「襲撃機」とは
1938年(昭和13年)、参謀本部より定義された「低空・超低空専門の対地攻撃機」であり、最初から地上軍支援のために開発された、陸軍航空隊ならではの機種となっている。低空を低速で飛行するということは、もちろん対空砲火の脅威も見積もっておく必要もあり、この九九式襲撃機ではエンジンやコクピット等に6mmの防御装甲を仕込んでいる。
襲撃機は軽爆撃機とも差別化(目的別)が明らかで、スピードと航続力が求められた軽爆撃機に対し、襲撃機では低空での取り回しと防御力が優れている。搭載力は両方ともあまり重視されず、これは海軍ではより重い魚雷を搭載する事との違いを、メーカー側に意識させての事だろう。もちろん海軍における「陸上攻撃機」の定義とも違ったものとなっているが、呼び方の違いは単純に縄張り争いの結果と思うべきである。
襲撃機の戦術的な使い方
主だった使い方も、現代におけるCAS(近接航空支援)に相当するもので、これも低空を低速で飛行するからこその用途である。
武装
武装は左右主翼内部に固定された7.7mm機銃が1丁ずつ、後期には12.7mm機銃(一式戦闘機と同じもの)に強化された。搭載力は最大200kgで、50kg爆弾4個か、専用ラックを装備したうえで10kg爆弾を12個搭載できる。しかしこの専用ラックがまた重くて空気抵抗も大きそうな代物で、搭乗員にとっては搭載数は少なくなるものの、投下後にラックがデッドウエイト化しない50kg爆弾のほうが人気があったのではないだろうか。(見栄えはするのだが)
後席員にも受け持ちの7.7mm機銃が用意されている。