元号
日本で年を数える際には「元号」を用いるが、その初めは「大化」である。
飛鳥時代、聖徳太子の遺志を継いだ中大兄皇子(天智天皇)が、蘇我氏の専横を阻止するためにこれを誅滅し、孝徳天皇の時代に新政が始まった。これが大化の改新である。
新政権は発足するとすぐに飛鳥寺の大槻の下に群臣を集め、孝徳天皇への忠誠を誓わせて、大化という元号を建てた。大化元年(西暦645年)のことである。
『書経』大誥の「肆にわれ大いにわが友邦の君を化誘す」が典拠と思われ、「わたしは大いにわが友邦の君主たちを教え導くのである」という意味の、天子の広大な徳を人民に及ぼすことを宣明した元号である。
その他の典拠
『孟子』尽心「浩生不害問曰、(中略)何謂善、何謂信。孟子曰。可欲之謂善、有諸己之謂信、充實之謂美。充實而有光輝之謂大、大而化之之謂聖、聖而不可知之之謂神」
『荀子』議兵「夫是之謂大化至一」、天論「陰陽大化、風雨博施」
『呂氏春秋』大樂「能以一治其國者、姦邪去、賢者至、成大化」
『漢書』董仲舒傳「古者修教訓三官、務以德善化民、民已大化之後、天下常無一人之獄矣」、匡衡傳「道德弘于京師、淑問揚乎疆外、然後大化可成、禮譲可興也」
『忠経』聖君「祿賢官能、式敷大化]
『潜夫論』本訓「法令刑賞者、(中略)未足以興大化而升太平也」
『晉書』樂志「於穆我皇、大化治、地平而天成」
『宋書』臨川烈武王道規傳
『北志』鄭羲傳
『文選』連珠