日本の元フィギュアスケート選手。男子シングル。愛称「まっちー」。
1990年3月9日生まれ。神奈川県川崎市出身。身長162㎝。
概要
2010年四大陸選手権2位
2012年GP中国杯優勝
2013年、2014年GPスケートアメリカ優勝(日本男子初の2連覇)
2013年GPロステレコム杯優勝
2013年グランプリファイナル4位
2013年全日本選手権2位
2014年世界選手権2位(初出場2位は日本男子で歴代最高位)
2014年12月28日、全日本選手権後にリンクで現役引退および大学院進学を発表。
既に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程への入学を決めており、スポーツマネジメントの研究者を目指していることを、その後の記者会見で明かした。
引退後も声がかかれば、アイスショーなどへの出演意欲はあるとしており、実際に2015年よりアイスショーに出演している。
ただしファンからのプレゼントや手紙は一切受け取らない姿勢をとっている。
2018年10月6日、学業に専念する時が来たとしてアイスショーからも引退。
コラムや解説業は今後も引きうけるものの、教授を目指し研究者としてスケート界を支えるという。
現役引退後の4年間はアイスショーおよび解説業にて高い評価を受けた。
人物
2013年頃から、やたらと哲学的で独特な発言が飛び出すようになり「町田語録」として密かに注目を集めていたが、ソチオリンピックにおける活躍から、この語録はビッグバンを起こし、町田は「氷上の哲学者」として大空へと飛翔を遂げることになった。
語録の一端
「ティムシェル。日本語だと『汝、治むることを能う』という難しい言葉になっているんですが、“自分の運命は自分で切り開く”という意味だと解釈しました」
「高校2年のとき、メキシコのピラミッドの頂上でアルミみたいなものに触れたら(4回転が)完成した」
「(新衣装は)僕の裸体に火の鳥の精神を絡みつけて具現化した」
「勝利の光に向かって全身全霊で手を伸ばしていきたい」
「町田樹史上最高傑作ができたと思っています。」
「僕は今シーズン 、瞑想と睡眠の違いが明確になりました。質の良い睡眠が取れるように努めたい」
「まさにオフィス樹ですね」
「エタノールが燃える時のような透明で見えない炎を内に秘め、虎視眈々と狙いたい」
「ソチの会場の天井はブルー。 飛び立つというルサンチマンの格好の舞台。」
「ソチは未知なるフロンティア。恐怖心があるが、やるしかない。ソチのリンクは青が基調。火の鳥がきれいな青い空へ飛翔していく最高の舞を見せる」
「アルゴリズムとヒューリスティックの二つを使い分けるんです」
「あの夜に改めて、『自分は一歩下がれば、もうそこは死なんだ』という崖を見ました。」
「これからテレビに出る機会も増えると思うので、どんどんツッコんでいただいて構わない」
「ビッグバンですよ。僕の“火の鳥”は宇宙まで飛ぶ」
「ソチの地に愛されるような演技をささげたい」
「今日は日本はバレンタインですよね。明日逆バレンタインできるようにがんばります」
…なんだかよくわからない発言もあるが、本人曰く、ひねくれた性格であるため「頑張ります」等の月並みな言葉を使いたくないポリシーがあるらしい。
代わりに、意気ごみを伝える際には「強く美しく羽ばたいていきます」「飛翔していきます」といった表現や、四字熟語を用いている。
会見では上記のティムシェル発言で他の選手たちを呆然とさせるなど、何かと個性的な人物である。
ちなみに織田信成によると、「普段は気さくにしゃべってますよ」とのことである。
ソチ五輪後は、言葉が先行しつつある為そろそろ演技で語る男になると「語録を卒業」宣言したものの、その後も相変わらずポエミーな台詞や四字熟語が飛び出しており、世間の思う語録と彼自身の思う語録にはズレがあるのではないかとも噂されている。
また本人曰く、大半は奇をてらっているわけではなく普通に喋っているつもりなのに、メディアに取り上げられて驚くとのことである。
その翌シーズンも
「(衣装について)私の身体の特徴的なラインがより美しく見えるように」
「河口における汽水域(の様な…)」
「(今シーズンのテーマは)極北」
「もっともっと強靭な男性にならなければ演じきれない」
「(フリーの第九は)有機体としての完成がなされそうな」
等々、彼ならではの印象的な発言は続いた。
引退後2年間は沈黙を守り続けたが、アイスショーにて7分半もの大作『Don Quixote』を演じたり、松田聖子の『あなたに逢いたくて』という意外すぎる選曲で観客をどよめかせたりと、言葉はなくともやはり何かと異彩を放ってきた。
なおプログラム最長はアイスショーを引退する日、最後に演じたマーラーのアダージェットで9分半もの超大作である。
概要にあるとおり、2018年をもってアイスショーからも引退。
現役時代と違い、ルールが取り払われたアイスショーの世界ではどこまでも自由で独創的なプログラムを作り続け、観客を惹き込んだ。
演出にも強いこだわりを持ち、カメラ割りや照明の指示を入れたり、自身のサイトではプログラムのストーリーや背景を事細かに解説し続けた。
そういった唯一無二の演出、演技力、存在感が人気を博し、いつしかアイスショーでも大トリを任されるまでになり、現役時代の実績を確実に超える存在価値を示し続けた稀有なスケーターだった。
関連イラスト
ソチオリンピックのエキシビションで見せた演技の弾けっぷりとのギャップも話題となった。
使用曲はQueenの「Don't Stop Me Now」である。
関連タグ
今永昇太 - プロ野球選手。町田と同じく独特の発言から、「投げる哲学者(The throwing philosopher)」の異名を持つ。