概要
あさりよしとお作のSFマンガ。代表作のひとつとして挙げられることが多い。休刊等の事情で掲載誌をいくつか変わっているため(「プチアップルパイ」「少年キャプテン」「月刊アフタヌーン」)、それらの世界観には差異がある。
掲載期間がもっとも長かったのが「少年キャプテン」版で、通常はこの版がスタンダードとみなされることが多い。
なお作品の題名はUSのテレビドラマ「宇宙家族ロビンソン」と原子力空母「カール・ヴィンソン」が由来。
あらすじ
辺境の惑星アニカの近くで宇宙船同士の衝突事故が起き、一方の船は大破してアニカに墜落する。もう一方の宇宙船に乗っていた異星人たち(旅芸人の一座)は墜落した船を調べたところ、三人の乗員のうち二人は死亡、ただひとり生き残っていたのは女の子の赤ん坊だった。
ところが女の子の母星である地球が「未知の惑星」であったため、事故調査にきた宇宙警察は、事故そのものに関して処罰はないとしたものの、赤ん坊の措置に関しても管轄外であるとして去ってしまう。
母星に関する手がかりが何もない状態では事故現場を動けないと考えた一座の座長(おかあさん)は赤ん坊の親代わりとなって一座の異星人たちとともにアニカに留まって家族を演じることを決意する。赤ん坊はコロナと名付けられ、この宇宙的な擬似家族の生活が始まった。
主な登場人物
コロナ
両親を失った地球人の女の子。「おとうさん」と「おかあさん」、そしてペットの「ターくん」ともに惑星アニカで暮らしている。
おかあさん
巨大な団子のような造形をもつネコ顔の宇宙人。旅の一座の座長。コロナの母星と連絡がとれるまで親代わりとなることを決めた。
おとうさん
戦闘ロボットのような外見をもつ宇宙人。ふだんの思考や行動が分かりにくいが、コロナに対する愛情は人一倍強い。
ターくん
ヒトの神経系だけを抜き出したような外見をもつ宇宙人。実家は富豪らしい。現在はコロナのペット。もっぱらいじられ役。
ベルカ
旅の一座のメンバー。元傭兵。コロナたちの住む村では警察(保安官)としての役目を果たしている。
パーカー
旅の一座のメンバー。何もしゃべらない謎の生物。輪郭がなんとなくバーサーカーに似ている。
アンディ
旅の一座のメンバー。目玉に手足がついたロボットのような外見。大破した宇宙船からデータを取り込んでおり、地球の暮らしの再現に一役買っている。雑貨店などを経営。
ケン
自らを風来坊と称して登場したキャラ。旅の一座とは無関係だが、アニカの原住生物でもないらしい。飛行能力がある。親切な性格でコロナたちの暮らしを裏からサポートしてくれている。
ジョン
映画屋。宇宙船に乗っていた一座のメンバーではなく、呼び寄せられた知人らしい。映画館を経営。犬のような外見だが、本体はカニのような形をしていて、身体がバラバラに分かれるという特徴をもつ。
ショベルマウス
ねずみのような外見をもつ宇宙人。ケンと同様、とくに脈絡もなく登場。ショベルで穴を掘って回る。
ライカ
ドラゴンの能力をもつ少女。人型だが頭に小さなツノがあり、翼を出して飛行することもできる。ベルカの傭兵時代の同僚。ベルカに復讐するためにアニカにやって来た(主に逆恨み)が、いつのまにか村の一員となる。ショベルマウスの家に同居。
原住生物たち
オウム貝に似た生物から進化した陸上生物。主に特撮映画などの関係者たちと似た性格をもっている。額の部分にそれぞれのキャラを示す漢字一文字が描かれている。例:ジュンくん→「大」(大木淳)、ジッソーくん→「実」(実相寺昭雄)