バラード第1番
ばらーどなんばーわん
ショパンが作曲した最初のバラード。
概要
「バラード第1番ト短調作品23(Ballade No. 1 in G minor, Op. 23)」は、フレデリック・ショパンが作曲した最初のバラード(譚詩曲)で、作曲家初期の代表作である。
形式はソナタ形式の自由な変形。
序奏・主題の拍子は4分の6拍子、コーダ部では2分の2拍子になる。
最後は両手のオクターブの半音階進行がfffで奏でられ、劇的に締めくくられる。
ポーランドの詩人ミツキェヴィチの愛国的な詩に啓発されたといわれることもあるが、詩と曲との関連を明確に見いだせる箇所は存在しない。
「椿姫」(バレエ)との関連
バレエ「椿姫」(ノイマイヤー版)にて、アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の同名小説と同時代の作曲家ショパンの楽曲が用いられた。
ヴェルディのオペラ“La traviata”との関連性はなく、ストーリーもオペラより原作に忠実。
この曲が使われるのは第3幕、主人公マルグリットと青年貴族アルマン、最後の逢瀬の時。
“マルグリットは病躯をおして一夜だけアルマンの元を訪れる。
最初は彼女を拒絶しながらも、もう一度やり直せるのではないかと思うアルマン。
一方、彼に別離の事情を告げることはできず、また自分に残された時間はわずかだと覚悟もしているマルグリット。
2人の気持ちはズレたまま、それでも抑え難い情熱に突き動かされ狂気のような最後の愛を交わす。”
この場面は通称「黒のパ・ド・ドゥ」という。なお、これに相当する場面はオペラでは描かれない。