人物
1990年9月25日生まれ。愛知県名古屋市出身。血液型はB型。
名前は父親がファンだった大地真央に由来する。
「真央ちゃん」の愛称で国民的人気を博した女性アスリートであると同時に、数多くのスケーターやコーチ陣から口々に「完ぺきな演技、世界一の選手」と讃えられるトップスケーターだったが、2017年4月をもって現役を引退。プロスケーターに転向した。
トリプルアクセル
トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳んだ女子選手として特に有名であり、このジャンプは彼女の代名詞にもなった。オリンピックの女子シングル競技でトリプルアクセルを成功させたのは、伊藤みどりと浅田の2人だけである。
引退までコーチをつとめた佐藤信夫は「トリプルアクセルは彼女の夢なんです。誰が取り上げることができるでしょうか。僕にはできない」と語っている。
略歴
2008年、2010年、2014年世界選手権優勝
2010年バンクーバーオリンピック銀メダル
2014年ソチオリンピック6位
四大陸選手権優勝3回、GPファイナル優勝4回。全日本選手権4連覇を含む優勝6回。
ファイナルを含むグランプリ(GP)全7大会を男女を通じて初めて制覇した。
上述のように難度の高いトリプルアクセルを跳ぶことができたため日本では「ジャンプの浅田」のように報道されがちだったが、ジャンプについては回転不足やエッジエラー判定を受けることも少なくなく、特に3回転ルッツジャンプを苦手としていた(2015年に7年ぶりにクリーンに成功させている)。
構成は高難度ながら成否については安定性を欠くジャンプよりも、彼女が安定して高く評価されていたのはステップやスピンなどの技術や演技力であり、常に高いPCS(演技構成点)を獲得していた。
バンクーバー五輪
バンクーバーオリンピックでは、SP、FS合わせて3回のトリプルアクセルを成功させた。これはフィギュアスケートの歴史上初であり、ギネス登録されている。
当時のメディアおよびファンは彼女の実力から金メダルの獲得に対して大いに金メダルを期待されたが、疑惑の判定により、記録上では銀メダルに終わり、競技後に悔し涙にくれる姿が話題となった。
後日「フリーのミスが悔しかった、この悔しさを忘れないために銀メダルをいつも見えるところにおいてある」と語った。
ソチ五輪
集大成として臨んだソチオリンピックではSPで16位と大きく出遅れたが、FSで自己ベストを更新する会心の演技を披露。FS3位で総合6位まで巻き返した。メダルの望みを絶たれても最後まで諦めず高難度の構成に挑む姿が感動を呼び「記録より記憶に残る演技」として国民に称えられることとなった。悲願の金メダル獲得は今回も逃したが、2度目のオリンピックを涙と笑顔で終えた。
平昌五輪を目指して
現役続行か引退か「ハーフハーフ」と表現した1年の休養を経て2015年に正式に競技復帰。
自らの強い意思で平昌オリンピックへの出場を目指すこととなったが、長い競技生活で積み重なった怪我からくる不調に苦しみ、なかなか結果を残すことができない時期が続く。
2016年の全日本選手権で自己ワーストとなる12位に沈み、世界選手権代表選出を逃し年内でシーズンを終えた。マスコミに向けては次のシーズンも続けると明言していたが、この時点で「もう(これ以上は続けなくて)いいかな」とも思っていたという。
そして引退へ
2017年4月10日に、自身の公式ブログで現役引退を発表。
3月の世界選手権で平昌オリンピックの女子シングル出場枠が2に減り、出場が絶望的になったことが後押ししたのではと言われたが、2月の時点で引退を決めたことを明かしている。
以下ブログでの引退発表全文。
ご報告致します。突然ですが、私、浅田真央は、フィギュアスケート選手として終える決断を致しました。今まで、長くスケートが出来たのも、たくさんの事を乗り越えてこれたのも、多くの方からの支えや応援があったからだと思います。ソチオリンピックシーズンの世界選手権は最高の演技と結果で終える事ができました。その時に選手生活を終えていたら、今も選手として復帰することを望んでいたかもしれません。実際に選手としてやってみなければ分からない事もたくさんありました。復帰してからは、自分が望む演技や結果を出す事が出来ず、悩む事が多くなりました。そして、去年の全日本選手権を終えた後、それまでの自分を支えてきた目標が消え、選手として続ける自分の気力もなくなりました。このような決断になりましたが、私のフィギュアスケート人生に悔いはありません。これは、自分にとって大きな決断でしたが、人生の中の1つの通過点だと思っています。この先も新たな夢や目標を見つけて、笑顔を忘れずに、前進していきたいと思っています。皆様、今までたくさんの応援、本当にありがとうございました。(浅田真央) |
これを受け多くのスケート選手仲間はもちろん、吉田沙保里ら他競技のアスリートや著名人も「おつかれさま」と今までの活躍をねぎらい讃えるコメントを発表した。