概要
桜庭一樹が角川書店から出版した小説。
一話ごとに語り手(視点)が二転三転してる為ややこしいが、大まかには一人の恋と成長を書いた青春小説である。
あらすじ
郊外の街では、美しさは時として呪いの烙印である。恋に性に奔放な母親を持ったが為に、大変美しく生まれてしまった少女・七竈の苦悩と初恋を描く。
登場人物紹介
- 川村七竈(かわむら ななかまど)
本作の主人公。17歳。周りが放っておかない程の美少女。奔放な母を反面教師にした為に重度の男嫌い。鉄道模型と、幼なじみで親友で唯一の例外である雪風だけが友達。雪風以外の男は皆同じ俗物なのだから、早く滅びてしまえばいいと思っている。
- 桂雪風(かつら ゆきかぜ)
七竈の同級生の美少年。彼女とは幼なじみで唯一の友達にして例外。趣味は同じく鉄道模型。五人の弟妹がいる長男。手狭で騒がしい自宅が大嫌いでしょっちゅう川村家に入り浸っており、自分の鉄道模型も全て川村家に置いている。
- 川村優奈(かわむら ゆうな)
七竈の母親。小学校教師。7人の男性と浮名を流したのち私生児として七竈を出産。その後教職を辞し、産んだばかりの娘を父に任せると、男を求めて放浪の旅に出る。容姿はいたって普通。
- 祖父(そふ)
七竈の祖父で優奈の父親。元市役所の職員。出奔した娘に変わって孫の七竈を育てている。