概要
山口氏お得意のバイオレンスアクションとシリアスなギャグがマッチした痛快娯楽時代劇である。最大の特徴は山口氏が過去に制作した作品のキャラクターが参戦しているスターシステムを採用している所にあり、かつてないほどバラティに富んだ内容となっている。
前作「エクゾスカル零」がダークで乾いた作風であったのに対し、本作は打って変わって熱く爽やかな雰囲気である。
ストーリー
大坂夏の陣にて豊臣家を滅ぼした徳川家康は江戸幕府を開き、豊臣の残党狩りをはじめとする苛烈な弾圧を繰り広げていた。
しかし、そんな徳川の圧政に真っ向立ち向かう者達が現れた。彼らこそは怨身忍者!世の不条理に命を絶たれてなお戦う道を選び、”衛府”より力を授かり生まれ変わった怒りの戦士である。
かくして、徳川家康と怨身忍者たちの飽くなき戦いの火ぶたが切って落とされた!!
登場キャラクター
怨身忍者
零鬼・カクゴ
「我の姿見し者ども、孫の顔拝ませぬ!!」
葉隠谷という山奥に住む化外の民(大和民族に追い立てられた者の末裔)の少年。鉈一本でイノシシを倒す狩りの腕前の持ち主。性格は素直で情に厚いが、山育ち故にぶっきらぼうで若干無神経。
徳川の残党狩りに巻き込まれて一族を滅ぼされ、自身も侍に打ち倒されたが怨身忍者・零鬼となって復活し、徳川家康に一矢報いるべく立ち上がった。
震鬼・憐
「本当にちんこでけぇ奴ぁ道具持たねェ」
板倉宿の動地一家に連なる侠客。湯宿を任された女衒のヤクザ者だが、根っこは仁義を尊ぶ熱血漢である。二十人力の怪力を誇る巨漢であり、度胸と頭の冴えもずば抜けている。徳川家の豊臣狩りによって妻を殺され、自身も釜ゆでの刑に処されたが、衛府の導きによって怨身忍者・震鬼となって蘇った。
雪鬼・六花
「大した世の中ではないが、もう少し生きてやるか!」
飛州の山奥に住むアイヌの末裔の少女。里で知り合った剛力の勇士・深見権九郎と一緒に暮らしていたが、幕府の権威に逆らった権九郎を討伐しにやってきた侍によって彼を殺された上に山一つ滅ぼすほどの毒を撒き散らされたことで自身も毒死した。その際に衛府の力で怨身忍者・雪鬼に転生し、戦いの旅に出ることになった。
現人鬼・波裸羅
「波裸羅と付き合いたくば、大言は吐いても嘘はつくな」
性別を超越した超人。男にも女にもなれる美貌の戦士で、性格はとにかくエキセントリック。自身を持て余した城主を捨て、徳川幕府に帰順した異色の怨身忍者である。
人間という存在を憎み抜いており、常に人を殺していると言っても過言ではない。その実力は最強クラスで、変身せずとも全身が凶器と言ってよい。それこそ逸物にいたるまで全身が武器なのである。
徳川幕府
徳川家康
豊臣に代わって日本を制圧した大大名。幕府を創設して間もなく怨身忍者たちによる大反乱を予知し、彼らの討伐に乗り出した。金陀美という巨大ロボットが如き巨具足を身にまとう。
吉備津彦命
鬼ノ城の温羅征伐で知られる飛鳥時代の皇子。ゆうに1000年以上生きながらえているが、いまだに若々しい姿を保ち続けている。いまは家康に協力しており、豊臣家残党や幕府にたてつくものを始末している。お伽噺にちなんだ様な不思議な能力を持っている。
本田正純
幕府の冷厳大老。首と胴体が離れた異形の怪人であり、幕府に推挙された波裸羅の面接を担当した。
白怒火典膳
久保田藩具足奉行を務める老戦士。相撲の奉納試合を通じて幕府の威光を世に知らしめんとしたが、深見権九郎によってお抱え力士を倒されたことで彼に目を付け、逆賊として討伐した。
戦いの際には拡充具足というパワードスーツを身にまとう。
その他の人々
兵藤伊織
「半端(ぱ)ねぇ、鬼半端(ぱ)ねぇ」
真田幸村の家臣の末裔。徳川の残党狩りを逃れてカクゴらの住む化外の里へやってきた。しかし徳川の討伐隊に嗅ぎ付けられ、里の一族と従者の貝蔵を殺されてしまい、カクゴとともに復讐の旅に出た。性格は武家の子女らしく真面目で義理堅いが、根はやんちゃなのか感情が高ぶるとヤンキー口調になる。
深見権九郎
背中に負った大やけどの跡がさながら阿修羅のように見えることから、阿修羅丸の四股名で呼ばれる力士である。相撲の奉納試合で幕府お抱えの力士を倒して優勝し、徳川の圧政に苦しむ人々に希望を与えた。しかし幕府の権威に逆らったと見た具足奉行に目をつけられ、討伐されてしまう。
銀狐
動地一家の湯屋に転がり込んだ美女。その正体は大阪城奥御殿女中であり、凄腕のくノ一である。憐に見初められて妻になるも、豊臣の残党狩りに巻き込まれ吉備津彦命によって殺害された。