ストーリー
アメリカ最悪の街で生き残れ。
中華系マフィア「トライアド」のボスが死に、その息子「ホァン・リー」は簡単なお使いをする事となり、アメリカ最悪の街こと「リバティーシティ」に渡る。それはトライアドを束ねる者の証である古い剣「ユウ・ジアン」を叔父のケニーに届ける事だ。
ホァンは何事もなくスムーズに終わると思っていた・・・リバティーシティの地を踏みしめるまでは。
ところがリバティーシティのキツイ洗礼は突如彼に襲いかかる。何者かに剣を奪われた挙句に車ごと魚の餌になりかけた彼であったが、この最悪の街で名誉とカネと復讐を追い求めるのであった・・・。
概要
GTACTW(グランド・セフト・オートチャイナタウンウォーズ)とは2007年(日本では2009年)にニンテンドーDSで発売されたGTAシリーズの携帯ゲーム機版である。
基本的にシリーズとしては初代あたりの俯瞰視点であるが、やや斜め後ろから見るような形になっている。
これまでのシリーズで登場したギャングの一組織「トライアド」の物語が初めて描かれた作品である。その為、組織の主要人物は全員中華系でありGTAではアジア系の主人公となる。
ニンテンドーDSという事で街のモデリング等はPSシリーズより劣るものの、広大なリバティーシティを展開し、DSのタッチパネルを生かしたシステムや取引が面白さのキモとなっている。
後にPSPやスマートフォンにも移植された。
GTA4と世界観を共有するが、矛盾点もある。
売人との取引
リバティーシティのあちこちには薬物の売人が陰で商売している。いわゆる相場取引ゲームであるのだが、前述の通り扱うものは「高級品から低級品まである薬物」であり、彼らとの売買によって大金を稼ぐチャンスがある。いかに相場を読み、買い時と売り時を見極める必要があるが、時に交流を持った売人からの極秘情報を入手しては買い時と売り時の絶好のチャンスに巡り会う事もある。
また、薬物を隠し持って走るバンを襲撃しては入手する事も可能。
ただし、モノがモノだけに警察も目を光らせているので取引が終わったと思ったら実は張り込みに見つかって逃避行・・・といったリスクも隣り合わせである。
今作の主要ミッションの報酬がガキの小遣い程度しか貰えないので金稼ぎはもっぱらこれがメインとなる。
なお、日本語版は名称が全て色の名前となっており、「ホワイト」「ブルー」といったものに変更されている他にブツのアイコンの一部が一目では危険な薬物とわからないようなものになっている。原語版では名称と共にそのまんまなのだが、恐らくCERO:Zの認可の関係もあると思われる。
登場人物
ホァン・リー
何者かに殺された中華系マフィア「トライアド」のボスの息子であり、いわゆるボンボン。
何不自由なく育ってきた彼は裏社会のイロハのイも知らない若造であったが父の死後のある日、形見の剣「ユウ・ジアン」をリバティーシティの叔父に届ける為に渡る。ところが予期せぬ事態に巻き込まれてあわや魚の餌になりかけるもなんとか沈む車から脱出。父の仇を探し復讐を遂げる為、欲望渦巻くリバティーシティの暗部に足を踏み入れていくのであった。
ケニー・リー
ホァンの叔父であり、トライアド内で起きている後継者候補の一人。結構時代遅れなところがあるようだ。ホァンに「ユウ・ジアン」を後継者には必要なものである為、リバティーシティに届けさせる。
リン・シャン
ケニーの部下である美人構成員。ポルノ女優もやっているという噂があり、ホァンが「ホットコーヒー」に誘う程の魅惑と色香を持つがマフィアの一員である為に格闘術を持つ結構危険な人物である。
シン・ジャオミン
ホァンの父亡き後のトライアドのボス。高齢故に引退を考えており、高圧的な人物でありながらボスの器に相応しい者を決めあぐねている。自分のバカ息子よりはホァンに見所があるようである。
チャン・ジャオミン
シンの息子であり、ボスの息子なら後継者は自分で当然と思い込んでいるおめでたいバカ息子。ボスの息子という事でホァンにはシンパシーがあり、度々尻拭いや変な事でホァンを振り回す。
チョウ・ミン
トライアドの中では候補としてダークホースと噂される男。大胆かつ奇抜な作戦を思い付き実行する野心家であるが、それ以上に冷酷かつ残虐な一面を隠し持っている危険人物。彼にはホァンも唖然とする程である。