演台を前に、張り扇(上方では拍子木も用いる)で拍子をとりつつ、歴史などにちなんだ読み物を読み上げる話芸。
寄席でかけられる寄席演芸であるが、本来は落語や漫談とは違い、笑いをとることは目的とはしていない。
江戸末期から明治時代にかけて隆盛し、講談の内容をまとめた「講談本」が人気を呼んだ(その出版社の中に、講談社がある。講談社は講談本のヒットで大手出版社に成長した)。
しかし、昭和に入ると漫才など他の人気大衆芸能の隆盛に押され、特に上方講談は絶滅寸前にまで衰退した。また東京の講談も戦後は仇討ちや忠孝ものが上演を禁止されたため衰退した。
昔の講談は軍記物や武勇伝などシリアスなテーマが多かったが、現代の講談師は、身近なテーマを取り上げたり、笑いで観客を楽しませることを重視する傾向が強い。