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概要

熊本市に存在するカトリック系の病院、慈恵病院にある施設。「赤ちゃんポスト」とも称されるが正式名称は「こうのとりのゆりかご」である。


ドイツで作られていた「Babyklappe」と呼ばれる同様の施設を参考にして2006年に設置された。

様々な事情で赤ん坊を産んでも育てられない、誰にも相談出来ないと思い詰める母親が、捨てたり中絶したりして赤ん坊を死亡させてしまう事件を防ぐため、匿名で預けることの出来る施設である。


赤ん坊を入れる扉の中には病院の連絡先等が書いてある紙が入れてあり、インターホンなどで相談できるようなシステムにもなっており、実際のところは病院への相談を促進し、利用出来る福祉等を教えて母親が自分で育てるよう考え直したり、どうしても自力で育てられない場合養子として出す橋渡しをすることを主目的としており、電話相談窓口も設けている。

新生児が預けられたまま、親が名乗らず去り身元が確認出来ない場合は熊本市が乳児院に引き取り、養子先や養護施設で育てられることになる。中には親が考えを改め自分で育てることを決めた例も少なくはない。


これまでに預けられるに至った子供達は100人にも満たないが、その大半以上は県外からだった。

「ゆりかご」に入れるに至らなかったものの、報道等で存在を知った産婦が病院に相談をした結果養子などに出された子供達はそれ以上の数になり、2014年時点での院長の発表によると2013年までの6年間に190人の子供達が特別養子縁組で新たな親の元へ行ったという。

我が子を手放す理由は半数近くが「母親が若過ぎた(若いと高校生〜小5等)」であったが、それ以外は「不倫の末に産まれた子だった」「生活困窮」「子供の父親にあたるパートナーが逃亡した」「強姦被害で産まれた子」であったなど様々なケースがあった。中には親族に世間体が悪いと出産を反対されていた例もある。


また近年では身元を明かさず出産したいと希望する「内密出産」にも取り組んでいる。

これは慈恵病院に相談しにくる妊婦に知的障害発達障害がある者、親に虐待を受けていた経験のある者が無視できない割合で存在し、「他人に相談する能力が低い」ケースも少なくない事情もあり、精神科病院とも連携している。


本施設の創設者である前理事長の蓮田太二(国学者の蓮田善明の次男)は2020年に病没、現在は太二の息子である健が跡をついで運営及び公的な発信を担っている。


課題

新生児の命をまず救う事に最重点をおかれた施設のため、「匿名で預ける」ことに病院側は重きをおいてきたが、これに関しては「子供が自身の身元を知る」ことを重視したい児童相談所側と必ずしも意見が一致しない部分もある。

また、過去には既に死んでいた子供や、預けるには大きすぎる3歳児を無理矢理親が入れて去って行った事件もあったことから、病院側も対応に苦慮している面もある。


他県でも同様の施設を作ろうとする試みはあったが人員確保や体制で難しい面もあり全く同様の設備は日本国内では実現していない。

2017年に神戸市の助産院を拠点としたNPOが相談窓口のみで引き取りは行わない形式の施設の設立準備を進めている。



外国では

諸外国でも同様の施設があり、オーストリアイタリアなどの欧米からフィリピンパキスタンなどの東南アジアの諸国でも設けられている。

外部リンク

クローズアップ現代公式サイトポスト”に託された命 ~赤ちゃん100人のその後~

前院長の講演録


かつて「赤ちゃんポスト」に 大学生が高校生に講演「他者のために生きる」(テレビ愛媛)

関連タグ

明日、ママがいない…本施設をモデルにした設定のあるドラマだが放映途中で病院側に抗議を受けている。

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