人物
フィン・マックールはヌアザの孫娘マーナ(英語版)(ムィルナ)とフィアナ騎士団の団長クール・マックトレンモー(英語版)との間に生まれ、ディムナと名付けられる。父は彼の生まれる前に隊長の一人であったゴル・マックモーナ(英語版)(ゴール・マック・モーン)に殺されており、出産間近だったマーナはゴルがクールの息子を生かしてはおくまいと恐れ、信頼できる二人の侍女を連れて山の隠れ家へと逃げ、出産後は自分がいては息子の身の危険に繋がると、二人の侍女へ息子を預け、一人流離い消える。
二人の育ての親に荒野で生きるためのあらゆることを授けられたデムナは、素晴らしい狩人になった。ある日、家である小屋から離れたところに出歩いたデムナと同じ年頃の少年たちがしているハーリングに興味を持ち、仲間に入って遊んだところ、たちまちの内に上達し一人で全員を相手に勝利を治めた。このことを知った少年たちの族長がデムナに興味を持ち、名前を誰も知らなかったので外見の特徴である「太陽のように明るい髪をしている」から「フィン」と呼ぶようになった。
このことは噂としてゴルの耳にも入り、その少年がクールの息子ではないかと恐れたゴルは配下の騎士たちに生死を問わず見つけ出し捕まえるように命じ、フィン捜索の騎士たちが野に放たれた。そのことを魔術で見聞きしたフィンの育ての親の一人である魔女は彼に出生を明かし、彼をフィアンナの団長としての地位を勝ち取るための旅に出した。育ての親から貰った槍を手に旅する中でフィンは王や族長に仕え、戦士としての経験を積む。
団長になるにあたり、上王からキルデアにあるアルムの砦を与えられ、フィアナ騎士団の最盛期を築き、数多くの優秀な騎士を配下として従えた。フィアナ騎士団の人数は三千人を超え、入団希望者も後を立たなかったが、フィンはフィアナ騎士団の入団に厳しい試験を設けたため、入団できるものは限られた。フィンの死と共に騎士団の栄光も終わりを迎えることとなる。