外見はウシに似るが肩が隆起し、雌雄とも長いツノを有し、草や地衣類を主食とする。
体側から腹面にかけてと尾に黒茶色の非常に長い毛が生える。水を弾く長く粗い上毛と綿のような下毛のダブルコートになっており、季節による換毛はない。
第一胃での発酵温度が40℃に達する、赤血球が多く普通の牛の半分の大きさであるなど、高地の厳しい気象に適応した体の作りで、野生のヤクはチベット、青海省、カシミールなどの標高3,000～6,000mの高地に分布するが数千頭まで減少しており、中国では国家第一級の保護動物に指定されている。
体長：雄 280～325cm 雌 200～220cm
体高：雄 170～200cm 雌 150～160cm
体重：雄 800～1,000kg 雌 325～360kg
3,000年ほど前からチベット族により家畜化され、使役や乗用の他、肉、乳、毛、皮、骨、角、糞に至るまで無駄なく利用できる重要な資産であり、昔は結納にも用いられた。
家畜のヤクの性質はおとなしく、白、黒、駁模様などさまざまな毛色がある。
豆知識
ヤクの語は正式にはオスのみを指し、チベットではメスの事を「ディ」と呼ぶ。
ウシとの間に交配が可能で、そうして生まれた子供は「ゾッキョ」と呼ばれる。
