ジュエルペットサンシャイン
じゅえるぺっとさんしゃいん
作品解説
前作『ジュエルペットてぃんくる☆』は、日常コメディだった第1作から正統派魔法少女アニメに路線変更したことで話題になったが、本作ではさらに大幅な路線変更。
登場人物達の『夢と恋』をメインテーマに据えながら、昭和ネタやどう考えても大人向けなネタ、往年の名作映画のパロディ、20世紀の流行歌、超展開が多数盛り込まれた青春カオスギャグアニメとなっている。
前作『てぃんくる☆』は第1作を見ていない大きいお友達を多く引き寄せた作品だったため、次のシリーズも『てぃんくる☆』と似た雰囲気になると思い込んでいた人たちも結構多かった様子。
いざ蓋を開けてみると女児向け銀魂・女児向けカブトボーグの異名を持つ『サンシャイン』だったわけで、あまりのギャップにショックを隠しきれない人も続出した。
今でこそ、ジュエルペットシリーズには"1年毎に方向性の違うアニメを作る"という方針があることは知られているが、3年連続でのジャンルのあまりに変化に迷走とも受け止められていたようだ。
ただ、この放送枠のサンリオアニメには「カオス要素のあるコメディ」という共通項があり、毎年作風が変わってもその雰囲気は外してはいない。それが全くなかったのは2015年現在『てぃんくる☆』のみであり、『てぃんくる☆』がジュエルペットシリーズの異端児という方が実態である。
声優面では前作『てぃんくる☆』とは違い、主役格のルビーと花音を除きジュエルペットと人間、両方こなす二役以上の配役がザラというのが多くみられる。
特にラブラ役の沢城みゆきはジュエルペットのオパール、カイト、人間キャラの藍沢晶子、寮のおばちゃん、計5役。
男性陣では上田燿司が八木沼、錦織猿之助、ストロベリーカフェのマスター、ドラゴン校長の計4役。
これらのキャラを演じ分けるシーンも多々存在するので、カオスギャグだけでなく演技面にも注目してもらいたい。
ちなみに先述の通り昭和ネタや懐かしいギャグが多数含まれているのだが、キャストの大部分を占める若手出演者にもわからない物がかなり多かったらしく、その度にジュエリーナ役の皆口裕子や上田燿司、イルカ先生役の岩崎征実が現場で説明していたという。
(ネタの中にはかつて皆口裕子自身がナレーションを務めたねるとん紅鯨団のパロディもある)
世界観
ジュエルペット達が生活するジュエルランドと、人間達が生活する人間界の二つの世界があり、それぞれ交流がある。
その為、ジュエルペットの存在は人間界にも認知されている(ただし珍しい存在ではあるらしい)。
物語のメインとなる舞台はジュエルランドの学校で、そこには人間界からの留学生や教職員も多数在籍しており、ジュエルペットと人間達が同じ環境・同じ立場で生活を共にするという、非常にシュールな光景が描かれている。
その構成もかなりイビツ(特に主人公達のクラスである梅組)で、人間やジュエルペット達にイルカ・ヤギ・ゴリラ・ワニ・ロボット・蚊などまで混じっている。一応、ジュエルペット扱いではあるらしい。ただしロボットはどっちか不明。
また、ルビーや花音などの主要人物は大半が高校3年生。
ジュエルペットシリーズでは年齢設定が最年長に位置づけられている。
物語
ジュエルランドにある全寮制の学校『サンシャイン学園』の3年梅組とは、通称「おちこぼれ組」と呼ばれる強烈な個性派揃いのクラス。
ジュエルペットのルビーは、仲間達と元気に学園生活を送っている。しかしルームメイトの花音とは喧嘩ばかり。花音はクラスメイトの御影に想いを寄せているが、ひょんなことからルビーも御影に惚れてしまい、話はこじれるばかり。
おまけにラブラとエンジェラはグルで問題を起こすわ、不良生徒がいるわ、奇怪な生徒もいるわ、意味不明な騒動が起こるわでいつも学園は大騒ぎ。
だがそんな彼らにも卒業の時は迫ってくる。はたして激しくも楽しい学園生活の果てに彼らが見つける「夢」とは……?