仕返しをした。
あだ名の由来は赤ちゃんポストからコガモの家に来た事から。
本名は不明だがDQNネームだったらしい。
ドンキ(鈴木梨央)
母が傷害罪で逮捕されコガモの家に来る事になった女の子。
おとなしい性格のためピア美などに振り回されることも多い。
母のことを待っていたが、次第にお試しにも積極的になっていく。
あだ名の由来は事件で母が恋人を殴るのに使ったのが鈍器だったため。
当初はそのあだ名が嫌だったが、1話最後でドンキとして暮らしていくと決めた。
ピア美(桜田ひより)
もともとはお嬢様であり、そのせいか少し高飛車なところがある。
恋やおしゃれに興味しんしんの今時の女の子といった雰囲気をまとっている。
ピアノが大変上手く、放課後の音楽室でピアノを弾いたり、里親もピアノを習わせてくれるか否かというところで選ぶ。
あだ名の由来はピアノが得意なことから。
ボンビ(渡邉このみ)
妄想癖があり、すぐに妄想の世界に入り込んでしまう女の子。
有名外国人俳優のポスターを部屋に貼り、こんな里親に引き取られたいと思っている。
あだ名の由来は『貧乏』から。
パチ(五十嵐陽向)
親の虐待によってコガモの家にやってきた男の子。
母親のことが忘れられず、母親のにおいのシャンプーボトルを手にしていて、捨てられそうになると強く反抗する。
ポストを初めとする女子たちにとてもかわいがられていて、ポストとはよく一緒に寝ている。
オツボネ(大後寿々花)
小さな頃から施設で育っていて、現コガモの家の子供達の中で最年長(17歳)である女性。
手術を受けることが夢であり、そのために財産の多い里親を探している。
常にうさぎのぬいぐるみを手にしていて、夜に徘徊する癖がある。
あだ名の由来は『お局』から。以前は「ウサタン」というあだ名だった。
ロッカー(三浦翔平)
全く喋らないことから、感情が読み取り辛い。物事はすべてジェスチャーなど身振り手振りで伝えている。
コガモの家の子供達の心を許せる存在であり、子供達には優しい。
しかし、佐々木の言うことには全く逆らわず、たとえ子供を傷つけてしまうことでも、心を痛めながらも従う。
あだ名はコインロッカーベイビーであったことに由来している。
佐々木友則(三上博史)
コガモの家の施設長。
施設の子供達からは『魔王』と呼ばれている。
足を悪くしていて、杖をついて歩いている。
舌打ちが癖であり、気に入らないとすぐ舌打ちをする。
子供達を犬と言ったり、何かと見下す言い方をするが、ロッカーが不在のときなどはきちんと子供達の夕食を用意したり、パチに新しいシャンプーを買うなど最低限の施設長としての勤めは行っている。
謎の女に何らかをするため、108人の子供を養子縁組することを行動原理としている。
関連タグ
犬山イヌコ:第3話にて実写で登場、2年ほど前に大ヒットしたドラマのパロディのような役を演じた。
安達祐実:かつて野島伸司監修ドラマにて本作の登場人物にも負けない苛烈な人生を送った少女を演じた。終盤に登場。