概要
マクロスシリーズの一つである。
個々のパーツ自体は悪くはないのだが、いかんせんストーリーが全体的に劇場版マクロスの焼き直しである感が否めず、さらに製作スタッフのほとんどが新規のスタッフだったために全体的にみると微妙になってしまい、マクロススタッフからは続編とは認められなかったという過去がある。(後にマクロススタッフがOVAのマクロスプラスとTVのマクロス7を正当な続編として製作している)
この作品により、マクロス作品が全て「史実をもとにした劇中劇」という設定になり、ある意味この作品があって今のマクロスシリーズが存在するともいえる。
なお、時間軸は公式により別のものとして扱われているが、時期的にはマクロスFよりさらに後の時代を描いた作品となっている。
あらすじ
登場人物
主要三人
神崎ヒビキ
SNN局のカメラマン。レンタルのバルキリーを使うが7のバサラを上回る徹底した非戦ぶりを発揮する。(民間人だし)
イシュタル
マルドゥークのイミュレーター(歌巫女。平たく言えば敵版のミンメイ)
シルビー・ジーナ
主人公のヒビキが民間人なので戦闘パートはもっぱら彼女が担当する。
地球統合軍
ネックス・ギルバート
エイミー・ロック
マルドゥーク軍
フェフ
エリンシェ
イングス
その他
ウェンディー・ライダー
地球を代表するアイドル。
デニス・ローン
マッシュ
ヒビキの友だちのオカマ。
その他
ちなみにイラストは少ないが見つけるときはマクロスⅡを推薦する。
関連イラスト
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ゾル人歌姫「ムジカ・ノヴァ」との比較
1992年(平成4年)に第1巻が発売された超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-に先立つこと約8年前に「超時空シリーズ」第3弾として制作された全23話のテレビシリーズ「超時空騎団サザンクロス」に於いて第7話「ラビリンス」より、最終23話「ジェネシス」まで登場したサザンクロス軍と敵対するゾル軍、その艦隊旗艦の器楽奏者ムジカ・ノヴァに於いて既に本作品で踏襲された、
「主人公側の組織と敵対する側の歌姫(マルドゥーク歌姫「イシュタル」)が 『敵、つまり主人公側の世界にも多様な文化があることを知って周囲の反対を押し切って敵軍の元へ向かい、両者の架け橋となる』
という王道展開の「最初の物語構成の原型」がみられる。
しかし、「ローマ休日」に対する慕情(オマージュ)以外にも本作と「超時空騎団サザンクロス」の間には、歌姫の物語構成に対する役割に関して、以下のような違いがみられる。
- 「超時空騎団サザンクロス」の器楽奏者ムジカ・ノヴァには、民族自体を裏切ったという葛藤が強調されている。ムジカが「ボウイ・エマーソン上等兵」ほか「ジャンヌ・フランセーズ分隊長」指揮下の第15分隊の脱出に協力して積極的に行動したことが、結果として母船の爆発破壊と難民の創出に繋がった。 これに対してイシュタルは、最初の地球行は気を失っている状態とはいえ、いわば SNN の報道記者「神崎ヒビキ」に拉致同然連に「お持ち帰り」され最初の地球訪問をし、マルドゥーク側に帰還した後、第5話「ステーション・ブレイク」でも彼女の保護者的な男性である司令官「フェフ」によって逃され、最終話・第6話での(失恋後の)自軍に対する説得と歌唱に至る行動までは、終始、受動的・他動的な行動だっに両者間を行き来した。
- また、マルドゥークはゼントラーディを洗脳・服従させるための歌詞の無い「1つの歌」しか持たない民族であった為、最終巻でのイシュタルの歌唱は道義的な正義としての理由があったが、これに対して「超時空騎団サザンクロス」のゾル人の場合は惑星グロリエ人(地球からの移民)の文化と並ぶだけの独自文化や歌詞のある複数の歌を持つ為、個人の尊厳を優先するムジカに対して、民族としての安定性を優先するファイドら(一卵性三人兄弟)の主義が作品の主題である「個の確立」テーマ上、幾分「分が悪い」ように描かれているものの、最終回でのムジカの主張はいわば「正」対「負」ではなく「両者の正義」が衝突する形(「正」対「正」)である。
- イシュタルには「神崎ヒビキ」に対して “フェアリー飛行航宙小隊” の隊長「シルビー・ジーナ」を恋敵とする明確な三角関係が生じているが、「超時空騎団サザンクロス」の器楽奏者ムジカ・ノヴァに関してはボウイ・エマーソンに対する愛情というよりは、同じ音楽家として彼の音楽文化に憧れ、その経緯からボウィに惹かれていったという描写に落ち着いており、いわゆる「初恋は実らない」原因の1つである「相手の異性の資質」(ここでは、彼の弾く音楽)を「人物に対する愛情」にすり替えたようにも推察される描写が散見され、恋愛感情というよりは「個の感情の目覚め」の結果としての側面がより強調されている。(超時空騎団サザンクロス 第10話、第15話、第17話、第18話 ほか)