今でこそ日本各地に道路が整備され、トラック輸送が幅を利かせている時代だが、かつては現金の輸送も鉄道の役割だった。
スペック
現金を運ぶ時は「容箱」というプラスチック製のケースに入れられて運ばれた。容箱を積むための扉に付いている鍵は内側からしか開けられない。
また、現金は普通の荷物などと異なり、「大丈夫だって、安心しろよ!(容箱を)パパッと積んで、終わり!」というわけにも行かないので警備員室も設けられている。窓ガラスは防弾ガラス製だとか。
警備員の長時間乗務に対応できるように、A寝台相当の寝台設備とグリーン車レベルの座席、簡単な調理ができる台所まで設けられていた。なお警備員室には冷房まである。
車掌室はあるが、荷物室は分断されており、車掌が荷物室に入ることは基本的になかった。
車両は国鉄に車籍を有していたが、保有は日本銀行であり、私有貨車と同じ扱いをしていた。
運用
国鉄時代は荷物列車や急行列車に連結されることが多かったが、JRへ継承後は高速貨物列車に連結されるようになった。